2010年10月04日

大学院の、その先にあるもの。


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みなさん、お元気ですか。
西富です。



10月に入り、すっかり季節は秋ですね。



今日は4日、三田の山では開票が行われていたはずです。

今回は一体何万票が投じられたのでしょうか。

投票率、50%は越えていてほしいものです。

卒業生評議員選挙の当選者発表は6日の水曜日です。





さて、今日は選挙と違い、今までと同様に大学関連の話題を。





先週の金曜日の10月1日には「内定式」なるものがあり、街中、若々しいスーツを着た学生たちでやや賑わっていた感じでしたが、実際の就職環境はいまだ厳しい状況が続いているようです。

この厳しい環境の中で、学部段階では就職という道を選ばずに大学院に進学するというケースも多いようですが、大学院の世界も、18歳人口の減少や研究開発環境の変化によって、必ずしも「より長い時間勉学に励んだから」といって、良い結果に結びつくわけでもなさそうです。

そんな中、国は「リサーチ・アドミニストレーター」の育成を考えているようです。




文科省、研究者を支援するリサーチ・アドミニストレター育成施策を提案
≪報道記事:Tech-On!(日経BP):2010年9月28日付≫


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文部科学省は平成23年度(2011年度)の新規施策案として、大学や公的研究機関の教員・研究者が研究開発活動に専念できる研究環境を整備する施策「リサーチ・アドミニストレターを育成・確保するシステムの整備」を予算規模5億円で新設する予定だ。平成22年度(2010年度)の「成長を牽引する若手研究人材の総合育成・支援イニシアティブ」施策は予算348億円を確保したが、来年度は同施策を484億円に増額して拡充する一環として、新施策としてリサーチ・アドミニストレターの育成・確保を盛り込む構えだ。

 リサーチ・アドミニストレターとは、米国などで活躍する研究開発支援や産学連携支援を担当している研究開発マネジメントの専門職であり、米国では大学や公的研究機関などで約15万人が活動している。米国では専門職として「University Research Administrator」という資格制度を設けて能力を担保し、研究開発マネジメントのプロが教員や研究員を支援するシステムが働いている。

 日本では文科省と科学技術振興機構(JST)や経済産業省と新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)などが1年当たりの予算規模が数億〜10数億円台の大型の研究開発プロジェクトを増やしている。競争的研究資金が支給される大型の研究開発プロジェクトが公募されると、プロジェクトリーダーとなる大学や公的研究機関の教員・研究者は、プロジェクトの企画案を練り、提案書にまとめて担当省庁に提出する作業に追われる。

 こうした大型の研究開発プロジェクトは企業や他の大学、他の公的研究機関との共同研究・産学連携になってるケースが多い。他の機関・組織との研究開発での分担内容や、研究成果から得られる特許などの知的財産の帰属(所有)などを事前に調整し、共同研究の体制案をまとめる膨大な作業が必要になる。こうした体制構築は、大学や公的研究機関の教員・研究者の本来業務ではないため、当然、手間がかかり、時間が費やされる。

 実際に、プロジェクトリーダーを務める教員や研究員が研究開発に費やす時間が減少していることを示す調査データが示されている。科学技術政策研究所の調査によると、大学の教授などの教員の研究活動時間は「平成19年度(2007年度)は同15年度(2003年度)に比べて1年当たりで約300時間減と約23%減っている」(1年間の総作業時間がいくらか異なるので、単純比較はできない)。教員が研究開発の本来業務に費やす時間が減ることは、日本の研究開発にとって大きなマイナスになっている。

 このため、日本でも研究開発プロジェクトの企画や運営を担当する専門職であるリサーチ・アドミニストレーターという専門人材の必要性が高まっている。リサーチ・アドミニストレーターに詳しい理化学研究所の研究戦略会議の高橋真木子研究戦略企画員は、米国ではプロジェクトの企画段階から採択されるまでの「プレアワード」(Pre Award)の担当者と、プロジェクトを実際に運営するプロジェクトマネージャーのような「ポストアワード」(Post Award)の担当者の2種類の人材が活動しているという。そして、これまでも日本の大学や公的研究機関ではリサーチ・アドミニストレーターとは呼ばれてはいなかったが、研究支援課などの事務職員などがこうした役割を担ってきた。しかし、同業務が急激に増えているため、「専門職人材を設ける必要性が高まっている」と指摘する。

 文科省研究推進局の研究環境・産業連携課技術移転推進室によると、今回の新施策案は既に実績を持つシニア・リサーチ・アドミニストレーター10人(5年任期)とリサーチ・アドミニストレーター10人(3年任期)を約30機関(大学や公的研究機関)で専任ポストを与えて育成してもらう計画だ。リサーチ・アドミニストレーターは大学院の博士課程修了者の中で、研究開発プロジェクトの企画や運営に意欲を持つ者を対象とする考えだ。提案公募によって大学院の研究科に「シニア・リサーチ・アドミニストレーターなどの研究開発マネジメント人材養成プログラム」の開発を委託し、「リサーチ・アドミニストレーターのスキル標準」「同研修・教育プログラム」を策定する予定だ。リサーチ・アドミニストレーターの全国的なネットワークを設け、相互に情報交換する仕組みも設ける。

 リサーチ・アドミニストレーターを育成する施策によって、日本の教員・研究員が研究開発に専念できる研究環境を整備するを目指す。今回、スキル標準を策定することは、教育・教育プログラムをつくるだけでなく、将来は、日本でも専門職としての資格制度の策定につなげたいもようだ。

 リサーチ・アドミニストレーターの重要性については、承認TLO(技術移転機関)の東京大学TLO(東京都文京区)の山本貴史代表取締役社長は「将来は、大学ばかりでなくTLO自身が研究開発のシーズ段階からマネジメントできるリサーチ・アドミニストレーターを組織し寄与できる機能を持ちたい」と語った。

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確かに、研究も専門分化が進み、また「競争的研究資金」を確保するための様々な申請事務などが増えてきている中、確かに「リサーチ・アドミニストレーター」のような存在は、今後必要となってくるのでしょう。

今現在であれば、各大学の「研究支援センター」のような部署の事務職員さんが担当しているのだと思いますが、この部署の人材や業務が専門職化する、という感じになることが想定されます。




ただ、気になるのが、日本の多くの大学の場合、事務職員の規模感そのものは「中小企業」的な人数規模でしかないため、人事慣行としては「職場のローテーション異動」がほとんどだ、ということです。

せっかく「リサーチ・アドミニストレーター」として育成されても、その業務を専門的に従事できるかどうかは難しいでしょうし、逆に「それだけをしたい」と拘るがゆえに、本人自身が動きづらくなるのではとも、思います。



業務としても職種としても必要なことは十分に認識できるのですが、実際に大学院を修了した上で、その業務に従事するメンタリティをもった人材が現れるかどうか・・・


大学院での教育は、その多くが「研究者」を育成することに主眼を置いているため、その段階を通じてうまく「研究の管理・運営を担う人材」を育成する方向へ持っていかないと、難しいだろうな、と。


「意味がある」と見せるためには、育成もさることながら、就職の面まで、ある程度、国として誘導すべき(国立の研究機関に該当するポストを作る)だと思うのですが、そこまでするのかなぁ・・・





ちなみに義塾の場合、

総合研究推進機構

という組織があり、その中の

研究支援センター(Office of Research Administration)

が、まさに「リサーチ・アドミニストレーション」を担当しています。






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2010年09月19日

AO入試、辞めるその前に。


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みなさん、お元気ですか。
西富です。



この連休を越えるといよいよ9月も下旬。

投票締切(必着)の10月1日まで10日あまりとなります。

まだ投票されていない方、是非投票をお願いします。





先日、以下のような新聞記事を見つけました。


AO入試「いい学生集まらぬ」 廃止・縮小の大学相次ぐ
《新聞記事:朝日新聞:9月13日付》



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学科試験を課さないAO入試を廃止したり、募集枠を縮小したりする大学が相次いでいる。AO入試は、少子化で大学同士の学生獲得競争が激化するなか急増してきたが、さほど受験勉強しなくても大学に入れるため、学力低下を招いているとの指摘もある。入学後、授業についていくのに四苦八苦する学生もおり、大学側の見直しに拍車をかけているようだ。

 大阪府立大は8月に2011年度入学者のAO入試を実施したが、今回、工学部の電子物理工学科と知能情報工学科で中止した。このため、同学部のAO入試での募集定員は5学科18人から3学科10人に減った。中止の理由は「AO入試は面接など学生を選考する手間がかかる。それに見合う受験生が質的にも量的にも集まらない」。

 9月8日までAO入試の出願を受け付けた鳥取大も工学部4学科のうち3学科で中止。募集定員は12人から5人に減少し、農学部でも18人を16人に減らした。福井大は教育地域科学部で11人から7人に。京都府立大は12年度入試からAO入試を全廃する。

 背景には、AO入試で入った新入生の学力不足がある。鳥取大は「学力面でつまずく懸念をぬぐえない」とする。同大学のAO入試は書類選考と面接、小論文など。合格者を対象に、03年から毎年11月に2泊3日の入学前合宿を開催して高校時代の学習内容のテストをしたり、パソコンを利用して弱点を克服するための課題を出したりしているが、「理系で専門分野を学ぶには相当な努力が必要な学生もいる」という。京都府立大は廃止の理由を「志願者が少なく、思ったほど個性的な人材が集まらない」と説明する。

 AO入試では、筆記試験を課さない大学が大半で、受験生の基礎学力を把握しづらいという。このため、金沢大理工学域は11年度、広島大工学部は12年度入試から、従来の面接や小論文による選考から、センター試験を課す方式に変更する。広島大は「学習意欲が高い学生は入学後に伸びる。確保する道を絶つのは惜しい」。

 見直しは私立大にも広がる。同志社大は11年度入試で文学部と心理学部で中止。文学部は書類と面接のみの選考から、論文と口頭試問を課す公募制推薦入試に切り替える。立命館大は、受験者にTOEIC550点以上を義務づけたり、学部ごとに独自の試験を課したりする。


