2010年10月04日

大学院の、その先にあるもの。


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みなさん、お元気ですか。
西富です。



10月に入り、すっかり季節は秋ですね。



今日は4日、三田の山では開票が行われていたはずです。

今回は一体何万票が投じられたのでしょうか。

投票率、50%は越えていてほしいものです。

卒業生評議員選挙の当選者発表は6日の水曜日です。





さて、今日は選挙と違い、今までと同様に大学関連の話題を。





先週の金曜日の10月1日には「内定式」なるものがあり、街中、若々しいスーツを着た学生たちでやや賑わっていた感じでしたが、実際の就職環境はいまだ厳しい状況が続いているようです。

この厳しい環境の中で、学部段階では就職という道を選ばずに大学院に進学するというケースも多いようですが、大学院の世界も、18歳人口の減少や研究開発環境の変化によって、必ずしも「より長い時間勉学に励んだから」といって、良い結果に結びつくわけでもなさそうです。

そんな中、国は「リサーチ・アドミニストレーター」の育成を考えているようです。




文科省、研究者を支援するリサーチ・アドミニストレター育成施策を提案
≪報道記事:Tech-On!(日経BP):2010年9月28日付≫


kokokara----------

文部科学省は平成23年度(2011年度)の新規施策案として、大学や公的研究機関の教員・研究者が研究開発活動に専念できる研究環境を整備する施策「リサーチ・アドミニストレターを育成・確保するシステムの整備」を予算規模5億円で新設する予定だ。平成22年度(2010年度)の「成長を牽引する若手研究人材の総合育成・支援イニシアティブ」施策は予算348億円を確保したが、来年度は同施策を484億円に増額して拡充する一環として、新施策としてリサーチ・アドミニストレターの育成・確保を盛り込む構えだ。

 リサーチ・アドミニストレターとは、米国などで活躍する研究開発支援や産学連携支援を担当している研究開発マネジメントの専門職であり、米国では大学や公的研究機関などで約15万人が活動している。米国では専門職として「University Research Administrator」という資格制度を設けて能力を担保し、研究開発マネジメントのプロが教員や研究員を支援するシステムが働いている。

 日本では文科省と科学技術振興機構(JST)や経済産業省と新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)などが1年当たりの予算規模が数億〜10数億円台の大型の研究開発プロジェクトを増やしている。競争的研究資金が支給される大型の研究開発プロジェクトが公募されると、プロジェクトリーダーとなる大学や公的研究機関の教員・研究者は、プロジェクトの企画案を練り、提案書にまとめて担当省庁に提出する作業に追われる。

 こうした大型の研究開発プロジェクトは企業や他の大学、他の公的研究機関との共同研究・産学連携になってるケースが多い。他の機関・組織との研究開発での分担内容や、研究成果から得られる特許などの知的財産の帰属(所有)などを事前に調整し、共同研究の体制案をまとめる膨大な作業が必要になる。こうした体制構築は、大学や公的研究機関の教員・研究者の本来業務ではないため、当然、手間がかかり、時間が費やされる。

 実際に、プロジェクトリーダーを務める教員や研究員が研究開発に費やす時間が減少していることを示す調査データが示されている。科学技術政策研究所の調査によると、大学の教授などの教員の研究活動時間は「平成19年度(2007年度)は同15年度(2003年度)に比べて1年当たりで約300時間減と約23%減っている」(1年間の総作業時間がいくらか異なるので、単純比較はできない)。教員が研究開発の本来業務に費やす時間が減ることは、日本の研究開発にとって大きなマイナスになっている。

 このため、日本でも研究開発プロジェクトの企画や運営を担当する専門職であるリサーチ・アドミニストレーターという専門人材の必要性が高まっている。リサーチ・アドミニストレーターに詳しい理化学研究所の研究戦略会議の高橋真木子研究戦略企画員は、米国ではプロジェクトの企画段階から採択されるまでの「プレアワード」(Pre Award)の担当者と、プロジェクトを実際に運営するプロジェクトマネージャーのような「ポストアワード」(Post Award)の担当者の2種類の人材が活動しているという。そして、これまでも日本の大学や公的研究機関ではリサーチ・アドミニストレーターとは呼ばれてはいなかったが、研究支援課などの事務職員などがこうした役割を担ってきた。しかし、同業務が急激に増えているため、「専門職人材を設ける必要性が高まっている」と指摘する。

 文科省研究推進局の研究環境・産業連携課技術移転推進室によると、今回の新施策案は既に実績を持つシニア・リサーチ・アドミニストレーター10人(5年任期)とリサーチ・アドミニストレーター10人(3年任期)を約30機関(大学や公的研究機関)で専任ポストを与えて育成してもらう計画だ。リサーチ・アドミニストレーターは大学院の博士課程修了者の中で、研究開発プロジェクトの企画や運営に意欲を持つ者を対象とする考えだ。提案公募によって大学院の研究科に「シニア・リサーチ・アドミニストレーターなどの研究開発マネジメント人材養成プログラム」の開発を委託し、「リサーチ・アドミニストレーターのスキル標準」「同研修・教育プログラム」を策定する予定だ。リサーチ・アドミニストレーターの全国的なネットワークを設け、相互に情報交換する仕組みも設ける。

 リサーチ・アドミニストレーターを育成する施策によって、日本の教員・研究員が研究開発に専念できる研究環境を整備するを目指す。今回、スキル標準を策定することは、教育・教育プログラムをつくるだけでなく、将来は、日本でも専門職としての資格制度の策定につなげたいもようだ。

 リサーチ・アドミニストレーターの重要性については、承認TLO(技術移転機関)の東京大学TLO(東京都文京区)の山本貴史代表取締役社長は「将来は、大学ばかりでなくTLO自身が研究開発のシーズ段階からマネジメントできるリサーチ・アドミニストレーターを組織し寄与できる機能を持ちたい」と語った。

----------kokomade




確かに、研究も専門分化が進み、また「競争的研究資金」を確保するための様々な申請事務などが増えてきている中、確かに「リサーチ・アドミニストレーター」のような存在は、今後必要となってくるのでしょう。

今現在であれば、各大学の「研究支援センター」のような部署の事務職員さんが担当しているのだと思いますが、この部署の人材や業務が専門職化する、という感じになることが想定されます。




ただ、気になるのが、日本の多くの大学の場合、事務職員の規模感そのものは「中小企業」的な人数規模でしかないため、人事慣行としては「職場のローテーション異動」がほとんどだ、ということです。

せっかく「リサーチ・アドミニストレーター」として育成されても、その業務を専門的に従事できるかどうかは難しいでしょうし、逆に「それだけをしたい」と拘るがゆえに、本人自身が動きづらくなるのではとも、思います。



業務としても職種としても必要なことは十分に認識できるのですが、実際に大学院を修了した上で、その業務に従事するメンタリティをもった人材が現れるかどうか・・・


大学院での教育は、その多くが「研究者」を育成することに主眼を置いているため、その段階を通じてうまく「研究の管理・運営を担う人材」を育成する方向へ持っていかないと、難しいだろうな、と。


「意味がある」と見せるためには、育成もさることながら、就職の面まで、ある程度、国として誘導すべき(国立の研究機関に該当するポストを作る)だと思うのですが、そこまでするのかなぁ・・・





ちなみに義塾の場合、

総合研究推進機構

という組織があり、その中の

研究支援センター(Office of Research Administration)

が、まさに「リサーチ・アドミニストレーション」を担当しています。






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posted by Tommy at 23:57| 東京 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | 大学一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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