2009年12月28日

20年前と同水準。

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リーマンショックは、大学財政にも多大な影響を与えたましたが、学生にも、いや正確には、学費を出している親御さんにも大きな影響を与えているようです。


東大生:親の年収「450万円未満」急増
《新聞記事:読売新聞:12月24日付》



-------以下、引用

 比較的裕福な家庭が多いといわれる東京大生にも不況が影を落としている。同大学の08年の「学生生活実態調査」によると、親の世帯収入が年収450万円未満の学生が前年の9.3%から17.6%に急増した。学生自身の収入も大幅に減っている。

 調査はリーマン・ショック後の08年末に学部生の4分の1を対象に実施し、1585人から回答を得た。例年10%前後だった年収450万円未満の層が大幅に増えた一方、高額所得層は減少。07年に45.5%に達した1050万円以上の層が36.5%に減った。

 仕送りやアルバイト代、奨学金など学生が得る収入は、自宅外生(寮生を除く)に限ると、男子は月平均1486円減の15万4234円、女子は同1万7093円減の14万8097円。特に女子の減少が大きかった。収入が多かった時期と比べると、男女とも2万〜3万円以上減り、20年前の水準に戻った。

 自由記述欄には「教科書が高すぎて、興味のある講義をあきらめざるを得ない」(文1男子)、「学費が高すぎる。生活が苦しい」(文3男子)といった声も多く寄せられた。東大は保護者の年収が400万円以下の学生の授業料を全額免除する制度を創設しているが、学生生活委員会の担当者は「寮の拡充などさらなる対策が必要だ」と話している。


-------以上、引用



印象的なのは
「収入が多かった時期と比べると、男女とも2万〜3万円以上減り、20年前の水準に戻った」
と書かれていることです。


最近、様々な統計において「20年前の基準に戻った」と言われることが多くなっています。





20年前といえば、1989年。

バブル真っ最中の頃です。




冷静に考えてみると、不思議なんですよね。

あの頃を振り返ると、ものすごいお金の使い方をしていたはずなんですが、統計上は、今があの頃と同じだというんです。

今、あんなお金の使い方、していないはずなんですがね。

むしろ「景気が悪い」と言われているんですよね、今。



お金の流れている場所が違うんでしょうね。

一体今は何にお金が流れているんでしょう。




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2009年12月27日

いよいよ希望退職。

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大学全入時代と言われて久しい昨今ですが、依然として受験競争はそれなりの規模で行われています。

そうなると何が起こるか。

行きたくない(行ってもしょうがない)と思われている大学が発生するということであり、その結果は学部の定員割れ、ひいては学部の縮小・廃止に繋がっていきます。



それが徐々に起こり始めています。



九州共立大学では工学部の廃止に伴って工学部に在籍していた教員の希望退職や配置転換を始めたようです。



九州共立大 工学部廃止で教員43人に希望退職など募る
《新聞記事:読売新聞:12月23日付》


---以下、引用

 学校法人福原学園(北九州市八幡西区)は、運営する九州共立大の工学部の教員43人に希望退職や他学部への配置転換の勧奨を始めた。

 学園によると、少子化や理系離れの影響で2005年度以降、工学部の全6学科で定員割れが続き、07年度には環境サイエンスと生命物質化学の2学科で、08年度には残りの4学科で学生の募集を停止。11年3月末で工学部を廃止する。

 対象は、11年3月までに定年退職する8人を除く工学部の全教員で、内訳は教授22人、准教授10人、講師3人、助教7人、助手1人。

 希望退職は来年2月1日まで受け付け、退職期日は07年度に募集を停止した2学科が10年3月末で、残りの4学科が11年3月末とする。希望退職者には退職金を4か月程度上積みする。経済学部、スポーツ学部などへの配置転換を促すため、工学部の教員向けに継続雇用枠を22人分設けた。

 学園の担当者は「工学部がなくなるためのやむを得ない措置。希望退職や配置転換に応じない場合は整理解雇するしかない」としている。


---以上、引用



希望退職や配置転換に応じないと、整理解雇という可能性もあるそうです。


いよいよ来るべきものが来つつあるようです。



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2009年12月26日

BBT、いよいよ学部教育へ

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今から数年前、「規制緩和」の流れに乗って、特区制度を利用した「株式会社立」大学(大学院)が次々と誕生した時期がありました。