■「一部で学力不足の生徒の入学手段」との指摘も

 文科省は5月、AO入試について、大学教育を受けるために必要な基礎学力があるか把握するよう国公私立大に通知。「大学独自の検査」「大学入試センター試験」「語学検定や資格」「高校時代の成績の評定平均値」のうち少なくとも一つを、合否判定に用いるよう促している。

 08年12月の中央教育審議会の答申で、AO入試について「事実上の学力不問」「実施学部の半数以上が、入学者の学力に課題を感じるようになっている」と指摘されたためだ。

 文科省の調査では、09年度入学者にAO入試を実施した大学は523校(国立43、公立22、私立458)。AO入試による入学者数は過去最高の5万85人で、全入学者に占める割合は国立で2.5%、公立で1.9%、私立で10.0%に達している。

 駿台予備校広報部の田村明宏さんは「AO入試は多角的に人物を評価するという当初の目的を離れ、一部の大学では一般入試のレベルに達しない子が入学する手段になっている」と指摘する。

 河合塾教育情報部の富沢弘和チーフは「文科省の通知を受け、国公立ではAO入試でもセンター試験を必須にする動きが広がるだろう。一方、私立はまともに学力を問うと、受験生が逃げていく恐れがあり、経営が成り立たない。高校の成績の評定平均値を参考にする方式に落ち着くのではないか」と予想する。

 毎年数人がAO入試で進学するという大阪府立住吉高校の山野正善・進路指導部長は「センター試験を課す方式に変われば、年明けまで受験勉強をするため基礎学力を担保できる」とみる。同府立柴島高校の進路指導担当、尾形政則教諭は「中堅私大のAO入試でも、これまで必要なかった高校時代の成績などを記した調査書を提出させる動きがある」と話す。(阿久沢悦子)

     ◇

 〈AO入試〉 アドミッション・オフィス入試の略。大学が示した「アドミッション・ポリシー」(入学指針)に沿う学生を募り、面接や小論文などで人物を評価して合否を決める。1997年に中央教育審議会が入試の多様化策として推奨した。推薦入試と違い、出身高校長の推薦や高校時代の成績を加味しない。


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どんな学生を大学に受け入れるかは、各大学の自由な意思です。


その「自由な意思」の発現として「AO入試」という形態を選択したのですから、そのイメージとは合致しない学生しか選抜できていないのであれば、それを廃止するのも、各大学の自由です。



ただ、気になるのは「入れた後の責任を回避する」ために「入れる前に排除する」ことになっていないか、という心配です。




「大学」というところに入るには、その「大学」で行われる「学問」を受容するだけの基礎的な学力を持っている必要があるでしょう。


今回の中教審の答申や文部科学省の通知も「基礎学力は最低限確認しましょう」ということなので、その動きそのものは、首肯できるものがあります。


ただ、それを「言われて」はじめて対応する大学って、一体なんだろう、と。


自分たちが「受け入れることが出来る」と判断したからこそのAO入試生だったはずなのに、「いい学生が集まらない」とは、あまりにも身勝手だなと感じます。



「いい学生が集まらない」という話があるようなのですが、「いい学生」になるまで「教える」ということは大学はしないのでしょうか?


入口段階での選抜に頼ることができるのは、18歳人口進学率50%を超える今となっては、ほんの一握りの大学でしか実現しえません。

そんな状態の18歳人口を「大学」という世界に受け入れたいのであれば、大学側もそれなりの努力をする必要があるのではないかと思うんです。

そもそも日本の大学は、学生からの納付金に七割近い収入を依存しているわけですから、学生として受け入れなければ、大学は存続しえず、そこで働く先生たちの「働き口」すらなくなってしまうはずなんです。


しかし、上の記事を見ている限りは「自分たちの働き口がなくなることを心配する」というよりは「現時点での教える面倒くささを感じている」ように見えます。



大学がAO入試を見直す(基礎学力は最低限確認する)ことは当然としても、入ってくる学生に必要な学力が足りないのであれば、それを改善し、「卒業時点には立派にする」という「教育機能」としての大学としての活躍が期待されているのはないでしょうか?

入口段階での選抜に期待し、入った後の教育は何も関係ない、ということであれば、大学の先生たちは一体何を教え、学生の成長に寄与しているというのでしょうか?



そこを考えた上で、どんな入試形態を選択するかを考えていただきたいものです。


「大学生」には「大学教員になれる人達が有する学力」は無いわけですから。






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2010年09月11日

入試改革進行中。


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西富です。




高校生にとっては夏休みを越えると、いよいよ志望校(大学・学部)を決める段階を迎えるかと思いますが、入試制度も様々な形で変わってきています。





私自身が大学受験をしたのは、94年および95年だったわけですが、最終的に入学した法学部政治学科にはその頃、筆記試験の後に「面接」がありましたが、今はその制度はありません。

そのかわり、ではないでしょうが、現在の法学部には「FIT入試」という名前のAO(アドミッションズ・オフィス)入試が実施されています。


慶應義塾大学 学部入試案内



私が受検した頃と違うと言えば、
私自身が受験をしていない2つの大学も印象に残っています。



一つは東京大学。

実は、今、後期日程の定員は文科一類から理科二類までで100名しかありません。
私が受験していた時代の三分の一となっており、科類の別もない形になっています。

東京大学 入学者選抜方法等の概要


もう一つはICU(国際基督教大学)。

以前から、試験方式は普通の大学受験科目とは違った試験形態だったわけですが、入試時点で「進学したい学科」を選択する方式でした。
しかし現在では「アーツ・サイエンス学科」という形で一学科となり、入試時点での選択する必要がなくなっているんです。(学科の中で「31のメジャー」が存在する形に変わっています)

国際基督教大学 入学試験案内




なぜ、こんな記事を書いているかというと、以下の記事を見つけて、「あぁ、色々考えているんだなぁ」と感心したからです。




国公立大入試要項まとまる 北大は「総合入試」導入
《報道記事:共同通信:9月3日付》



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 国立大82校と公立大78校の2011年度入試要項が3日までに出そろった。

 大手予備校などによると、受験生の個性を重視するアドミッション・オフィス(AO)入試は10年度と同程度の約60校。廃止する大学がある一方で、埼玉大工学部などが新たに実施する。

 北海道大は学部別入試に加えて「文系」「理系」のくくりで学生を募集する「総合入試」を導入。これに伴い理、薬、工、農の4学部は、前期日程の学部別入試を廃止した。

 今春、私立大から公立大に移行した静岡文化芸術大と名桜大は、いずれも前期・後期の分離分割方式で入試を実施する。

 来春からは高知女子大が共学化して高知県立大となり、福山市立女子短大も同様に福山市立大として開学する予定。

 主な日程は次の通り。

 センター試験の出願受け付け 10月1〜14日▽センター試験 11年1月15、16日▽追試験・再試験 同22、23日▽国公立大の出願受け付け 同24日〜2月2日▽国公立大の前期日程試験 同25日以降▽公立大の中期日程試験 3月8日以降▽国公立大の後期日程試験 同12日以降


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私が感心したのは、北海道大学の「総合入試」です!



北海道大学 総合入試案内



実は北海道大学は、理、医、工、歯、水産の5学部で既にAO入試を一部導入しているのですが、それに加えて今回「総合入試」という仕組みが導入されることになりました。


北海道大学 総合入試解説資料(PDFファイル)


これは、東大の文科・理科の考え方に近そうな仕組みですが、文系・理系でそれぞれ「総合入試」を行い、その枠で合格した学生は、一年間「総合教育部」に属して、リベラルアーツを中心とした基礎教育が行われ、二年次以降に移行する学部を選んでいくというものです。


北海道大学 総合入試案内パンフレット(PDFファイル)


文系では、総合入試が100、それ以外に文・教育・法・経済の各学部も学部独自入試を行う形になっているのですが、理系は理・薬・工・農の各学部への入試が全て「総合入試」に含まれることになり、学部別入試がなくなるということになっています。


学問分野の違いが、理系学部に比べて「低い」とされる文系学部で、なぜ学部別の枠が残っているのかは大いに謎ですが、入学前の高校生にとっては「どの分野でどんな内容が学べるのか分からない」ことが多い中で、画期的な試みだと思います。

しかも、学部間の壁が比較的「高い」(学部ごとに拠って立つ「学問領域」が明確に分類される)とされる国立大学において、この試みがされているところに意気込みを感じます。






翻って義塾のことを考えてみると、せっかく「日吉」という空間に2年間(文学部は1年間、SFCは別ですが)という時間を共有しているわけですから、学部ごとの「雰囲気」があるので、急に入試制度を統合すべきという気はあまりないのですが、「○○学部としての基礎教育」ではなく、「慶應義塾としての基礎教育」を学部横断で積極的に実施し、2年次における転部転科などももっとやり易くしても良いのではないかと常々考えているのですが・・・






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2010年09月03日

大学ランキング色々・・・


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みなさん、お元気ですか。
西富です。



大学ランキングは、「ある目的のため」に「誰か」が行う性質のものなので、ランキング付けされた側にとっては、たまったものではないということもあるかと思います。



先日、こんな記事を見つけました・・・


大学再編:「教育の質」低い50校を指定
《新聞記事:朝鮮日報(日本語版):8月26日付》



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教育科学技術部は25日、大学教育が質的に劣る大学(専門大学)50校のリストを近く発表し、対象校の在学生に対する政府の学資ローンを制限する方針を明らかにした。全国345校の下位15%に相当する大学に不利益を与えることで、学生が質的に劣る大学の経営を支える状況を解消し、整理統廃合など大学の再編につなげるのが狙いだ。

 教育科学技術部は最近開いた学資金貸出制度審議委員会を開き、全345校を三つのグループに分ける作業を終えた。リストは大学が随時募集の願書受け付けを開始する9月8日までに公開される。リストでBグループに分類された44校は、学資ローンの上限が来年の新入生から登録金(授業料)の70%まで、Cグループに分類された6校については、同30%までに制限される。

