さて、ここでポイントは「評議員会で改正がおこなわれている」ということです。
平成16年に改正された私立学校法42条では「寄付行為の変更」については「理事長において、あらかじめ、評議員会の意見を聞かなければならない」とされています。
とはいえ「意見を聞かなければいけない」であって「議決を要する」というものではありません。
これにはカラクリがありまして、同条第2項で「前項各号に掲げる事項は、寄附行為をもって評議員会の議決を要するものとすることができる」とされており、義塾においては規約(寄付行為)の変更を評議員会議決事項にしているというわけです。
平成16年の改正では、理事制度・監事制度・評議員会制度の改善が目的とされており、理事の代表権や理事会の位置づけなどが明確になりました。
と、ここまでは法律としての私立学校法の話ですが、義塾では少し話が違います。
実は(というかご存知の方も多いと思いますが)、慶應義塾では評議員会が最高の議決機関として位置づけられているのです。
慶應義塾において評議員制度が設けられたのは明治22(1889)年で、理事制度が発足するのはその約20年後の明治40(1907)年となっています。
そして、現行の私立学校法が成立したのが昭和24(1949)年であり、つまり法律より前に慶應義塾の評議員会が存在していたというわけなんです。
人数や選び方は歴史と共に変わっているものの、定員100名の評議員が2か月に一度三田の山に参集し、義塾の経営について最終判断を下しています。
【今日(9月21日)は何の日】
フランス国民公会が共和制を宣言(1792)、寺内総理が米騒動で辞表提出(1918)、
【今日が誕生日】
山鹿素行(1622)、H・G・ウェルズ(1866)、安倍晋三(1954)
【今日が忌日】
ショーペンハウアー(1866)、フェノロサ(1908)、御木本幸吉(1954)