2008年02月04日

ロースクール:アフターケア

【今日のランチ】
酉十郎(銀座5丁目、ニューメルサ7階)


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今日、久しぶりに文部科学省のウェブサイトを見に行ったのですが
(文科省はこの1月から丸の内の仮庁舎から虎ノ門に戻っています)、1月28日付けの報道発表として
「法科大学院設置計画履行状況調査の結果等について(平成19年度)」
という情報が掲載されていました。



現在の日本の法科大学院は「専門職学位課程」という制度に拠っており、一般の大学院(修士学位課程)とは別の制度となっています。
その最大の違いは「専門職ごとに設立された認証評価機関から、質的な保証(認証評価)を受ける」ことにあります。
この認証評価は専門職学位課程では5年に一度実施されることになっています。

で、今回発表されていた設置計画履行状況調査(アフターケア)は、上記の認証評価とは違い、
「各法科大学院の教育水準の維持・向上及びその主体的な改善・充実に資することを目的として、文部科学省令および告示に基づき、文部科学省が、設置認可後、当該認可時における留意事項(設置基準の要件は満たしているが、一層の改善・充実が必要と認められた事項)、学生の入学状況、教育課程の編成・運営状況、教員組織の整備状況その他の設置計画の履行状況について、各法科大学院から報告を求め、書面、面接又は実地により調査するもの」
となっています。
簡単に言ってしまうと、設置を許可した文科省が、のちに行われる予定の認証評価の前に「親切にも」事前に課題を指摘してあげよう、という制度です。


というわけで、この「ご親切」な調査結果がリストとして出ていたわけですが、面白い傾向があったので、ご報告を。



<対象>
今回の調査の対象となったのは「昨年度のアフターケアで留意事項が付されていた法科大学院(36大学)」と「本年度に完成年度を迎える法科
大学院(6大学)」の合計42大学院でした。


<結果>
・今回も留意事項が付された大学院:23校
・留意事項が付されなかった大学院:19校


<一覧>
大学院の名前の横に●が付いているのが、留意事項が付された大学院です。
(国立)
●筑波大学大学院 ビジネス科学研究科 法曹専攻 40
●東京大学大学院 法学政治学研究科 法曹養成専攻 300
新潟大学大学院 実務法学研究科 実務法学専攻 60
●信州大学大学院 法曹法務研究科 法曹法務専攻 40
●静岡大学大学院 法務研究科 法務専攻 30
●京都大学大学院 法学研究科 法曹養成専攻 200
●大阪大学大学院 高等司法研究科 法務専攻 100
島根大学大学院 法務研究科 法曹養成専攻 30
岡山大学大学院 法務研究科 法務専攻 60
九州大学大学院 法務学府 実務法学専攻 100
●鹿児島大学大学院 司法政策研究科 法曹実務専攻 30
(公立)
●大阪市立大学大学院 法学研究科 法曹養成専攻 75
(私立)
●北海学園大学大学院 法務研究科 法務専攻 30
東北学院大学大学院 法務研究科 法実務専攻 50
●白鴎大学大学院 法務研究科 法務専攻 30
●駿河台大学大学院 法務研究科 法曹実務専攻 60
青山学院大学大学院 法務研究科 法務専攻 60
慶應義塾大学大学院 法務研究科 法務専攻 260
●成蹊大学大学院 法務研究科 法務専攻 50
専修大学大学院 法務研究科 法務専攻 60
●大東文化大学大学院 法務研究科 法務専攻 50
東海大学大学院 実務法学研究科 実務法律学専攻 50
東洋大学大学院 法務研究科 法務専攻 50
神奈川大学大学院 法務研究科 法務専攻 50
関東学院大学大学院 法務研究科 実務法学専攻 60
●桐蔭横浜大学大学院 法務研究科 法務専攻 70
山梨学院大学大学院 法務研究科 法務専攻 40
愛知大学大学院 法務研究科 法務専攻 40
●愛知学院大学大学院 法務研究科 法務専攻 35
●中京大学大学院 法務研究科 法務専攻 30
●名城大学大学院 法務研究科 法務専攻 50
●京都産業大学大学院 法務研究科 法務専攻 60
立命館大学大学院 法務研究科 法曹養成専攻 150
龍谷大学大学院 法務研究科 法務専攻 60
●大阪学院大学大学院 法務研究科 法務専攻 50
●関西学院大学大学院 司法研究科 法務専攻 125
甲南大学大学院 法学研究科 法務専攻 60
●神戸学院大学大学院 実務法学研究科 実務法学専攻 60
●姫路獨協大学大学院 法務研究科 法務専攻 40
広島修道大学大学院 法務研究科 法務専攻 50
●久留米大学大学院 法務研究科 法務専攻 40
西南学院大学大学院 法務研究科 法曹養成専攻 50


<傾向>
具体的な留意事項については文科省のサイトをご覧いただければと思いますが、
平成19年度 法科大学院設置計画履行状況調査 留意事項
留意事項を斜め読みしていて気づいたことをいくつか。

・大規模大学院が「クラス規模が大きすぎる」との指摘を受けている(東京、京都)
・専任教員の年齢構成の偏り(恐らく老年の教員が多い)について指摘を受けている大学院は、たいてい小規模の新興大学院(北海学園、駿河台、大東文化、大阪学院)
・FDについての取り組み不足を指摘されている大学院にあまり傾向はない(筑波、信州、静岡、愛知学院、神戸学院、久留米)




これらの法科大学院のほとんどは平成16(2004)年、平成17(2005)年に開設されていますから、2009年、2010年にそれぞれ初めての認証評価を受けることになります。


とはいえ、この「アフターケア」を見て思った、根本的な疑問が一つ。



あれ、他の分野の専門職大学院にこんな取り組みって準備されてたっけ?


うーん。


無い気がする。


アフターケアの説明にも「各法科大学院の〜」という言葉から始まってるし。



専門職大学院制度は、欧米のプロフェッショナルスクール(アカデミックスクールに対置する)を目指して作られた制度なわけですが、実際には法科大学院(ロースクール)のためだけのもののようです・・・



他の大学院はどうなるんだろう・・・




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【今日(2月4日)は何の日】
聖武天皇即位(724)、足利義政が慈照寺観音殿(銀閣寺)の造営を始める (1482)、江戸幕府が赤穂浪士46名に切腹を命じる(1703)、日露戦争開戦が決定(1904)

【今日が誕生日】
毛利輝元(1553)、前島密(1835)、チャールズ・リンドバーグ(1902)、山下達郎(1953)、石破茂(1957)

【今日が忌日】
セプティミウス・セヴェルス(211)、平清盛(1181)、高山右近(1615)、保科正之(1673)、秋山眞之(1918)、林銑十郎(1943)、人見東明(1974)


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posted by Tommy at 23:40| 東京 ☔| Comment(0) | TrackBack(1) | 大学一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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