 教育科学技術部の担当者は「Cグループ6校は長期的には整理対象と見なされる」と指摘した。残る85%の学校はAグループに分類され、新入生と在学生は登録金全額の融資を受けることができる。

 ただ、B、Cグループの大学の学生でも、所得が年4975万ウォン(約350万円)以下の家庭の子女に対しては、例外的に登録金の100%まで融資を受けられるようにする。

 今回の大学分類の基準は、就職率、在学生の定員充足率、専任教員の確保率、学士管理、融資償還率、低所得層学生に対する支援実績などだ。

 教育科学技術部の担当者は「志望大学の財務状況や教育の質を正確に把握した状態で、受験生に志願してもらうのが狙いだ。問題がある大学への新入生の志願を減らす間接的な方法で、大学の再編につなげたい」と説明した。


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国家が進んで「(長期的に)整理対象」となる大学を指定するようなランキングを公表するというのは、なかなか激しいものがあります。




一方、アメリカではこんなランキングも。


米国大学ランキング 学生にとってよい大学とは
《雑誌記事:フォーブス:8月26日(原文は8月11日付)》



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米国で最良の大学は、ハーバードでもプリンストンでもなく、ウエストポイント(陸軍士官学校)やアナポリス(海軍士官学校)でもなかった。マサチューセッツ州バークシャー山脈の懐にあるウィリアムズ・カレッジが、本誌のまとめた第3回「米国最良の大学」年間ランキングでトップとなった。創立217年の私立のリベラルアーツ・カレッジである。全米600以上の4年制大学の学部教育を対象とするこのランキングは、教育の質、学生の経験、卒業生の収入などを基準に選定される。

 「大学の経済性と生産性に関する研究センター(CCAP)」の研究をもとにまとめた本ランキングで、ウィリアムズは近年つねに上位に顔を出していた。昨年は第4位、2008年は第5位だった。同校は学生数わずか2000人強、学生教員比率は7対1という小さな学校で、学生が教員と深く知り合う機会に恵まれ、他大学にはない学生生活を送ることができる。

 「私たちが大切にしていることの1つは、我が校の規模が小さく、世界の中での自分たちの位置づけをはっきり意識できるということです。これによって素晴らしい連帯感が育ちます」と、2012年卒業予定で、美術史と生物学を二重専攻するアマンダ・エステベス=クラウスさんは言う。「ウィリアムズの学生は非常に特殊なタイプばかりなので、他では絶対に見られない一風変わった雰囲気があります。だから大学が辺ぴなところにあっても、どうということはありません。なぜならどこか他に行きたいなんて思いませんから」。

 ウィリアムズの授業料は年間3万7640ドルと比較的高めだが、学校側は学生を資金面で支援しようと大きな努力を払っている。今年の春、ウィリアムズはすべての学生ローンを奨学金に切り替えた。同校の学生の平均債務額は9296ドルで、全米でも最も低い水準にある。

 ウィリアムズ出身の著名人としては、AOLの共同創業者スティーブ・ケース氏、シーグラムの最高経営責任者(CEO)エドガー・ブロンフマン氏、映画「波止場」や「欲望という名の電車」などでアカデミー賞を受賞したエリア・カザン監督、小説『ブライト・ライツ、ビッグ・シティ』の著者ジェイ・マキナニー氏、第20代米国大統領ジェームズ・A・ガーフィールド氏などがいる。

 昨年のランキングで第1位だった米陸軍士官学校(ウエストポイント)は第4位と若干順位を下げた。教育の質が高く、授業料が全額免除される公職養成系の高等教育機関は、空軍士官学校(11位)、海軍士官学校(29位)、沿岸警備隊士官学校(105位)、米商船学校(165位)と、いずれも健闘した。

 上位5位に入ったのは他に、プリンストン大(2位)、アムハースト大(3位)、マサチューセッツ工科大(5位)である。スタンフォード大(6位)、ハーバード大(8位)、イェール大(10位)といった名門校も上位にランクインした。

 ランキングに並ぶ全610校は、上位10位以内であろうと最下位付近であろうと、いずれも米国では最高の部類に入る大学といえる。今回調査対象としたのは、米国で正式に認可された6600校の4年制大学のうち、わずか9%である。したがってこのランキングに入ること自体が高い基準を満たした大学であることを意味する。

学生のニーズに応える学校こそが良い大学であるというのが本誌のランキングの価値観だ。他の大学ランキングが主に大学管理者による学校の評判を基準としているのに対し、本誌は新入生にとってずばり気になる要素に焦点を当てている。専攻の内容は興味深いか、4年で卒業できるか、学位を取るのに多額の負債を抱えることにならないか、卒業後はいいところに就職できるか、等々。

 これらの疑問に答えるため、CCAPのスタッフは様々な情報源からデータを収集する。ランキング作成に当たっては11の要素を取り上げ、それぞれを5つの大きなカテゴリーに分ける。まず卒業後に就いた職業での成功度については、給与比較サイトPayscale.com調査による卒業生の平均給与(全体に占めるウエート15%)、本誌とCCAP作成の会社役員リストに掲載されている卒業生の数(同5%)、米国版人事録に掲載されている卒業生の数を各大学の入学者数で調整したもの(10%)で評価する。

 次に、1年生から4年生までの学生の定着率(5%)と、ウェブサイト上での学生の授業評価(RateMyProfessors.com調査が17.5%、MyPlan.com調査が5%)によって、大学生活に対する満足度を評価する。標準的な学生が4年間に行う借り入れ(12.5%)と学生ローン全体の債務不履行率(5%)からは、在学中の債務負担についての評価を行う。さらに、現在の卒業率(8.75%)と、大学の種類別に見た平均卒業率と予想値との差(8.75%)から、4年間で学部課程を修了する学生の数を求める。

 CCAPは教育の質と授業料を比較した「ベストバリュー(お値打ち)」大学ランキングもまとめており、今年は軍系大学が上位を占めた。(関連記事リンクを参照)それ以外で上位に入ったのは、学生に授業料全額給付の奨学金(2009.2010学年度は3万4600ドル)を提供するニューヨークのクーパー・ユニオン大学だ。このランキングでは、一般的に授業料の低い公立大学も健闘した。

 読者の中には、本誌のランキング作成方法やデータのウエートのつけ方に賛成できない人がいるかもしれない。キャンパス内での犯罪率や、SAT(大学進学適性試験)の点数といった他の変数を考慮に入れたほうがいいと思う人もいるだろう。そのため本誌は、作成プロセスをカスタマイズし、自分の感覚や好みによってリストを作成することができる「DIYランキング」を用意した。(Forbes.comサイトを参照)

 大学のランク付けから導き出せることはそれほどない。重要なのは、個々の学生に合う大学を見つけることだ。ウィリアムズ・カレッジで順調に学生生活を送っている者は、フロリダ州立大学ではうまくやっていけない可能性もある。もちろん、大きな州立大学ならばアイビー・リーグ級品質の教育を受けることは可能だ。だがこの10年間で学費が大幅に値上がりしたことから、子供の大学への進学は一般的な家庭の家計にとって最も大きな決断の1つとなった。よって各家庭は集めうるすべての情報を手にする権利があろう。

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こちらのランキングのほうは「ぜひ載りたい」というランキングですよね。




米国「最良の大学」上位20校(順位、校名、所在地)

1 Williams College, Williamstown, MA
2 Princeton University, Princeton, NJ
3 Amherst College, Amherst, MA
4 United States Military Academy, West Point, NY
5 Massachusetts Institute of Technology, Cambridge, MA
6 Stanford University, Stanford, CA
7 Swarthmore College, Swarthmore, PA
8 Harvard University, Cambridge, MA
9 Claremont McKenna College, Claremont, CA
10 Yale University, New Haven, CT
11 United States Air Force Academy, USAF Academy, CO
12 Wellesley College, Wellesley, MA
13 Columbia University, New York, NY
14 Haverford College, Haverford, PA
15 Wesleyan University, Middletown, CT
16 Whitman College, Walla Walla, WA
17 Pomona College, Claremont, CA
18 Northwestern University, Evanston, IL
19 California Institute of Technology, Pasadena, CA
20 University of Chicago, Chicago, IL



日本でも「良い大学」とされているプリンストン(2位)、MIT(5位)、スタンフォード(6位)、ハーバード(8位)、エール(10位)も並んでいますが、その中にウィリアム・カレッジ(1位)やアマースト・カレッジ(3位)、スワスモアカレッジ(7位)、クレアモント・マッケナ・カレッジ(9位)、といった大学が入っているのが、なかなか興味深く、何をもって「良い」とするかを考えるきっかけを提供してくれている気がします。


日本でも、旧帝大や早慶といったところがどうしても着目されてしまっていますが、それが「誰にとって」「どんな目的に照らして」良いのかどうか、ちゃんと考えた上でランキングを捉えていかないと、ミスリードされてしまいかねないので、注意したいところです。


実を言うと、私が一番「目を引かれた」のは、4位の陸軍士官学校(ウェストポイント)、11位の空軍士官学校(コロラドスプリングス)です・・・
トップ20には入っていませんが、海軍士官学校(アナポリス)も29位らしく、どうやら「学費全額免除」の軍人(というより専門職?)養成系の大学は根強い人気のようです。(このランキング、去年の1位は陸軍士官学校だったようです)




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2010年08月15日

就職戦線異状あり?


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今年2010年は、卒業生評議員選挙が実施されます。
投票用紙が届くためには、塾員原簿の更新が必要です。
住所変更等による塾員原簿の更新は塾員センターまで。

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みなさん、お元気ですか。
西富です。



昨日の東京湾大華火祭、皆さんはどこからご覧になりましたか?