「営利を目的とした株式会社が、非営利である学校を運営できるのか」という、学校法人側の危惧・懸念や、そもそも設置された株式会社立大学の準備不足もあって、幾つかの大学(大学院)は、その後の事後チェックの中で不備を指摘され、大学運営から事実上の撤退をしたところもあります。




これらの中でも、比較的成功しているとされるケースが「グロービス」と「ビジネス・ブレークスルー」です。

両者とも基本的にはビジネススクールを中心とした構成になっており、大学とは言っても、18歳を対象とした「学問」ではなく、どちらかといえば社会人の再教育・継続教育をターゲットとしている所に特長があります。




現在は、グロービスは、設置者を当初の「株式会社グロービス」ではなく「学校法人グロービス経営大学院」として、独立した事業体としての体制を整えているようです。


今回取り上げるビジネス・ブレークスルーのほうは、いまだに「株式会社ビジネス・ブレークスルー」が設置者として大学院を運営しているわけですが、この体制のままで、来年4月から学部段階の「ビジネス・ブレークスルー大学」を開設することになったようです。



ビジネス・ブレークスルー大学が4月開校、通学不要でネット授業
《報道記事:INTERNET Watch:12月24日付》


100%オンライン「ビジネス・ブレークスルー大学」認可 10年4月開学へ
《報道記事:ITmedia:12月25日付》




費用はというと、4年間の学費は総計で350万円。内訳は、入学金が30万円、授業料が年間70万円、システム利用料が年間10万円ということで、現在の私立大学の授業料よりやや安い値段設定になっています。

なんと言っても売りは「通学は不要。PCとインターネットにつながる環境があれば、24時間どこでも授業を受けられる」ところにあるとのことで、通学によるスクーリングも必要とする通信教育課程よりも更に進んだ遠隔教育形態を取ることになるようです。

入学に関しても、試験は小論文と面接のみで、応募資格は高校卒業ということだけで、大学の中身についての納得や理解さえあれば、「普通の」大学に通うよりは、よほど中身のある教育を受けられる可能性がありそうです。



大学のサイト(準備中)を見てみました。



ビジネス・ブレークスルー大学
(まだ開設予定の学校なので、ドメインが「ac.jp」ではなく「.ac」なのが、やや印象的)


まだまだこれからという感じのコンテンツではありますが、これまでの大学に無い特徴として挙げられるのは、正面きって「入学時の人材像」と「卒業時の人材像」を併記しているところでしょうか。
最近の大学の入試案内や学部の説明資料を見ると「アドミッションポリシー」として、どういう学生を入学させたいのかを書くところが徐々に増えてきていますが、ここまで正々堂々と「入学時の人材像(しかも事実上、学力不問)」を明記しているところは珍しいと思います。




逆に気になるところが二つほど。

一つは、いわゆる教授陣についての情報が何も無いこと。
「"Teach"ではなく"Learn"」とはいうものの、さすがにどういう力を持っている人が教えてくれるのかが分からないのは気になります。
(きっと、時期が来たら公開されるんでしょうけど)

そしてもう一つは学位。
恐らく(サイト構築者が)「知らない」からだと思うのですが、取得できる学位が「経営学士」となっているんですよね。
日本の法律では、既に「○○学士」という学位の授与は出来なくなって、「学士(○○)」が正しいはずなんですが・・・

これも時期が来たら直っているでしょう・・・



いずれにせよ、ビジネス・ブレークスルー大学、偏差値が高いとは言えない私立大学の経営系・経済系学部にとっては脅威になるかもしれません。





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2009年12月22日

状況に左右されず、未来を切り拓く。立命館

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立命館。

大学の世界では「先駆的な取り組み」に次々にチャレンジしている学園として、つとに有名です。



久しぶりにサイトを見に行ったのですが、驚きました。



な、なんと「中期計画」をイベント化しているのです。




学園ビジョンR2020




2020年までの10年単位の中期計画を「学園ビジョンR2020」として、2009年5月から教職員で構成した「学園ビジョン策定委員会」を中心に策定しているとのことです。

