2008年08月29日

さらば工学部

3日前(8月26日)、「歩いて識る150年」一行は「三伏峠〜高山裏小屋」を移動。

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皆さんご存知かと思いますが、先日の『日経ビジネス』(8月18日号)の特集として「さらば工学部 6・3・3・4年制を突き破れ」という特集がありました。

簡単に結論を言ってしまうと、工学系を覆う「学力低下」「志望者数低下」を、東大・京大等を例にして紐解き、その一方で、いわゆる「学校教育」に頼らない世界で技術教育に取り組む企業等の動きを紹介しています。



記事の中で、教養学部理科1類から58名も経済学部を進振りで志望したという例が掲載されていました。

『「工学部ならどの学科でも行ける成績なのに、経済学部を選ぶとは」。工学部教授の誰もが天を仰いだ』
との記事がありました。

確かに工学部の危機なのでしょうが、外的環境だけではないような気がします。

学生からしてみれば「学問的好奇心」も確かにあるかもしれませんが、大部分は、大学を卒業して就職し、生活の糧を得る必要があります。
それを考えたとき、現在の工学部卒業者の置かれている立場と、経済学部卒業者との比較をすれば、彼らの判断は自ずと定まってきてしまうのではないでしょうか。
それを、今までは「制度」で縛っていただけで、その縛りが緩くなったとき、当然の結末が見えてきたということではないでしょうか。

とはいえ、諸外国の大学をみると、文系ではなく理系(その分類も良いかどうかは怪しいですが)も、人気・実力ともに維持しているところは沢山あります。

工学部、という学問の砦を守るのではなく、工学部的知のあり方の魅力を学生に伝えることができれば、状況は変わっていくと思うのですが・・・



●「工学部を解体せよ」〜さらば工学部(1)
東レ・前田勝之助名誉会長に聞く


●「東大生の電気電子離れ加速、企業の求む人材と乖離」〜さらば工学部(2)
東京大学・保立和夫工学部長に聞く


●「『教育の金沢工大』は“褒め殺し”。教育改革に一切気は抜けない」〜さらば工学部(3)
金沢工業大学・泉屋利郎理事長に聞く


●「存続できず、廃部に追い込まれた工学部」
〜さらば工学部(4)
九州共立大学・小島治幸工学部長に聞く


●「溶接の総本山・阪大の異変」〜さらば工学部(5)
大阪大学接合科学研究所・野城清所長に聞く


●「文系理系の生涯賃金格差は5000万円」〜さらば工学部(6)
大阪大学大学院国際公共政策研究科・松繁寿和教授に聞く


●「京大工学生はゆとり世代から学力低下」〜さらば工学部(7)
京都大学・大嶌幸一郎工学部長に聞く


●「東京にあっても私学は厳しく、危機感は強い」〜さらば工学部(8)
東京理科大学・竹内伸学長に聞く


●「経済状態の厳しい地方にこそ公立大学は馴染む」〜さらば工学部(9)
高知工科大学・佐久間健人学長に聞く


●「『日本は智力繁栄しかない』の意味を噛み締めよ」〜さらば工学部(10)
松下電工生産技術研究所・小畑外嗣所長に聞く





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11月8日:「創立150年記念式典」まで、あと71日
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posted by Tommy at 23:42| 東京 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | 大学一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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