いよいよ8月も半ば。


徐々にではありますが秋の気配も感じられます(ほんとに徐々にですけど)。


夏休み、学生にとっては「羽を伸ばす」時期であるはずですが、
最近はおちおちしていられないようですね。


「大学生」として過ごす時間が、ますます減っているようです。




もう一週間以上前ですが、以下のような記事がありました。

大学進学率が5割を越えている中で、大学新卒の就職率を議論するのも微妙に議論の前提が変わっているような気がするのですが、有意な人材が職に就くことなく時間を浪費してしまうのは残念極まりないことです。





大卒就職率が急落、60・8% 学校基本調査
《新聞記事:産経新聞:8月6日付》



kokokara-----

大学に進学したけど就職先がない。若者たちが直面する厳しい現実が、文部科学省が5日公表した、今年度の学校基本調査(速報)から浮かび上がった。

 平成22年3月時点での大学・短期大学への進学率は56・8%で過去最高を更新し「大学志向」はさらに強まったが、一方で、不況の影響を受けて大卒の就職率は60・8%に低下。前年度比で7・6ポイントダウンと、過去最大の下げ幅となった。

 調査によると、浪人生を含める大学・短大への進学者は69万1千人で、進学率は前年比0・6ポイントアップの56・8%。35%程度だった昭和60年代からの長期上昇傾向が続いた。

 しかし、就職率は、不況で企業の採用状況が悪化していることなどから大幅ダウン。今春の大卒者(学部)は54万1千人に上るが、就職率は7・6ポイント低下し60・8%。短大卒業生の就職率も4・7ポイント低下し65・2%だった。

 大学院などへの進学率は1・2ポイント上昇し、13・4%となった。文科省では「就職環境の悪化の影響で、一部の学生は進学に流れた可能性もある」と分析している。アルバイトなど一時的な仕事に就いた卒業生もいたが、進学も就職もしない卒業生は4・0ポイント増えて、16・1%に上った。

 高卒の就職率は15・8%と過去最低を記録。前年度比では2・4ポイントの低下となった。卒業も就職もしていない卒業者の割合も0・5ポイント上昇し、5・6%に上った。その一方で、高校進学率は98・0%となり、過去最高を更新した。

 このほか、小学校の児童数は昭和57年から29年連続して減少し、前年比7万人減の699万3千人。初めて700万人を割り込んだ。中学生も4万2千人減で過去最低の355万8千人と、いずれも少子化の影響が数字に出た。


-----kokomade




で、気になったので、塾生の就職先について見てみました。

塾生の就職先については

義塾の公式サイトの「就職・進路」コーナーから確認できます。


データとしては、1997年度(98年3月卒業)から2009年度(2010年3月卒業)までのものが掲載されています。


(97年度の上位20社)
・日本アイ・ビー・エム
・東京海上火災保険
・日本電信電話
・東京三菱銀行
・三井物産
・第一勧業銀行
・NTTデータ通信
・富士銀行
・アンダーセン・コンサルティング
・富士通
・住友商事
・第一生命保険
・三和銀行
・NEC
・富士ゼロックス
・安田火災海上保険
・電通
・さくら銀行
・全日本空輸
・ソニー
・日本放送協会


(09年度の上位20社)
・東京海上日動火災保険
・三菱東京UFJ銀行
・慶應義塾大学病院
・野村證券
・三井住友銀行
・NTTデータ
・楽天
・富士通
・野村総合研究所
・ソニー
・東京電力
・三菱UFJ信託銀行
・三井住友海上火災保険
・三菱商事
・三井物産
・日本放送協会
・電通
・かんぽ生命保険
・全日本空輸


見比べて思うのは、
・顔ぶれに大きな変化は無い。(商社・メーカーは社名も変わらず)
・金融機関は、合併して元の形を成していない。
・民営化したことで就職先候補に(かんぽ生命)
・97年創業の「楽天」が、09年度では上位20社に。
というところでしょうか。



楽天、恐るべし。




おまけ:

東京大華火祭
100814_01.jpg


100814_02.jpg


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100814_04.jpg


キレイでした・・・








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2010年08月07日

休みから帰ると、そこは銀世界だった・・・


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今年2010年は、卒業生評議員選挙が実施されます。
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みなさん、お元気ですか。
西富です。



そろそろ本格的に夏休みのシーズンですね。
テレビで高校野球が流れてきて驚きました・・・

高校生、16歳から18歳なわけですが(なかには15歳の方もいるかと思いますが)、自分の半分しか生きてないんですね。

いつの間にか歳ってとっていくんですね。






さて、今日は昨日の話題がちょっと固かったので、柔らかめの話を。



「大学のいたずら」と聞いて、思い出すもの、ありますか?


残念ながら(?)わが義塾にはそのような「大学のキャラを体現するようないたずら」は無い訳ですが、私が「大学のいたずら」と聞いて思い出すのは二つ。

一つはMITで、

もう一つは京大です。




MITのほうは、通常「MIT Hack」と呼ばれており、そのこれまでの軌跡を集めたサイトも存在します。

MIT Hack Gallery
(冷静に見ると、このドメイン、大学公式。)




そして、京大と言えば、入試シーズンに現れる「折田先生像」。

こちらも(さすがに大学公式ではありませんが)、過去の来歴をまとめたサイトが。

折田先生を讃える会


いずれにしても、「自由な学風」の現れであるわけですが、
これを思い出したのが、以下のニュースを知ったから。


教授居ぬ間に“銀色部屋”へ改装、学生たちが研究室をアルミホイルで包む。
(ウェブニュース:Narinari.com編集部:7月27日付



「いたずら」自体は研究室の「伝統」だそうで、昨年実施が無かった分、かなり学生たちが頑張ったようです。

ここまでやれば、もはや立派の一言です。


やられた教授の証言はこちらから。






義塾でやるとしたら、どこで、もしくは何をですかねぇ・・・

やはり各キャンパスにある諭吉先生の像が狙われますかねぇ。






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2010年08月06日

大学の矜持


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今年2010年は、卒業生評議員選挙が実施されます。
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みなさん、お元気ですか。
西富です。


来年度の予算編成では「一律10%削減」が予定されており、大学もその例外ではないそうで、各地の大学では反対声明が出されたり、どんなことが起こりうるのかの試算がなされたりしています。


政府交付金10%減額の影響 − 試算
国立大学財務・経営センター 研究部長  金子元久




そんななか、文科省のつれない態度にも負けず「学生を守る」姿勢を示している大学の取り組みを知ったのでぜひ共有したく。



高知大、独自予算で学費半額免除 今年度128人対象
(新聞記事:朝日新聞:7月29日付)




kokokara-----

経済的問題から学費免除を申請しても国の予算額などの制約で受けられない学生128人に対し、高知大は大学独自の予算で、今年度に限り授業料を半額免除することを決めた。

 高知大で今年度前期に授業料免除を申請した学生は、経済状況の悪化を反映し、昨年度より46人多い634人に増えた。うち567人は免除の基準を満たしていた。

 だが、文部科学省が定めた予算枠の制約などのため、実際に受けられたのは439人で、残り128人は受けられなかった。

 このため、同大は27日、128人に大学独自の予算で学費を半額免除することを決定。後期も同様の助成措置をとる。予算額は前後期合わせて約3430万円を見込んでいる。

 大学院でも昨年度から、40人を対象に年間授業料の25%を免除しているが、今年度から免除額を50%に増やす。これに伴う予算額は535万円を見込んでいる。


-----kokomade

文科省からの予算を超えて、自らの裁量で金額を手当てするんて、「国立大学」ではなく「国立大学法人」になったからかもしれません。

それにしても、これに輪をかけて、交付金を削減しようとしているんですよね・・・


高校は無償化する一方で大学は削減。


予算がゼロサムゲームになりつつあるのは分かるのですが、国家が「将来」に投資をしなくてどうするのでしょうか。


「コンクリートから人へ」は一体どうなったことやら・・・






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2010年05月29日

いよいよ撤退。

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とうとう、この時が来たようです。


法曹人口増加に向けて各地に開設された法科大学院ですが、いよいよ「優勝劣敗」の構図が表面化してきたようです。



法科大学院、初の撤退 姫路独協大が来年度から募集停止
《新聞記事:朝日新聞:5月28日付》



kokokara----

姫路独協大(兵庫県姫路市)は27日、法科大学院の2011年度以降の学生募集を停止することを決めた。新司法試験の実績が振るわず、今年度も入学者ゼロという異例の状態で迎えており、学生を集め続けるのは困難と判断した。現在の在学生17人が修了した後、廃止の手続きを取る。04年度の法科大学院制度開始以来、撤退校は全国で初めて。

 国は法科大学院の統合・再編策を進めており、今回の姫路独協大の決断は、学生集めや司法試験で苦戦する他の大学院の経営判断にも影響を与えそうだ。

 募集停止は26日の大学院法務研究科(法科大学院)の教授会で方針を決め、27日の学校法人「独協学園」(埼玉県草加市)の理事会で正式に承認された。

 同大学院は地域密着型法曹の養成を掲げ04年度に開校。しかし入学者は07年度8人、08年度7人、昨年度は5人と学生集めで苦戦が続いた。新司法試験の合格者数も過去4回で計3人と、全74校中で最少。中央教育審議会の特別委員会から学生の質の確保で大幅な改善を求められた。

 今年度は定員を当初の半分の20人に減らしたが、志願者は3人にとどまり、合格者は出せなかった。

 同大関係者によると、昨年ごろから他大の大学院との統合なども探ってきたが、話はまとまらなかったという。

 現在17人の在学生がいるが、全員が修了した数年後に、法務研究科の廃止届を文部科学省に提出するという。奥村勝彦学長は「在学生や修了生が法曹で活躍できるよう、サポートに万全を尽くしていく」とコメントした。