しかもまだ「1stドラフト」の段階ということで、このドラフトを公開し、広く教職員、学生・生徒・児童、OBOG、一般から意見を募り、最終化していくとのことです。


学園ビジョン1stドラフト




学園の未来に対する関係者の巻き込み方に、非常に意図的・戦略的なものを感じます。

「学内者だけが考えるだけでは完成しないものである」という、その基本姿勢に、私としては非常に好感が持てます。




しかも、年明けに「キックオフイベント」を開催するそうです。


「学園ビジョンR2020 新中期キックオフイベント」1/15(金)




おそるべし、立命館。




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2009年11月12日

太っ腹ですな。神奈川大学。

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神奈川大学といえば、昔から「給費生入試」などを行うなど、奨学金制度について積極的な大学とされています。

その神奈川大学で、新たな仕組みが始まるようです。



総額約5億円規模の給付型奨学金制度「米田吉盛教育奨学金」を創設します《11月10日:報道発表:神奈川大学》



これまでも神奈川大学では、給費型の制度として「神奈川大学給費生」「法科大学院給費生」「附属学校特待生」、経済支援型の制度として「修学支援奨学金」、「社会人奨学金」「外国人留学生授業料減免制度」があったとのことですが、これを更に拡充するらしいのです。



今回のポイントは、かなり「政策的」な意図が感じられますね。
以下のラインナップを見てみてください。



1. 給費生
(1)「大学院給費生」
 ・給付額:当該年度の学費相当額
 ・支給期間:博士課程前期 原則5年間、博士課程後期 原則3年間

2. 経済支援
(1)「新入生奨学金」
 ・給付額:年間授業料の30%相当額
 ・支給期間:入学年度限り
(2)「地方出身者学生支援奨学金」
 ・給付額:年間15万円
 ・支給期間:入学年度限り
(3)「附属高等学校出身学生支援奨学金」
 ・給付額:年間授業料の30%相当額
 ・支給期間:原則4年間
(4)「神奈川大学出身者支援奨学金」(大学院向け)
 ・給付額:年間授業料の30%相当額
 ・支給期間:入学年度限り

3.成長支援
(1)「自己実現・成長支援奨学金」
 ・給付額:活動の内容、実績により給付
 ・支給期間:1度限り。ただし、内容が違う場合は再出願可
(2)「指定資格取得・進路支援奨学金」
 ・給付額:20万円もしくは30万円(資格・進路により規定に即して決定)
 ・支給期間:1度限り。ただし、分野が異なる場合、他試験に合格した場合は再出願可
(3)「海外活動支援奨学金」
 ・給付額:(1)短期;5万円 (2)長期;40〜80 万円
 ・支給期間:(1)短期は1度限り。(2)長期は募集要項の規定による
(4)「研究・社会活動支援奨学金」
 ・給付額:活動の内容、実績により規定に即して決定
 ・支給期間:年度限り。再出願可。


1の給費生は、よくある形ですが、2の経済支援の対象が、実に戦略的。学生を「入れる」段階でのインセンティブにしようという意図がすごく鮮明に出ています。

3の成長支援も面白いですね。
大学はどちらかといえば「正課」しか支援しない傾向にありますが、これらはほとんど「課外」を対象にしていますね。


これによって、返還の必要のない奨学金の給付対象学生は現状のほぼ倍の約1500人となるようです。







ちなみに、我が義塾においての奨学金制度はこれまで、それほど「充実」していないという認識のほうが強かったようです。


これまでの特徴としては「利子給付奨学金制度付き学費ローン」という仕組みがあり、学生が銀行との間でローンを組み、奨学期間中はその利子分を大学が負担し、卒業後に返していくというものでした。(法改正が見込まれるということで募集を辞めたようですが)


しかし、今回の創立150年を記念して、義塾社中から集まった寄付金をもとにして「慶應義塾創立150年記念奨学金」「慶應義塾大学家賃補助制度」などを新たに設置し、海外学習の援助や地方から上京してくる塾生への援助にも範囲を広げています。少しずつですが。


これに加えて、義塾らしい「社中協力」が形になったものとして、昔から連綿と続いている「指定寄付奨学金」がありますね。地区や年度の三田会からの寄付による奨学金制度が数十あるんですから!





