2008年05月10日

奨学金合戦。


私が大学受験をしたころ、「奨学金」と言われて思い浮かぶのは、神奈川大学の奨学給費入試や、大学入学後の日本育英会の給費・貸費制度ぐらいのものでした。

ま、現実には様々な奨学金制度があったものの、手続きのめんどくささや、何よりも「世帯収入基準」で申請できなかった思い出があります。

ちょうど子供が大学生になる頃って、世帯収入はそれなりにあるものの、なんといっても「住宅ローン」や大学までの教育費もろもろで、結構出費をしているわけですが、「収入ありますよね」ってことで門前払いになるんですよね。


両親には迷惑かけました。
(中高は私立だったし、一年浪人したし・・・)



さて、まだあの頃は「勝ち組・負け組」なんて言葉もまだ登場していなかったわけですが、「失われた10年(15年?)」を経て、いまや奨学金政策は、大学の政策手段として脚光を浴びるようになってしまいました。
それだけ「学費を出す」ということが大変だと思う人が多くなってきたということですね。




この奨学金で最近「おぉ」と注目されたのが以下の2件でしょう。

《東大》
東大、家庭の年収400万円未満は授業料全額免除

東京大学:博士課程が実質タダに、来年度から奨学金支給…「博士余り」が深刻化

東大、院生の「授業料半額免除」を2倍の1000人に

《ICU》
優秀学生に400万円 ICU、国内最高レベルの奨学金



さてさて、こう見ると改めて東大は恐ろしいですね。

しかし穿った見方をすると「こうまでしないと、優秀な人が大学に残らない」ということなのでしょう。
「優秀」という言葉も定義にもよりますが、おそらく「目鼻が利く」人たちは、学部で卒業して外資系金融機関か、ロースクールに行って弁護士という道を選んでいるのでしょう。(そういえば、この前、AERAでそんな特集を見た記憶も)
「学問を究める」というのは、今では昔ほどは魅力的には見えないのでしょう。(学問的業績より「高学歴ワーキングプア」のほうが耳目を集めてますしね)


東大の奨学金政策に感じるのは、
・自前で研究者を養成したい
・低所得者にも東大への門戸を開きたい
ということですね。

一方のICUでは
・(自分たちの学費が高いことを認識した上で)優秀な学生に来てほしい
という思惑が見えますね。





では、わが義塾はどうなってるか、ということですが、
奨学金制度
奨学融資制度

特徴といえば、年度三田会・地域三田会が設立した奨学金が数多くあることと、「奨学融資制度」でしょうか。
奨学融資制度は、学生納付金をローンとして借り、在学中の利子は義塾が奨学金として支給し、卒業後に最長14年で返済するという制度です。これは1997年にできた制度なのですが「自分の学費を、卒業後の自分の稼ぎで返す」というコンセプトは、なかなか良いなと思ってました。


そ、そして、
これらに加えて、
この150年を記念して、新しく2つの制度が発足します。

慶應義塾大学 家賃補助制度
慶應義塾未来先導国際奨学金


家賃補助制度のほうは、文字通りの家賃補助です。
首都圏以外の出身者の方を対象に年額12万円を1600名分支給するというものです。
皆さんご存知の通り、義塾は首都圏出身者が圧倒的に多く、地方出身者が少ないという実情があります。今回の取り組みは、これに対する一つの答え(額は小さいですが)と言えるものです。

そしてもう一つの「国際奨学金」。
これがすごい。
留学生を対象に、学費・生活費・渡航費に相当する額を全額支給するものです。2年間で総額900万弱。
海外の大学を受験しようと考える際に「あぁ、こういう全額補助の奨学金って、何で日本にはないんだろう」と思っていましたが、とうとう出てきたようです。
しかも、収入は一切関係なく「優秀性」だけが判断材料とのこと。

この制度、明らかに意図しているのは「世界における慶應の知名度アップ」ですね。良い形に育っていってもらいたいものです。



とはいえ、気になる点が一つ。

ただ「学問をさせる」ことだけを目的に支給してほしくはないですね。
「慶應義塾で学ぶ」という意味を十分に理解してもらわないと。

なんといっても、原資が義塾社中の寄付なわけですし、「学問するだけ」なら、国費留学でよいと思うんです。

私学だからこそ、慶應義塾だからこそ、というところをうまく出してほしいものです。




それにしても「奨学金競争」は結構なのですが
学費値下げ競争は避けたいものです。

学費を下げ始めると、際限の無い過当競争になってしまいます・・・





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11月8日:「創立150年記念式典」まで、あと182日
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posted by Tommy at 23:40| 東京 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 大学一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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