【今日のアフタヌーンティ】
ekki(フォーシーズンズホテル丸の内)コストパフォーマンスはピカ一。お水は頼んではいけません。
★★★★☆
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先日、21日14時から第32期第9回の評議員会が開催されました。
3月の評議員会というと、必ず審議される議題として予算がありますが、今回は昨年3月の2研究科開設を上回る重要な議題を取り扱いました。(先日のブログでヒントはお教えしましたが)
今回の評議員会の議題等は、以下の通りでした。
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《特別議題》
第1 常任理事の選出
《議題》
第1 評議員会に提出すべき議案に関する細則の一部改正
第2 横浜市青葉区の新一貫教育校予定地の土地取得
第3 平成20年度収支予算
第4 平成19年度建設工事資金および土地取得代金の一部借入
第5 新しい学費体系の創設と学費の改定
第6 大学(三田)南別館(仮称)新築工事
第7 日吉キャンパス複合施設(仮称)内に支援施設を開設することに伴う定期建物賃借契約の締結(新規)
第8 大学病院中央臨床検査部 大型自動分析装置およびコンピュータシステムの更新に伴う賃貸借契約の締結(更新)
《報告事項》
第1 慶應義塾・共立薬科大学の法人合併並びに薬学部・大学院薬学研究科の設置
第2 平成20年度入学試験状況
第3 創立150年記念事業
第4 その他
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今回は、まずはじめに3月13日にお亡くなりになられた名誉評議員:簗瀬次郎君ならびに3月19日に急逝された常任理事:吉田和夫君に対して黙祷を捧げることから始まりました。
簗瀬次郎君は20期から30期まで11期44年にわたり評議員を務められた、義塾の重鎮でありました。
・訃報:簗瀬次郎君
吉田和夫君は、理工学部教授でロボット工学を教える一方で、常任理事として「施設・管理、調達、企画」を担当されており、特にこの150年を期して新築・改修されている各種施設設備を管掌されていました。
お通夜は明日24日の18時から、ご葬儀は25日11時から、いずれも青山葬儀所において執り行われます。
ご冥福を心からお祈り申し上げます。(葬儀委員長は塾長が務められます)
・訃報:吉田和夫君
《特別議題》
第1 常任理事の選出
この4月から薬学部・大学院薬学研究科が開設されることを受け、これらを管掌する常任理事を新たに1名選任することになりました。現在、共立薬科大学の理事長を務められている橋本嘉幸さんです。任期は4月1日から平成21年5月27日まで(塾長や他の常任理事の任期と同様)となります。
《議題》
第1 評議員会に提出すべき議案に関する細則の一部改正
これまで評議員会の議決は、会議当日に必要数に達しなかった場合は「後日書面によって同意を得る」という形が長年採られていたわけですが、この4月1日から「書面による事前の意思表示」を可能とする方式に変更になります。
そのため、この意思表示の仕方を含めて評議員会に上程する議案の内容について、これまでの「細則」を「評議員会運営規則」と名を改めて整理することになりました。
《議題》
第2 横浜市青葉区の新一貫教育校予定地の土地取得
昨年11月9日に、学校事業予定者として横浜市青葉区の土地の取得権を得ていたですが、今回正式に売買契約(今回は、そのうち3月末に行う仮契約分)を行うこととなりました。
最終的な所有権移転は、横浜市の議決を経て残金を支払った時点(おそらく夏ごろ)になるそうです。
《議題》
第3 平成20年度収支予算
来期の予算については、共立薬科大学との合併に伴う収入・支出の増加、2大学院の開設に伴う支出増があり、これに加えて150年記念事業が各種加わる形になっています。
2大学院については既に専任教員を先導研究センターやデジタルメディア・コンテンツ統合研究機構等に確保済みのため、来期に新規で大幅な支出増となるものはあまり無いようです。
何よりも11月8日の150年記念式典@日吉をピークに、これに合わせた各種のイベント・施設建設等で、150年事業の予算はかなりの額になります。
《議題》
第4 平成19年度建設工事資金および土地取得代金の一部借入
こちらは、すでに今期予算に組込済みの借入の承認です。総額で40億強、新一貫教育校用地についてだけは予算外措置の承認となりました。
《議題》
第5 新しい学費体系の創設と学費の改定
今回の評議員会で最も長い時間を費やした議題がこれです。
既に義塾からのプレスリリース及び新聞報道がなされています。
・新しい学費体系の創設について《プレスリリース:慶應義塾:3月21日付け》
・慶大が入学金40%削減、近く全廃 「優秀な学生集めたい」《報道記事:産経新聞:3月21日付》
・慶大4学部で納入費値上げ、4年間で17・8%増の428万に《報道記事:読売新聞:3月21日付》
・慶大が授業料引き上げ・09年度から《報道記事:日経新聞:3月21日付》
・慶応大「入学金値下げ」…実は学費アップ
《報道記事:朝日新聞:3月22日付》
義塾大学の学費は1975年に改定(76年から適用)されて以来、今日まで30数年にわたり、基本的な骨格が維持されてきました。