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2009年08月15日

高校生の進路と親の年収の関連について

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私が2年間学んだ、東京大学大学院の大学経営・政策コースには、付設の研究センターとして「大学経営・政策研究センター」が設置されています。


ここでは、大きく分けて
(1)大規模・追跡調査の実施
(2)国際比較・ベンチマーキングの実施
(3)政策・制度的選択肢の析出とシミュレーション
の3つを実施しています。


このうち、最近、朝日新聞において「高校生の進路と親の年収の関連にについて」を利用した記事が掲載されました。



親の年収が大学進学率左右 200万円未満は28%
《報道記事:朝日新聞:2009年7月31日付》




ここから-----

 年収200万円未満の家庭の高校生の4年制大学進学率は3割に満たず、一方で1200万円以上の家庭では倍以上の6割強に――。東京大学の大学経営・政策研究センターが調査したところ、保護者の収入が多くなるほど右肩上がりに大学進学率が高くなることが確認された。国公立大では所得による差はあまりないが、私立大への進学で大きな差がついていた。

 子どもの受ける教育や進学率が、親の所得差によって影響され、「教育格差」につながっているとして社会問題化している。調査は、こうした実態を探るためで、05年度に全国の高校3年生約4千人を抽出して3年間追跡した。保護者から聞き取った年収を200万円未満から1200万円以上まで七つに区分し、進路との関係をみた。

 それによると、最も低い200万円未満の層の4年制大学への進学率は28.2%。600万円以上800万円未満は49.4%、800万円以上1千万円未満は54.8%、1200万円以上だと62.8%に至った。

 進学先をみると、国公立大は年収600万円未満はどの層も10%強、1200万円以上でも12%強と大きな差はない。他方、私大進学の差は顕著で、200万円未満は17.6%、600万円以上800万円未満は36.8%。1200万円以上では50.5%で、200万円未満の2.9倍になった。

 国立大の年間授業料は平均約54万円、私立大は同約85万円。大学は「全入時代」を迎えたとされるが、所得が低い家庭では、国公立大以外に行きづらい様子がうかがえる。センター長の金子元久教授(高等教育論)は「このままでは大学教育を受けられる人が所得の階層で固定化してしまう。進学したくてもできない人を支援するセーフティーネットの政策をつくる必要がある」と指摘している。

 一方、就職率は進学率の傾向と表裏の関係になっている。200万円未満の層は35.9%だったが、年収が高くなるほど率は低くなり、1200万円以上では5.4%だった。

 文部科学省の調査では、06年春の高卒者の4年制大学への進学率は45.4%。総務省の家計調査では、同年の勤労世帯の平均年収は約630万円だった。(編集委員・山上浩二郎)


-----ここまで




これについては、大規模調査の結果の一部が活用されているだけなのですが、今回、センターのほうから結果をまとめた資料が公開されました。


高校生の進路と親の年収の関連について
《資料公表:東京大学大学院教育学研究科大学経営・政策研究センター
:2009年7月31日付》



内容は、一言で言うと、やや衝撃的、です。


新聞記事の中で金子教授が発言されている通り「このままでは大学教育を受けられる人が所得の階層で固定化してしまう。進学したくてもできない人を支援するセーフティーネットの政策をつくる必要がある」ことを痛感させられます。







この8月30日に投票となる「第45回衆議院議員総選挙」の各党マニフェストでも読んで、この後の教育政策も考えていく必要がありそうです・・・


第45回衆議院議員総選挙(JANJAN全国政治家データベース)







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2009年10月18日:2009年慶應連合三田会大会まで、あと64日
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2009年07月09日

キャンパス計画の難しさ(千葉大学)

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あなたが千葉大学の学長だったとします。


キャンパスは千葉県内4箇所に分散配置されています。


その上で、この地図を見てください。


千葉大学:西千葉地区:建物配置図


この地図で空白となっている右下の土地を取得できる可能性があるという話が耳に入ってきました。


あなたなら、どうしますか?




多少なりとも買えそうであれば、チャレンジしますよね?

この地図の右下が埋まり、西千葉地区に集約するほうが、学部・研究科間の相乗効果などが見込めると思いませんか?