----kokomade



定員20名に対して「志願者」が3名では、どうにもしようがないですね・・・



専門職学位課程ではない、修士課程でも同じようなことになっているところがあるような気もします。

しかし修士課程であれば、学生の期待値は「学問研究の基礎を学び、修士論文が書けるようになる」まで。

法科大学院のように「知識を身に付け「司法試験」に受かる」といった、大学院以外の要素で規定されてしまうケースだと、ハードルは格段に上がってしまいますね。



とはいえ、司法試験に合格しなくても、専門職学位課程を修了できる力があれば、一般企業で求められる法知識については一定以上の水準に達しているはずです。


法曹資格は取れないまでも、どうにかなれば良いのですが・・・




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2010年04月19日

日本におけるMBA ・・・ベンチャーですね。

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今年2010年は、卒業生評議員選挙が実施されます。
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皆さん、お元気ですか。
西富です。

相変わらず、天候が落ち着かないですね・・・
しかもアイスランドでは火山まで。
いったいどこまで不順なんでしょうか。



さて、東洋経済に以下のような記事を見つけました。



国内MBAの光と影――不況で志願者が増えるが、質低下の懸念も
《雑誌記事:東洋経済:4月16日付》




記事の要旨としては
 ・キャリアアップの一つとしてMBAが人気。
 ・現在は、MBAでも経済的事情から国内、特にパートタイム(全日制ではない)MBAが人気。
 ・とはいえ、MBAマーケットでは質低下の懸念
 ・質低下の一つは「専門職大学院」制度による新規校の増設
という感じです。



この議論、不思議な前提があるなと感じます。

それは
「MBAと呼ばれるものには、どの大学かを問わず一定の水準が担保されるべき」
というものです。

その前提があるからこそ、専門職大学院という制度や夜間コースの増加が「MBAの質」を低下させるという議論が成り立っているんですよね。


これは、
「大学であれば、すべからく一定の水準が担保される」
というのと同じ様な議論だと思うんです。

そして、この命題は、今誰もが認識しているように成り立たない。


「大学であるかどうか」も重要ですが、
「どの大学か」も重要ですよね。


それと一緒で、MBAも
「MBA」であることが重要ではなく
「どの大学のMBA」か、が重要なはずです。




日本におけるMBAコースの老舗である、慶應のビジネススクール(大学院経営管理研究科)の歴史は1978年に始まり、既に30年以上経過していますが、それ以外のスクールの歴史は、ついこの前始まったばかりです。

MBAの本場であるアメリカでは、既に100年近い歴史を有していますが、それから比べれば、日本のMBAコースはまさに「ベンチャー」であると言えるでしょう。



「ベンチャーである」という認識を、設置者側も受講者側も認識して取り組めば、ギャップはある程度解消できるのではないでしょうか。

ベンチャーに大企業並みの福利厚生を求めるのは無理です。

ベンチャー自身も、状況に甘えていると淘汰されます。



お互いの覚悟が問われているのではないでしょうか。





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2010年04月18日

政策空間に穴が空いた? ・・・「熟議」

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これまで政策の決定は

官僚の手に事実上握られており、

政治家はその追認をするだけ、

官僚のカモフラージュのための有識者による審議会、

という体制でした。




しかし、これに対する新たなチャンレンジが始まろうとしています。

文部科学省で。




その名は「熟議」。




ネットで教育語ろう 文科省が掲示板設置
《新聞記事:産経新聞:4月17日付》


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文部科学省は17日、教育問題について一般教職員や中高生らと議論するインターネット上の掲示板「熟議カケアイ」を開設した。教職員や中高生、保護者らに自由に議論してもらい、教育現場の生の声を政策に反映させるのが狙い。こうした試みは、政府レベルでは初の取り組みだという。

 氏名、住所、電話番号などを登録すれば誰でも「参加」が可能。議論は同省の政策形成の核となっている中央教育審議会でも報告される。

 ネットの専門家からは「心ないユーザーが、ただのいたずら書きの場にしたり、個人中傷の場になったりする可能性もある」と指摘しているが、文科省の担当者は「問題は生じるかもしれないが、走りながら考えたい」としている。


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文部科学省にサイトが出来ています。


Webサイト「熟議カケアイ」を新設、教員の資質向上策の政策検討スタート 〜中央教育審議会との両輪で教育政策形成を行う新基軸〜
《報道発表:文部科学省:4月17日付》




文科省政策創造エンジン 熟議カケアイ



中央官庁直轄のサイトとは思えない、サイトデザイン。
色彩、文字の大きさ、フォントタイプ、などなど。


ビックリです。



これを知ったのは

「新しい公共」円卓会議

において、この会議にも参加している鈴木寛文部科学副大臣から「熟議」という言葉を聴いたことによります。



最近は民主党も安全保障・外交問題でかなりマスコミに追い込まれていますが、
こんな試みが出来るのは政権が変わったからこそだと思います。

しかもこういうことは、一度はじめると、戻れない。

戻る(止める)には、大義名分・説明が必要です。



記者会見開放問題も同じようなことだと思います。





さて、熟議、文字通り、じっくりと成熟した意見が形成されていくのでしょうか?


継続的に追っていきたいと思います。





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2010年04月15日

38法人を統合? ・・・意味が分からない。

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ぼちぼち「第二次仕分け」が始まるようですが、
それを前にして、その俎板の上に上がりそうなところが戦々恐々としているようですね。


で、そんな中で、不思議な話を見つけました。



研究系の38法人を統合へ、政府が仕分け方針
《新聞記事:読売新聞:4月10日付》



独立行政法人仕分け:57の研究系統合 天下り先の管理部門、人件費削減へ
《新聞記事:毎日新聞:4月10日付》




読売の記事はこんな感じです。

kokokara----------

政府は10日、現在104ある独立行政法人のうち、研究開発などを行う38法人を統廃合した上で、「国立研究開発法人(仮称)」に移行させる方針を固めた。

 23〜28日に独立行政法人を対象に「事業仕分け」第2弾を実施するが、国家戦略として研究開発を主導するには研究開発関連の法人を一定程度、存続させる必要があると判断した。

 5月中旬にも決定する独立行政法人改革の基本方針にこうした方針を盛り込む。

 これに関連し、枝野行政刷新相は10日のさいたま市内での講演で、研究開発関連の38法人は「5から15くらいに整理できる」と述べた。


----------kokomade


確かに、民間企業のM&Aでもあるように、会社同士の合併で間接部門が共用可能になることによって、二社が別々にあるよりは間接部門の人員の削減を図ることは期待されます。


しかもこの場合は独立行政法人が対象ですから、各法人の理事などに名を連ねている(本当に名前だけで実態が伴っていない)人たちの整理にはつながるんじゃないかな、とも思います。



でも、なんらの整理なく、いきなり統合って・・・


事業仕分けがどういう形で進むかは、まさにこれからなわけですが、乱暴な結論の出し方は避けてもらいたいものです。


と同時に、
ディフェンドする側になるであろう各法人の方々も、
たんに「反論」するのではなく、きちんと自分たちの存在意義を語って欲しいものです。

今回事業仕分けの俎上に上がってしまうのは、今の今まで国民の目から「避けるように」存在してきたことによる、一種のツケのようなものだと思っています。


国民から拠出された資金(税金)を使って運営されている機関であれば、多かれ少なかれ、国民への情報開示はあってしかるべきです。

民間企業が財務諸表を公開し、IRに努めている様に。



組織形態が違うだけで、資金提供者(国民あるいは株主)の利益になるある一定の目的を達成するための組織であることは、変わらないわけですから。




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2010年04月11日

「経営効率化」? ・・・違うと思う。

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みなさんお元気ですか?
西富です。




先日、内閣府の官民競争入札等監理委員会:国立大学法人分科会という組織から
「全国86国立大学法人の施設管理、図書館運営業務等について」
という、国立大学法人の一部の業務に関する調査結果が発表されました。


官民競争入札等監理委員会:国立大学法人分科会


平成22年4月8日:全国86国立大学法人の施設管理、図書館運営業務等




これなんですが、
施設管理業務における
「一般競争入札の全契約額に占めるシェア」
「複数年度化の全契約額に占めるシェア」
「少額の随意契約の上限額」
を86国立大学法人について調査し、リスト化したものです。



内容については「なるほどぉ」と思わせるものがあるのですが、
「あれ?」と思うことがあるんです。



この情報の伝え方です。



これがどのような形で新聞記事になったかというと、以下のようになります。


阪大、京大がワースト10に=東大46位−初の経営効率ランク
《報道記事:時事ドットコム:4月8日付》


国立大学法人の経営改善度 内閣府が初のランキング作成
《報道記事:産経Biz:4月8日付》


奈良先端大、業務効率化でも1位
《新聞記事:読売新聞:4月8日付》




時事の記事はこんな感じです。

kokokara----------

内閣府の官民競争入札等監理委員会(委員長・落合誠一中央大法科大学院教授)は8日、全国の86国立大学法人を対象とした経営効率化ランキングを公表した。清掃や警備といった施設管理業務について、一般競争入札の導入率などに基づき200点満点で評価した結果、ワースト10に阪大(85位)や京大(78位)が入った。東大は104.5点で46位だった。
 国立大は2004年度に国から独立し、経営面で大学側の裁量が増したが、改革への取り組みは有名大学でも遅れている実態が浮き彫りとなった。
 ランキングは09年度の契約を対象に、一般競争入札と複数年度契約それぞれの導入率、随意契約に設定した上限額の三つを評価した。国立大学法人が発足して以来、監理委が経営効率化に関して調査したのは初
めて。


----------kokomade



私が最初に見つけたのは、ニュースサイトでの記事タイトルだけだったので、見たときには驚きました。

効率化を測ったの?
ランキング化したの?
東大が低くて、奈良先端とかが高かったのってなぜ?

