《塾長選挙》1:塾長とは
にて、
塾長の権能とその歴史をお話ししましたが、
今日は具体的な選手方法についてお話します。
まず、塾長の選出方法ですが、規定されたもの(しかも皆さんがすぐに目を通せるもの)としては「慶應義塾規約」に、その規定があります。
慶應義塾規約
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第8条(塾長の選任)
@塾長は,(1)評議員のうちから選ばれた者,(2)大学学長及び各学部長,及び(3)その他の慶應義塾関係者のうちから選ばれた者から成る委員会に於て選定された候補者につき,評議員会に於てこれを選任する。
A前項の委員会に関する細則は,理事会及び評議員会に於て定める。この場合の理事会及び評議員会の議決については第5条の規定を準用する。
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2項に議決について「第5条の規定を準用」と書いてあるのは、「理事会及び評議員会に於てそれぞれ全員の3分の2以上の同意を要する」という規定のことです。
さて、この1項で塾長の選考方法が定められているわけですが、ここで規定されているのは
1:「委員会」において塾長候補を選定する
2:評議員会が選任する
ということだけです。
しかし、
実はこの「委員会」の構成もさることながら、この「委員会」に塾長候補が挙がるまでにも手続きがあるのです。
実際の塾長選定には
「慶應義塾規約」
だけでなく
「塾長候補者銓衡委員会規則」
ならびに
「塾長候補者推薦委員会規則(塾内申し合わせ)・同細則」
によって定められています。
ちなみに、上記の規約8条でいう「委員会」はこの規定における「塾長候補者銓衡委員会」を指しています。
そしてこの3つの規定によって構成される塾長選出のステップは、以下のとおりです。
ステップ1)
各部門による第一次塾長候補者の選出
12部門(文・経・法・商・医・理・総・環・看・薬学部の各学部、一貫教育校、職員)の各部門から、2名ずつ、第一次塾長候補者を選出
<塾長候補者推薦委員会規則:第5条>
↓
ステップ2)
塾長候補者推薦委員会による第二次塾長候補者3名の選出
上記12部門から選出された委員450名によって、第1回投票(三名完全連記)で候補5名を、第2回投票(三名以内の連記または単記)で候補3名を選出
<塾長候補者推薦委員会規則:第6条&同細則>
↓
ステップ3)
塾長候補者銓衡委員会による塾長候補者1名の選定
<塾長候補者銓衡委員会規則:第4条>
↓
ステップ4)
評議員会による塾長の選任
<慶應義塾規約:第8条>
上記ステップを見ていただければ分かるかと思いますが、手続き的にも意味的にも、最も重いのは「ステップ2」部分ではないでしょうか?
ここは、各学部から選出された推薦委員会の委員が、第一次候補に対して票を投じるという、いわば「代議員制」を採用している選出形態になっています。
ステップを順に見てみることにしましょう。
まずステップ1ですが、ここについては塾長候補推薦委員会が、各部門に対して、第一次塾長候補をそれぞれ2名選出するよう、依頼する形になっています。
「推薦委員会規則」によると、
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第5条
1項
委員会は、大学各学部およびその他の部門に対して次の区分に従い第一次塾長候補者各二名の推挙を求める。
1 文学部
2 経済学部
3 法学部
4 商学部
5 医学部
6 理工学部
7 総合政策学部
8 環境情報学部
9 看護医療学部
10 薬学部
11 一貫教育校
12 職員
2項
第一次塾長候補者を選出しようとするときは、次の方式による。
1 文・経済・法・商・医・理工・総合政策・環境情報・看護医療・薬の大学各学部は、各学部ごとに専任の教員により各2名を選出する。
2 高等学校、志木高等学校、女子高等学校、湘南藤沢中等部・高等部、普通部、中等部および幼稚舎は、専任の教諭により2名を選出する。
3 職員は、専任の職員により2名を選出する。
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となっています。
各部門の中でどのように選出するかについては規定がないことから、そのやり方はどうやら各学部・部門に任せられているようですが、特徴としては、一種の予備選挙になっているということでしょうか。(職員枠は、事務職員と病院職員が同じ枠なので、相対的に病院側の力が強いような気がします)
次にステップ2。
ここについて「推薦委員会規則」では、
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第6条
委員会は、前条により推挙された第一次塾長候補者の中から3名の第二次塾長候補者を投票により選出する。その投票方法は、別に定めるところによる。
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とされているだけで、具体的な投票方法は「細則」に定められています。
このステップ2のポイントは投票方法もさることながら、この委員会の構成にあります。
この委員会は「推薦委員会規則」において
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第2条
委員会は次の者をもって構成する。
1 文・経済・法・商・医・理工の各学部から選出された学部長を含むその学部の専任の教員各48名(計288名)
2 総合政策・環境情報・看護医療の各学部から選出された学部長を含むその学部の専任の教員各18・18・12名(計48名)
3 薬学部から選出された学部長を含むその学部の専任の教員各18名
4 大学以外の学校長のうちから互選された者1名を含む、高等学校、志木高等学校、女子高等学校、湘南藤沢中等部・高等部、普通部、中等部および幼稚舎の専任の教諭の互選による者 48名
5 塾監局長を含む専任の職員から選出された者 48名
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ということで、今回は薬学部分の18名が増えて、全450名の委員会となっており、この各学部から選出されたいわば「代議員」が、第一次塾長候補者を3名まで絞り込み、塾長候補者銓衡委員会に第二次塾長候補者として推薦することになるのです。
そして、ステップ3。
この塾長候補者銓衡委員会による塾長候補者1名の選定は、塾長候補者銓衡委員会規則の第2条で定められたメンバーによって行われます。
具体的なメンバーは、
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第2条
2項 委員会は次に掲げる委員を以て構成する
1 評議員会議長 1名
2 評議員会に於いて互選された者(規約第19条第2項第1号の評議員を除き、本条第2項第3号から第7号の合計数と同数とする) 13名
3 嘗て塾長たりし者 1名
4 大学学長 ただし現に塾長たる者は除く 0名
5 大学各学部長 10名
6 大学以外の学校の校長のうちから互選された者 1名
7 部長以上の職員のうちから互選された者 1名
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となっており、評議員でも「教職員評議員」は除かれているので、この委員会は、その過半数が塾外のメンバーによって構成される形となっています。
この場において3名の第二次塾長候補者は、1名の塾長候補者に絞りこまれ、評議員会に推薦されます。
そして、最後のステップ4。
このブログの冒頭に書いたように、評議員会の3分の2以上の同意を以て新しい塾長が選任されます。
この塾長選出の評議員会は通常の評議員会とは別に臨時で4月下旬に開催されることになっており、その場で151年目を迎えた義塾の舵取り役が決まることになります。
今回については、その一端を皆さんにお知らせできるかもしれません。
3月10日の南別館
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2009年10月18日:2009年慶應連合三田会大会まで、あと220日
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