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いよいよ新政権による新年度予算の審議が始まりました。
事業仕分けによって年末はかなりの喧騒でしたが、そのときの仕分けの結果が今回の予算に現れています。
そして、高等教育関連の予算はどうだったかというと「減額」です。
大学予算減、将来像見えず
《新聞記事:読売新聞:1月27日付》
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2010年度の政府予算案で文部科学省の予算額が過去30年で最高の伸び率となるなか、大学関係の主要事業は減額となった。
政権公約の高校無償化実現に向けた財源捻出(ねんしゅつ)のためにしわ寄せを受けた予算案から、大学の教育・研究機能の将来像は見えてこない。
国立大学の人件費や設備の維持費などの必要経費として、同省が各大学に配分している「運営費交付金」。国立大が法人化された04年度の翌年度から、業務の効率化のため削減され、06年度には毎年1%減という数値目標が掲げられた。民主党の政策集では「交付金の削減方針を見直す」と明記されているが、10年度予算案では1兆1585億円(前年度比0・94%減)と、ほぼ前年並みの削減となった。
交付金を減額する一方で同省は07年度、世界トップレベルの研究教育拠点を育成する「グローバルCOEプログラム」をスタートさせるなど、公募のうえで優れた取り組みを支援する「選択と集中」を進めてきた。全国の国公私立大への同省の財政支援のうち、09年度に競争的に配分した資金は5435億円と04年度比で16%増加した。
しかし、10年度予算案ではグローバルCOEも265億円(同23%減)と大幅減に。大学院や学部の教育改革や国際拠点の整備を支援する公募型の補助金予算も、行政刷新会議の「事業仕分け」を踏まえて減額された。グローバルCOEの拠点リーダーを務める安成哲三・名古屋大教授は「これまでもギリギリだったが、さらに減額となれば海外での調査や研修の縮小など、影響は甚大だ」と嘆く。
大学関係者からは、逆風の予算案に「新政権が大学の将来像をどう描いているのか、わからない」との指摘も上がる。一方、「選択と集中」路線は、競争を促して大学を活性化させたとの評価もあるが、東京大など有力校に資金が集中して地方大学との格差が広がっていると懸念する声も強い。こうした現状に、新政権が今後どう向き合うのか、姿勢は明確ではない。
政策研究大学院大の角南(すなみ)篤准教授(科学技術政策)は「世界で戦う大学や地域に根ざす大学など、特色を生かした大学づくりに結びつく制度を構築すべきだ」と指摘する。(三井誠)
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国は90年代以降、紐付きではない「運営交付金/私学助成」ではなく、特定領域に的を絞った「競争的経費」にシフトしてきていました。
そして国としては運営費交付金を減らしていく代わりに、競争的経費にそれを振り分けるという形で、国が導きたい方向へ持っていこうとしていたはずなんですが。
それすら削減するというのは「どうでもよい」ということなのでしょうか。
ただ、これは一つ重要な示唆があると思います。
それは「国に頼っていても、いつソッポを向かれるか分からない」ということです。
結局のところは自助努力、大学それぞれが自分自身の力で、自分たちが成し遂げたいことに必要な資金を確保に走るしかないということです。
『国を支えて国を頼らず』とは、福澤諭吉の伝記を書いた北康利さんによる、福澤を言い表す言葉だということですが、まさに言い得て妙だと思います。
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