と。



産経Bizのタイトルは、「事実」を伝えようとするタイトル名称ですが、時事と読売の記事は「意図」が伺われます。

ま、そうしないと読者の目をひきつけないというのも事実ですが。



特に上記の時事の記事は、かなり書き方が恣意的です。
「国立大は2004年度に国から独立し、経営面で大学側の裁量が増したが、改革への取り組みは有名大学でも遅れている実態が浮き彫りとなった。」

「裁量は増したが、改革への取り組みは遅れている」
という言葉の意味が、全く分からない・・・



個々の大学の裁量が増せば、それぞれの大学ごとに考える「改革の形」があるわけで、それを同じモノサシで図ることは論理的に無理なわけです。

個々の大学に裁量がなく、「こうやりなさい」という形があればそれに沿って無理にでも「改革」なるものに取り組まざるをえないので、そのほうが「進む」はずです。



今回、特に東大・京大・阪大が順位が低い大きな理由は、随意契約の最小限の金額が1000万円(官庁は100万円、他の大学の多くは500万円)となっていることに起因しています。


内閣府としては「内閣府は今回、「随意契約は不正のリスクがある」として、1000万円はマイナス50点、100万円はマイナス5点とした」ようですが、この金額設定など一つ一つが「裁量」であり、特に東大・京大・阪大のような大型「理系研究」大学は、随意契約の最小限額を大きくしておかないと、事務のほうに負担が掛かるという判断をしていることが予想されます。


それを、東大・京大・阪大の説明も聞かずに、内閣府からの発表資料だけで記事にしてしまうあたりに、危うさを感じます・・・



だいたいこれが「経営効率化」と言えるのかどうかが、
そもそも疑問。




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2010年02月26日

どうやら、大変なようです。「専門職大学院」。

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昨年10月から、中央教育審議会:大学分科会の大学院部会において「専門職学位課程ワーキンググループ」が組織され、専門職大学院制度についての検討が加えられているようです。


大学院部会 専門職学位課程ワーキンググループ 議事要旨・議事録・配付資料




先日1月27日に第3回の会議があった様で、その議事録と配布資料が掲載されています。

大学院部会 専門職学位課程ワーキンググループ(第3回) 配付資料





と、ここまで書いていて思ったのですが、皆さん「専門職大学院」ってどんな内容なのか、ご存知ですか?

法律的な定義は
「大学院のうち、学術の理論及び応用を教授研究し、高度の専門性が求められる職業を担うための深い学識及び卓越した能力を培うことを目的とするもの(学校教育法第99条第2項)」
ということなのですが、

普通の大学院(修士課程)との違いは
 ・論文が必要ない
 ・実務家教員が一定数以上必要
 ・学位が「○○(専門職)」と書かれる
なことが異なっています。


実は、いわゆるロースクール、法科大学院も、この「専門職学位課程」の一類型なんです。





ロースクールそのものも「どうする?」と問題になりつつありますが、これ以外の専門職学位課程は、問題はより深刻です。


資料3-1 専門職大学院の実態調査の結果概要 (PDF:168KB)


一言で言えば、「ヒトが集まらない」、これに尽きます。


そもそもの収容定員が多すぎるのではないかと言う話もありますが、今の収容定員が「適正」だとした場合、かなり足りていないようです。



ここで検討対象になっているのは、
 ビジネス・MOT
 会計
 公共政策
 公衆衛生
 知的財産
 臨床心理
 その他
となっているのですが・・・・


うぅん・・・

この分野が広がっていくイメージが持てないんですよね、全く。


一般の大学院(修士課程)と、考え方を分けているのは理解できるのですが、現実問題として、その修士課程大学院のほうで、専門職学位課程大学院と同等レベルを実現している(むしろ昔から実現し続けていた)大学院があり、そことの整理が着かない限り、制度としての専門職学位課程を存続させることの意味が分からないんですよね。





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2010年02月21日

イエズス会、動く。

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今年2010年は、卒業生評議員選挙が実施されます。
投票用紙が届くためには、塾員原簿の更新が必要です。
住所変更等による塾員原簿の更新は塾員センターまで。

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1549年以来、日本でキリスト教と言えば「イエズス会」。


イエズス会は、現在日本においていくつかの学校を運営しています。


大学:
 上智大学
 エリザベト音楽大学

短期大学:
 上智短期大学

専門学校:
 上智社会福祉専門学校

中学・高校:
 栄光学園(神奈川)、
 六甲学院(兵庫)、
 広島学院(広島)、
 泰星学園(福岡)




いずれも著名な学校ではあるものの、学校法人としては「上智」を冠する学校群と、他の学校は別の学校法人として運営されています。


ということで、
イエズス会の傘下ながらこれまで別個に動いていたこの学校群に大きな動きが。


な、なんと。



泰星学園が校名変更。


変更後の名称は「上智福岡」中学校・高等学校に。




「上智福岡」 泰星中学高校が校名変更へ
《新聞記事:読売新聞:2月20日》


上智大 泰星中高と提携 推薦枠20人 校名「上智福岡」に
《新聞記事:西日本新聞:2月20日》


福岡に上智大提携の中高校誕生へ
《新聞記事:産経新聞:2月20日》




一番詳しい西日本新聞から。

ここから-----

福岡市中央区の泰星中学高校(水谷繁夫校長、795人)は19日、上智大(東京)と教育提携を結んだと発表した。提携により、2011年度から、校名を上智福岡中学高校に変更。上智大は新年度の入試から、同校の特別推薦枠(20人)を設ける。12年度からの男女共学化も検討する。

 同校は1932年開校で、設立母体が上智大と同じカトリック修道会イエズス会。同大とは姉妹校関係にあり、「国際的視野を持った人材の教育充実」などを目的に、提携に踏み出した。少子化や不況による受験生の併願校数の減少を背景に、ここ数年、同校の志願者数は減少傾向にあり、「私学生き残り」へ魅力アップを図る側面もある。

 提携開始は今年4月で、大学教授による出張講義や同大での中学高校教員の研修、英語カリキュラムの共同開発、同大の海外ネットワークを生かした留学プログラムの充実などを進める。

 同校を運営する学校法人「泰星学園」の外川(けがわ)直見理事長は「校名変更に寂しさもあるが、新しいスタートを切り、福岡から国際社会で活躍できる人材を多く輩出したい」と話している。


-----ここまで



早稲田も佐賀に、
上智も福岡に拠点を築きました。


わが義塾は中津に旧居はあるものの、
学校法人としての拠点は持っていません。


大阪にはキャンパスは持ちましたが。


おそらく、義塾そのものが、全くスクラッチ状態から進出するということはないでしょうね。

非常に体力が要ります。



上智のように既存の学校法人を活用するか、
早稲田のように、現地に自立的な学校法人を立てるか。



でも、義塾としては同じ方法をとるのは困難でしょうね。

結社としての慶應義塾を維持するという点に立つと、異種を取り込むのにはかなりの力技が必要でしょうから。



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2010年02月11日

"Men and Women for Others, with Others"

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今年2010年は、卒業生評議員選挙が実施されます。
投票用紙が届くためには、塾員原簿の更新が必要です。
住所変更等による塾員原簿の更新は塾員センターまで。

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リーマンショックをはじめとする昨今の経済状況の激変を受け、多くの大学では経済的支援の対策を行っています。


わが義塾でも2008年からは
 家賃補助制度(給付)
を、
2009年からは
 慶應義塾創立150年記念奨学金(給付)
を新設しています。




しかし、これを凌ぐ「アツイ」奨学金が
上智大学において始まるようです。


経済的支援のための新たな奨学金制度
「学生支援・ホフマン特別奨学金」の設置について
−教職員冬期期末手当予算を財源として−
《ニュースリリース:上智学院:2010年2月》




ニュースを見て、正直目を疑いました。


驚きは、その「財源」です。


「教職員の2009年度冬期期末手当予算の一部を財源として」なんです!!


ここから-----

現在、我が国の経済情勢および雇用情勢は、学校法人上智学院が設置する学校に在籍する学生の学業継続に対しても影響を与えています。
このような状況に鑑み、本学では教職員の2009年度冬期期末手当予算の一部を財源として、新たに「学生支援・ホフマン特別奨学金」制度を創設しました。
具体的には、経済的に困窮する学生100名を対象に一人当たり10万円を支給し、学業継続を積極的に支援することとしました。
 
 2010年は、本学の初代学長であるヘルマン・ホフマン先生が来日してからちょうど100年の節目の年にあたります。
この節目の年に、キリスト教ヒューマニズムに基づき、「Men and Women for Others, with Others −他者のために、他者とともに生きる−」という教育精神を掲げる本学の教育理念を具現化した「学生支援・ホフマン特別奨学金」制度に、一人ひとりを大切にする教育を実践する本学教職員の思いが込められています。 

[奨学金制度の概要]
 (1)名称「学生支援・ホフマン特別奨学金」
 (2)対象
  上智大学、上智短期大学および上智社会福祉専門学校に在学する学生・生徒(学部生・大学院生・外国人学生を含む、
  自宅生・自宅外生を問わない。)で、経済的に困窮していると認められる者。
  (ただし、休学している者、および正規の修業年限を越えて在籍する者を除く。)
 (3)奨学金の支給額及び支給方法
   @期  間: 2010年度から2012年度の3年度間
   A採用者数: 各年度、100名 
   B支給金額: 1名につき、10万円
   C支給時期: 各年度、4月または5月
 
  ※上智短期大学および上智社会福祉専門学校に在学する学生・生徒については、上記の奨学金制度を準用して、奨学金を支給します。


-----ここまで



奨学金に回る財源は毎年1000万円×3年ではありますが、
まさに「身銭を切る」この奨学金を設定できる上智に脱帽です。




さはさりながら、わが義塾の場合は、敢えて恐れずに言えば、こういうことが「日常」だったりするんですよね、恐らく。



『三田評論』には、毎月幾多の寄付金の申込実績が記載されています。



寄付された皆さんの属性はどこにも書いていない訳ですが、社会で活躍されている塾員の方々が多いのはもちろんのこと、教員や職員の方のお名前も見受けられます。



上智にように組織的に、というよりは、義塾の場合は伝統的に、そして文化として根付いているのかもしれません。



この良き伝統をいかに次代に伝え、守り育てていくかが懸案です。




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2010年02月06日

国を頼らず

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今年2010年は、卒業生評議員選挙が実施されます。
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いよいよ新政権による新年度予算の審議が始まりました。


