1年生が開幕投手を務めるのは、早稲田史上初、6大学野球史上77年ぶり、
勝利に至っては80年ぶりという、まさに「前代まれに見る」偉業だったわけです。
佑ちゃん“80年ぶり”1勝/東京6大学
《報道記事:日刊スポーツ4月15日付け》
この「ハンカチ王子」フィーバー、周辺にも波及しているようです。
「ハンカチ王子」大学野球に新風 出版界もフィーバー実感
《報道記事:フジサンケイビジネスアイ4月16日付け》
大学の経営にとって、カレッジスポーツの果たす役割は、近年ますます重要になっています。
記憶に残る事例と言えば、箱根駅伝における山梨学院大学でしょうか。
山梨学院大学は、この箱根駅伝に注力することで全国的にその名を広めることになったわけです。
カレッジスポーツの外部に対する効果としては、なんと言ってもマーケティング・広告宣伝につながるということが言えます。今回の6大学野球についても、数十年ぶりに地上波で放送されるなど「早稲田大学」の名が、かなりの長時間電波に乗ることになりました。
内部に対する効果としては、何よりも「学生の求心力」として機能する、ということがあげられると思います。
自分自身がスポーツをやらなくても、手に汗握る状況を共有するという経験は、大学というコミュニティの存在感や求心力の再確認・再生産にとっては、非常に重要な意味を持っているのではないでしょうか。
慶早戦を観戦し、銀座で先輩・後輩の別なく酒を酌み交わし、日比谷公園で・・・、という体験の共有は「慶應義塾」というコミュニティにとって、非常に重要だと思うんですよね。
日本の大学では、ここまで、なのですが、アメリカは別次元です。
カレッジスポーツそのものが経営を支える重要な財源、ビジネスになっていますから。
大学のアメフトの試合で10万人集めますからね。
【関連サイト】
早稲田は考えてますね。
ワセダクラブ
【関連書籍】
僕も留学中に一度だけアメフト観に行きましたが、ド田舎のイリノイ大学なのに、どこにこんなに人が居たのか?というほどの一体感でした。
何日も前から「今週はUCLA戦だ!」とTVコマーシャルが流れ、当日は空軍機がスモークを焚いて飛び交い、観客は4万数千人入って1億円以上の興行収入、スタジアムの周りには大学のTシャツ着た家族が何百組もBBQしていました。
試合はボロ負けだったけど、ようやく市民に溶け込んだ気がしました。地方大学ではこういった地域を一つにする効果ってのも、無視できない気がしました。