ピエール・エルメ(マカロン・フェスティバル)
★★★★☆
宝石箱や〜。
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先月末から今月初めにかけて、法科大学院に関する認証評価の結果の公表が相次いでありました。
今回の認証評価結果の公表は、認証評価に関する世の中の認識を大きく変えたのではないでしょうか?
というのも、世の中一般で言うところの「一流大学(大学院)」に対して「不適合」の結果が出た(しかも複数!)からです。
改めて「認証評価制度とは何か」ということですが、認証評価制度は学校教育法に定められた評価の仕組みで、「大学」は7年ごと、専門職大学院は5年ごとに文部科学省から認証された「認証評価機関」による評価を受けることになっています。
アメリカでは、地域別や専門分野別に数多くのaccreditation機関が活動を行っており、欧州でも最近はMBAを中心として専門領域別のaccreditation機関が活動を始めています。
そういう流れを受けて日本では、法科大学院が専門職大学院という新しい制度を利用するとなった際に、この認証評価制度も合わせて導入されたというわけです。
さて、では実際の結果がどうだったのか、報道記事で確認してみましょう。
まず出たのは「認定、でも条件付き」という結果です。
大学基準協会
大学基準協会:法科大学院の認証評価結果
・慶大法科大学院は「条件付き合格」・大学基準協が評価公表《報道記事:日経新聞:3月24日付》
・慶応に毎年報告求める 法科大学院認証評価 《報道記事:産経新聞:3月24日付》
この結果に驚いていたのも束の間、次に出たのは「初めての不適合」でした。
日弁連法務研究財団
日弁連法務研究財団:法科大学院の認証評価結果
・愛知大、初の不適合・法科大学院認証評価 《報道記事:日経新聞:3月26日付け》
・「法科大学院:愛知大に「不適合」評価 日弁連法務研究財団 」《報道記事:毎日新聞:3月27日付》
認証評価という制度を始めたとはいえ「見かけ倒しなのでは(実際に不適合なんて出さないのでは)」と思っていたというのが偽らざる本音だったので「不適合」という結果が出たことにまず驚きました。
とは言いつつも「とはいえ、世に「一流」と呼ばれているところはそうはならないのでは」という淡い期待を残していました。
そして、この淡い期待(?)を粉々に砕く事態が早々に訪れたのです。
大学評価・学位授与機構
大学評価・学位授与機構:法科大学院の認証評価結果
・法科大学院の評価機関、一橋など4校「不適合」に《報道記事:読売新聞:3月28日付》
・法科大学院:一橋大など不適合判定−−大学評価機構《報道記事:毎日新聞:3月28日付》
な、なんと「一橋大学、北海道大学、千葉大学、香川大学」という国立大学4校が、理由は様々ではありましたが「不適合」の認定を受けたのです。
法科大学院制度は、見方によってはある意味「国策」として始められたという色彩が強いわけですが、その一翼を担っている国立大学の複数で「不適合」の結果が出るとは、正直、衝撃を受けました。
私が思うに、あまりにも「不適合」が出たために、逆に大きな話題にならなかったのではないか、と。
今回、認証評価3機関から相次ぎ評価結果が出たわけですが、この中で、どこか1校だけが「不適合」という結果になっていたら、その1校へ注目が集中し、来年以降の学生募集等にかなりの影響を与えていたに違いありません。
しかし今回の結果は、当初の想定を遙かに超え「世に「一流」と呼ばれていようが『認証評価基準』に適合しない現状があれば、それは「不適合」と認定する」という前例を作ったという点で、評価できると思います。
とはいえ、この認証評価は5年に一度のことですから、次の評価までの5年の間に、今回指摘された点を改善して、それぞれの大学院の教育目的が達成できるように努力すれば良いわけです。
この認証評価制度を実質化していくためには、認証評価機関の信頼性(機関として、評価者として)と、それを受けた大学院側が真摯に対応する(無視するのではなく)ことが必要となります。
これからが正念場です。
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