事業仕分けによって年末はかなりの喧騒でしたが、そのときの仕分けの結果が今回の予算に現れています。


そして、高等教育関連の予算はどうだったかというと「減額」です。




大学予算減、将来像見えず
《新聞記事:読売新聞:1月27日付》


ここから-----

 2010年度の政府予算案で文部科学省の予算額が過去30年で最高の伸び率となるなか、大学関係の主要事業は減額となった。

 政権公約の高校無償化実現に向けた財源捻出(ねんしゅつ)のためにしわ寄せを受けた予算案から、大学の教育・研究機能の将来像は見えてこない。

 国立大学の人件費や設備の維持費などの必要経費として、同省が各大学に配分している「運営費交付金」。国立大が法人化された04年度の翌年度から、業務の効率化のため削減され、06年度には毎年1%減という数値目標が掲げられた。民主党の政策集では「交付金の削減方針を見直す」と明記されているが、10年度予算案では1兆1585億円(前年度比0・94%減)と、ほぼ前年並みの削減となった。

 交付金を減額する一方で同省は07年度、世界トップレベルの研究教育拠点を育成する「グローバルCOEプログラム」をスタートさせるなど、公募のうえで優れた取り組みを支援する「選択と集中」を進めてきた。全国の国公私立大への同省の財政支援のうち、09年度に競争的に配分した資金は5435億円と04年度比で16%増加した。

 しかし、10年度予算案ではグローバルCOEも265億円(同23%減)と大幅減に。大学院や学部の教育改革や国際拠点の整備を支援する公募型の補助金予算も、行政刷新会議の「事業仕分け」を踏まえて減額された。グローバルCOEの拠点リーダーを務める安成哲三・名古屋大教授は「これまでもギリギリだったが、さらに減額となれば海外での調査や研修の縮小など、影響は甚大だ」と嘆く。

 大学関係者からは、逆風の予算案に「新政権が大学の将来像をどう描いているのか、わからない」との指摘も上がる。一方、「選択と集中」路線は、競争を促して大学を活性化させたとの評価もあるが、東京大など有力校に資金が集中して地方大学との格差が広がっていると懸念する声も強い。こうした現状に、新政権が今後どう向き合うのか、姿勢は明確ではない。

 政策研究大学院大の角南(すなみ)篤准教授(科学技術政策)は「世界で戦う大学や地域に根ざす大学など、特色を生かした大学づくりに結びつく制度を構築すべきだ」と指摘する。(三井誠)


-----ここまで



国は90年代以降、紐付きではない「運営交付金/私学助成」ではなく、特定領域に的を絞った「競争的経費」にシフトしてきていました。


そして国としては運営費交付金を減らしていく代わりに、競争的経費にそれを振り分けるという形で、国が導きたい方向へ持っていこうとしていたはずなんですが。


それすら削減するというのは「どうでもよい」ということなのでしょうか。



ただ、これは一つ重要な示唆があると思います。

それは「国に頼っていても、いつソッポを向かれるか分からない」ということです。



結局のところは自助努力、大学それぞれが自分自身の力で、自分たちが成し遂げたいことに必要な資金を確保に走るしかないということです。




『国を支えて国を頼らず』とは、福澤諭吉の伝記を書いた北康利さんによる、福澤を言い表す言葉だということですが、まさに言い得て妙だと思います。




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2010年02月05日

お札を見てください。

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もう2月。


大学受験もいよいよ本番の時期に突入ですが、18歳人口が急減している中、各大学は様々な手法で学生集めに躍起のようです。



大学PRにマスコットキャラ
受験生獲得に存在感
《新聞記事:京都新聞:1月27日付》




ここから-----

都内の大学でマスコットキャラクターやオリジナルグッズを導入する動きが広がっている。教育理念PRや受験生獲得に向け、存在感は増すばかりだ。

 明治大学(千代田区)はフクロウをモチーフにした「めいじろう」を昨年12月、公式キャラクターに採用した。羽はスクールカラーの紫紺、胸にMの文字が特徴。今後、グッズ展開や着ぐるみによる学内外でのPR活動を行う予定だ。

 担当者は「今の受験生はゆるキャラブームの中で育った“キャラ世代”。情報を伝えるにはビジュアルで」と話す。

 北欧生まれ「ムーミン」のキャラクターを採用し、成功したのが東洋大学(文京区)だ。1998年度から入試広報に使っている。作品に描かれた「なぜだろう」と考える姿や家族愛の精神が、哲学館を前身とする同大の理念にマッチするからだという。

 入学案内の表紙には毎年必ずムーミンが登場。「これだけで手に取ってもらえます」と担当者。2010年版は約19万部を配布。特に女子高生に受けがよく、女性受験者や女子学生増加につながっている。「大学イメージも明るく親しみやすいものに変わったのでは」と効果を自負する。(共同通信)


-----ここまで



ということで、

東洋大学のムーミン(東洋大学入試情報)




と、ここまで書いてきて、はたと気がつきました。

これ、別に大した記事じゃなかったですね・・・

地方新聞(京都新聞)が通信社(共同通信)から配信された、時期ものの記事を紙面に載せているだけですね。



冷静に読んでみると、取り上げているマスコットは、明治大学と東洋大学だけ、ほかの大学は一切取り上げていません。

ちなみに東洋大学のムーミンは98年に登場しているので、既に周知の事実。新しい情報と言えば「めいじろう」だけ。


もしかしたら共同通信自身が配信した本体記事はもっと豊富なキャラクターの話があったのかもしれませんが。



ちなみに義塾のマスコット?は、皆様ご承知の通り。


お札に描かれています(苦笑)。




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2010年01月31日

「研究者、十年経ってもただのヒト」

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いささか刺激的なタイトルですが、
この発言は、私が大学一年生の7月、とある授業(演習1)の担当講師との「演習打ち上げ飲み会」の席上、酔いつぶれながら話してくれた一言です。


私自身、大学に入った当初は研究者になることも視野に入れていたこともあり、「研究者ってどういう仕事ですか?どうやって生活していくんですか?」なんてことを聞いたんだろうと思います。(どういう文脈だったのかは覚えてません・・・)


とはいえ、あの頃の私に、この言葉は強く突き刺さりました。


講師曰く「研究者が就職(特に慶應になんて)できるなんて、偶然だから。どれだけ努力しても報われないことのほうが多いし、ひょんなことで決まったりするし」と。


その後、一年生後半で履修した授業(演習2)の講師も、これまた努力家の方で、「うん?僕は昨日3時間しか寝てないけど、皆はどれくらい英書を読み込んできてくれたのかな」なんて感じの人で、この姿を見て私の淡い「研究者人生」の夢は封印することになりました。





・・・と、なぜこんな話を書いている理由なのですが、
こんな記事を見つけたからです。



“高学歴ワーキングプア”が急増中!
「官製資格ビジネス」に乗せられた博士たちの悲痛
《記事:ダイヤモンドオンライン(西川敦子さん執筆:2010年01月15日》




記事では、高学歴ワーキングプアの実態を追い、その原因のひとつとして、文部科学省と大学がお互いに学生を集め・引き留めることを目的として「大学院重点化政策」を進めていったことを挙げています。


確かにそれは分かります。

大学院重点化政策が現在の状況を作った出発点だったことは事実でしょうし、結果的に現在東京大学では、学部学生よりも大学院生のほうが多くなっていますから。

東大でそれだけ大学院生がいたとしても、全てが東大の学部生であるわけではありませんから、その差分は他大学から「吸収(収奪?)」することによって賄われているわけです。

これが全国規模で起きていて、下から上へ大学院生が吸い上げられ、また、とはいえ大学院生全体の人口が増えているので、出口に対しての倍率は高くなっている・・・




ただ、私はちょっとここで疑問なんです。

分かってたはずなんです。

18歳人口が減ることは。

研究者の生活圏が大学という組織であり、そこでは仕事として学生に教育をすることを考えれば、市場が小さくなっていくことは、たとえ20年前でも分かっていたはずです。
(私だって95年時点で理解できました)




修士号を得る、博士号を得るということは「研究者としての素質の有無や方法論の習得」を証明するものでしかないはずなんです。


生活を考えたときには「研究だけ」をしていても、それはお金にはならないことなんて、自明のはず。


生活をするには「教育ができる」事が必須で、それと学位は連動しないはずなんです。(教育できるというスキルや能力に学位を出しているわけではないので)


博士課程に進めるかどうかの判断は、「研究者として活動をしていけるか」ということであって「生活できるか」どうかは判断基準にはないはずです、指導教授たちには。


出口戦略は自分で考えなければいけないですよね。
(就活はある意味「入口戦略」を考えているケースともいえますね)





ただ、もはやこの状態を前提として考えていかなければならないんですよね。

高学歴ワーキングプアを量産したツケをどう清算すべきか・・・





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2010年01月19日

ミス増加というけれど・・・

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先週の新聞に、こういう内容の記事がありました。



大学入試 ミス増加
昨年283件 私大6年で2.6倍 機会増え点検甘く
《新聞記事:読売新聞:1月13日付》



-----ここから

のべ300万人以上が受験した昨シーズンの国公私立大入試で、大学側の「入試ミス」が283件に上ったことが、文部科学省の調査で分かった。

 特に私立大は統計を取り始めた2003年の2・6倍に増えており、学生獲得のため受験機会を増やした結果、問題作成が多くなってチェックがおろそかになった面も指摘されている。合否に影響したものは国公私立大で計23件。今週末に実施される大学入試センター試験をはじめ、今シーズンは新型インフルエンザの影響で追試験を実施する大学も多く、ミスが続出する可能性もある。

 調査は、山形大で過去5年間で合格者400人以上を不合格にしていたミスが01年に判明したのを機に、同省が03年入試から開始。同年のミスは、全国で157件(110校)だったが、その後、ほぼ毎年増え続け、昨シーズンは283件(156校)だった。