そもそもこの30数年前の改定は、大学紛争の一つの結果ともいえるものです。
その当時はインフレが激しく、学費がそれにまったく対応していなかったため、塾当局は、経済状況に追い込まれて学費の値上げを行おうとしたわけですが、それが大幅な値上げであったために紛争となったという過去があります。
そのため、その結果改定された現行の学費体系は、長きに亘って触られることなく、スライド制に伴う改定以外は、基本的に大きな動きがなく推移してきました。
しかし、入学金に対する最高裁の判決や世界的な大学競争、現行体系で想定していなかった新たな設備環境(特にネットワーク関係)の整備が、ここ数年義塾の財政の均衡を圧迫する要因になっており、今回、数年来の検討を経て改定するに至ったということです。
私自身、今回の提案を見ていた中で非常に興味深かったのは「在籍基本料の創設」と「入学金の引き下げ」です。
特に在籍基本料については、「大学への在籍」と「授業の履修」を分けることで、在籍期間中の留学などが容易に行うことが可能となり、また「学事等の基本業務」と「教育」が概念上別れることで、それぞれの責任もより明確になっていくのではないかと考えています。
また、入学金については、これまで慣習のなかで曖昧になっていたものを「廃止の方向性」(塾長談)を持ちながら引き下げることで、今後日本の私立大学全体に対して大きな波紋を呼ぶことになるかと思います。
授業料は今回の改定で「値上げ」ということになるわけですが、教育に値段をつけるというのは非常に難しいことだなと、今回改めて感じました。
低廉な金額であることは、その負担者(学生)にとっては一見すると嬉しい限りですが、その金額は同時に教育の質の上限も決めてしまうことになるわけで「この程度の内容でも、この金額なら仕方がない」という、悪い意味での馴れ合いも生んでしまう危険性を孕んでいます。
米国の例が良いかどうかは別として、「これだけ払っているんだから、これぐらいの質の教育を提供(そしてそれに応えていく)してくれないと困る」と、良い意味での緊張感が出るくらいの金額でも良かったのではないかと考えています。(実際は、他への影響も考えると、そこまで踏み出せるほど環境は整っていないとは思いますが)
この改定が「無給のボランティア」「個々の献身的努力」に依存しない、質の高い教育を提供できる一助となるよう、願ってやみません。
評議員会でも、値上げに伴う学生の負担をどう軽減するか等について、何名かの評議員から意見や提案がありました。
《議題》
第6 大学(三田)南別館(仮称)新築工事
三田キャンパス正門の信号渡った正面、現在は時間貸し駐車場となっている土地に、南校舎改築の代替設備として「南別館(仮称)」が建築されます。
竣工は来年1月の予定です。
《議題》
第7 日吉キャンパス複合施設(仮称)内に支援施設を開設することに伴う定期建物賃借契約の締結(新規)
複合施設は、地下鉄の地上出口につながるほか、地域への解放の一環として、フィットネスクラブやコンビニ、カフェなどを併設することとなっており、そのコンビニとカフェの委託業者が決定しました。
《議題》
第8 大学病院中央臨床検査部 大型自動分析装置およびコンピュータシステムの更新に伴う賃貸借契約の締結(更新)
病院中枢の自動分析装置の老朽化に伴うシステムの更新です。
《報告事項》
第1 慶應義塾・共立薬科大学の法人合併並びに薬学部・大学院薬学研究科の設置
法人合併等に関する経緯に関する資料配布・説明がありました。
《報告事項》
第2 平成20年度入学試験状況
薬学部を除いても、昨年より受験者数が増加(3年連続)したようです。
目下入学手続き中で、入学者の確定は後日改めて、とのことでした。
《報告事項》
第3 創立150年記念事業
4月23日に予定されている「塾生集合!! 社中の絆 in 東京ディズニーシー(R)」と、11月8日に行われる創立150年記念式典についての案内がありました。
《報告事項》
第4 その他
福澤議長から、義塾のガバナンスについての検討を行うための委員会を評議員会内に組成する旨が発表されました。
義塾のガバナンスについては過去(平成16年3月)に「評議員会のあり方、理事会のあり方、塾長選出のあり方等について」とう答申が「評議員会のあり方等検討委員会」によってなされているのですが、その後の私立学校法の改正や今後の方向も踏まえて、再度議論する必要があるとのお話でした。----------
【今日(3月23日)は何の日】
日蓮が幕府に赦免される(1274)、天正遣欧少年使節がローマ教皇グレゴリウス13世に公式謁見(1585)、ドイツ議会で全権委任法(授権法)が可決(1933)
【今日が誕生日】
松方正義(1835)、北大路魯山人(1883)、エーリヒ・フロム(1900)、黒澤明(1910)、浅田彰(1957)
【今日が忌日】
西行(1190)、板垣信方(1548)、スタンダール(1842)、ハイエク(1992)、カール・シャウプ(2000)
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posted by Tommy at 22:58| 東京 ☁|
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