 このうち、8割(223件)は私立大のミスで、03年(86件)から2・6倍に増えた。同省によると、国公立も含め、ミスの内容は、9割が出題と採点に関するものだという。

 専修大では、昨年2月に実施した入試のミスが年末に発覚し、17人の追加合格者を出した。学徒出陣に関する誤った記述を見つけて解答する日本史の問題で、四つの選択肢のうち二つで当時の文部大臣の名前を誤るなどの単純ミスをしており、担当者は「点検が甘かった。受験生に本当に申し訳ない」と平謝りだ。

 大手予備校「河合塾」によると、アドミッション・オフィス(AO)入試や推薦入試を除いた一般入試での私立大の受験機会は、03年から08年入試までの5年間で1・4倍に増えた。入試制度に詳しい松本亮三・東海大教授は、「受験生集めもあって同じ学部が何度も試験を行い、作成する問題数が増加している。過去問との重複を避けるなど負担は重いのに、作成する教員の数が多くなるわけはないので、チェックがおろそかになっている」と指摘する。

 文科省によると、今年は新型インフルエンザへの感染が疑われる受験生のため、国公立の66%(116校)、私大も45%(418校)が追試を実施予定。3月2日に全学部一括の追試験を実施する法政大の担当者は、「うちも昨年は3件のミスがあった。本番までに徹底的に点検します」と話していた。

-----ここまで


簡単に言ってしまえば
「入試でミスが増えている。特に私立で。全体での割合は8割。最近は試験方式が増えているので、インフルエンザ対策の追試も含め、今後も増える可能性がある」
という記事です。


ミスの推移というグラフもあり、これを見る限り、確かに記事の言うとおりなんです。



が、ちょっと待てよ、と。


確かに私立の入試ミスが増えているのは事実なんです。

でも、よくよく考えてみると、「入試」の母数が違いすぎるのでは、と。


平成21年度の学校基本調査(by文部科学省)によると、国立86校・公立92校・私立595校で、全体に占める私立の割合は77.0%です。

国公立大学のほうが基本的には学部数が多いので、その分を差し引いたとしても国公立と私立の割合や3:7か4:6ぐらいでしょう。

それを前提として考えると、今の状態は確かに「試験の数に比例してミスが発生している」と言えますが、過去を振り返ってみると「私立大学はよくミスを防いでいた/国公立大学が意外にコンスタントにミスが多い」ことが見えてきます。



私立の入試ミスが増えていることを指摘するのも良いのですが、国家予算(税金)で運営されながら、ミスが減少することがない(私立のミスが増加したことによって相対的に良くやっているように見えるようになってしまった)国公立のほうが問題のような気がします・・・





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2010年01月18日

マーケットの縮小、次の一手は?

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私が18歳だった時、第二次ベビーブーム世代だったこともあり、200万人近くいました。
今や18歳人口は130万人あまり



35%減です。


35%減のマーケットで、どういう戦略を取りましょうか。




「マーケットに合わせて」というのであれば、事業規模もそれに合わせて縮小均衡でしょうか。

それとも「マーケットを拡大して」と前向きに捉え、これまでのマーケット(18歳)だけではない市場も開拓することで事業規模を維持しましょうか。

はてまた「そもそも全てを対象としていなかった(大学進学率50%)のだから、まだ既存マーケットの中で十分に成長余地がある」と考え、その中での生き方を懸命に考えましょうか。



いずれにせよ、日本の大学は「35%減少市場での生き残り」を求められています。


とはいえ、実際は「現実を目の前にして立ちすくんでいる」ようです。



大学淘汰の時代、加速化 5私大が募集停止、廃校へ
《新聞記事:朝日新聞:12月28日付》



-----ここから

来年度以降の学生募集をやめて廃校を決めた私立大学が5校ある。いずれも定員割れによる経営悪化が原因だ。同様の理由で私大が募集停止したのは、過去に2校だけ。18歳人口の減少や景気低迷といった厳しい環境下、先を見越して決断した大学もある。「撤退のハードルが下がっている」。大学淘汰(とうた)の動きの加速化に、大学関係者は焦燥感を募らせている。

■入学直後発表「後輩来ない…」

 昼休みというのに、キャンパスは閑散としていた。

 名古屋から特急で1時間強の三重中京大(三重県松阪市)。かつて2千人以上が通っていたが、現在の学生数は657人。今春の入学者は定員200人に対し155人だった。

 同大を経営する梅村学園が、短期大学部とともに来春以降の募集停止を発表したのは今年4月。現代法経学部1年の西村渉さん(18)は「入学していきなりだったので、びっくりした。後輩が来ないのは寂しいけど、一番の不安は就職です」。

 同大の募集停止は、私学関係者も驚かせた。地域に大学を望む県や市の要請に応え1982年に松阪大として開学。99年から定員割れを起こし始め、05年度に校名変更するなどの打開策を図ったが、01年度から毎年単年度赤字を計上した。だが、定員充足率は私大の中で際だって悪いわけではなく、好調時の蓄えで累積赤字もなかった。姉妹校の中京大などを経営する学校法人全体では、財務も堅調。余力を残しての撤退判断だった。

 大学によると、学生の7割は県内出身で、この率は10年ほど変わらない。18歳人口が減るなか、「県外学生を増やす要素はほとんどなく、限られたパイの奪い合いになっている。状況を好転させるのは難しいと判断した」。村瀬勝彦事務局長はそう説明する。最後の卒業生を送り出す13年に大学は廃止となる。

 同様に13年で廃校となる聖トマス大(兵庫県尼崎市)も、00年度からほぼ毎年、大幅な定員割れが続いた。今春の入学者は110人、昨年度は78人(定員250人)。07年度に現校名になり、昨年度は幼稚園や小学校教員免許を取れる学科を新設したが、受験生離れは止まらなかった。「近隣の高校も含め、ほとんどPRできていなかった」と刈屋悌二事務局長。今年度入学者用の指定校推薦枠を400校、600人分以上設けたが、志願者は21人にとどまった。

 累積赤字は今春、28億円に。離職者への退職金がまかなえず、銀行から断られた末に、母体のカトリック教団から6億円の融資を受けた。同大は一大学一法人。今後、負債なども含め事業譲渡の引き受け手がなければ、法人解散と破産の手続きが取られる。

■中小の地方大学 半分以上が赤字

 愛知新城大谷大と、国内初の「株式会社立大学」として注目されたLEC東京リーガルマインド大学も、充足率の低迷を理由に募集をやめる。系列校などを持ち学校法人や会社全体で累積赤字がなくても、今後を見越して経営判断をした。神戸ファッション造形大も、05年度の開学以来、定員割れが続いた。

 戦後の新制大学で、合併以外で募集停止をしたのは、04年廃校の立志館大(広島県坂町)と、07年度から募集停止した東和大(福岡市)しか例がない。それが一気に5大学の募集停止。文科省幹部は「これまでのような経営破綻(はたん)に近い事例とは違い、前倒しして、募集停止を決断する動きが、地方の小規模校を中心に出てくるだろう」と見通す。

 日本私立学校振興・共済事業団の調べでは、定員割れ私大は98年度は8%だったが今年度は46.5%。入学者が定員の半分に満たない大学は31に上った。08年度決算で赤字(帰属収支差額)となった大学も39%に達し、特に学生2千人未満の地方大学は半分以上が赤字だった。

 競争激化の原因は、18歳人口が減る一方で、90年代の規制緩和などで大学数が増え続けたことにある。大学経営に詳しい大和総研の宇野健司・上席研究員は「増え過ぎた大学の淘汰は避けられない。立地条件が悪く、『売り』のない私大の経営はますます厳しくなる。経営改善努力をしている大学とそうでない大学への補助にもっとメリハリをつけるなど、助成のあり方も再考すべきだ」と指摘する。

■大改革で定員割れ克服も

 定員割れが続いたものの、学部改組や経営努力で収支や充足率を改善させた大学もある。

 新潟県柏崎市の新潟産業大が、初めて定員割れしたのは99年。当時の定員は、経済と人文の2学部で計450人で、以降、毎年のように定員を削減し、06年度には250人にしたが、入学者は183人だった。

 再生策として、当時の学長は燕市などがある県中央地域への一部移転を計画。だが、検討の結果、「それでも定員充足は厳しい」との判断に。地元市民の反対もあり、新体制で経営改善に取り組むことになった。06年11月、経営改革推進室を設置し、5年計画の改善計画書を作成するなど、金子和裕事務局長は「学内一丸とならなければ将来はないという強い危機感があった」と振り返る。

 経済学部1本に絞り、教職課程を増やした。地元高校生向けの公開講座を開いたり、出前事業をPRしたりと、地域との結びつきを重視した。定年を引き下げ、基本給減額や理事報酬カットなど手つかずだった収支改善策も断行した。そして今春、定員と同数の160人の入学者を確保。経営状況を表す帰属収支差額も目標値を1億円上回った。広川俊男学長は「安心できる状況ではないが、方向は見えた。引き続き地域連携を重視し、計画を実行したい」。

 07年度に始まった文科省の定員割れ解消支援事業は、学校規模の適正化などに取り組む大学や短大に、1千万〜2千万円を5年継続で助成。申請があった153校のうち、審査を経て62校を採択している。新潟産業大も、この制度を利用した。事業の予算額は年々増えているが、私学助成課は「経営改善努力のない大学は、助成の面でもますます厳しくなる」と話す。(石川智也)


-----ここまで



つい10年前までと今では大きく状況が変わっています。
恐ろしいほどに。



大学の中にいる人は、この現実について行っているでしょうか。



大学という職場で生活し続けるためには、この現実と付き合い続ける覚悟が必要なんですね、もはや。

10年前に同じレベルの人材を10人相手していたとすると、現在はそのうち7人は同じでも、3人は一つ下のレベルの人になっているんです。

同じ教え方では、付いていけないでしょうね。




その準備、教員のみなさんは出来ているのでしょうか。





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