ただ、実際は、そうはうまくいかなかったようです・・・・



千葉大 園芸学部移転を断念
《報道記事:産経新聞:7月7日付》


千葉大園芸学部 移転を正式断念
《報道記事:読売新聞:7月8日付》


千葉大:園芸学部移転、白紙に 赤字理由、地元・松戸はホッと
《報道記事:毎日新聞:7月8日付》


移転断念を正式決定 千葉大園芸学部
《報道記事:東京新聞:7月8日付》




ここから----(東京新聞)

 松戸市の千葉大園芸学部が、大学本部のある千葉市への移転を検討していた問題で、同大は七日、臨時役員会を開き、本部に隣接する東京大の敷地を購入しないことを正式に決めた。これにより移転構想は白紙になった。

 役員会には斎藤康学長と理事五人が出席し、移転問題を協議。千葉大財務課は「審議の結果、東大跡地は購入しないことが了承された」という。購入断念の理由について同課は「財源が確保できない」「移転すれば赤字になる可能性がある」と説明した。

 園芸学部の敷地を売却し購入費に充てる案も協議されてきたが、先月末の同学部教授会で、移転すると大幅な赤字になる可能性が指摘され、移転撤回の方針が決まっていた。

 松戸市の川井敏久市長は「残してほしいという市民の願いがかなった。園芸学部の歴史と文化を守るため今後も協力を惜しまない。今年の創立百周年は市を挙げて祝いたい」との談話を出した。

 市民団体「移転に反対する松戸市民の会」の山室一雄会長は「十五万人を超える署名活動をはじめ、反対運動が良い結果になりうれしい。応援してくれた市民に感謝します」とコメントした。

----ここまで





今回の計画は、
・右下(東京大学生産技術研究所)の敷地を購入する
・松戸から園芸学部を、当該敷地に移転する
・移転費用に当てるため柏の葉キャンパスの土地の大部分を売却する
ということだったようです。



ここで最大のネックだったのは、園芸学部が現在ある松戸市だったようです。



松戸市は、この園芸学部の移転に反対し、かなり広範囲にわたり移転反対運動を展開したようです。



結局のところ、そもそもの資金目途(特に土地売却代金)と移転費用という面から断念することになったようなのですが、色々考えさせられます・・・



この記事の最初のほうで「シミュレート」してもらったように、大学の学長という立場であれば、できるだけ一つのキャンパスの中で効果的な教育・研究が行えるように配慮するのが普通でしょうから、隣接地の売却話は、まさに「千載一遇のチャンス」と思えたことでしょう。(義塾で言えば、北館のすぐ裏のイタリア大使館や、西校舎裏の綱町三田倶楽部が取得できそうだ、というところでしょうか)



学長側からみればこのとおりですが、移転候補に上がった園芸学部を現に有する自治体側からしてみれば、確かに「たまったものではない」でしょう。

「大学が町にある」ということは、その町の認知度を高めるだけではなく、学生・教職員の集住による経済効果も恒常的に見込めるからです。そのようなシンボルを突如失うことに「はい、どうぞ」というのは無理な話だと思います。



ただ、松戸市側はもう少し良い動き方をしても良かったのではないでしょうか?



これまで100余年にわたって「おらが町」にあった大学がなくなることに加担するのは確かに偲びないでしょうが、園芸学部の用地を松戸市が買い上げるなり、千葉大学との共同管理にするなり建設的な提案」をすることもできたはずです。




それが、一方的な「移転反対」というのは、なんとも・・・









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2009年10月18日:2009年慶應連合三田会大会まで、あと101日
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2009年07月05日

専門大学?職業大学?

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ほぼ2週ほど前、朝日新聞に「不思議な」記事が出ていました。



仕事直結の授業中心、「新大学」創設へ 中教審の報告案
《新聞記事:朝日新聞:6月23日付》





全文を引用すると、こんな記事です。

ここから----------

中央教育審議会(文部科学相の諮問機関)は22日、会議を開き、職業教育に絞った「新しい大学」を創設する方針を打ち出した。教養や研究を重視する今の大学・短大とは別の高等教育機関(新学校種)。実務の知識や経験、資格を持つ教員が職業に直結する教育を担う。実現すれば、高校卒業後の学校制度が大幅に変わることになる。

 これまでの議論では、新大学の名称は「専門大学」「職業大学」などが考えられている。報告案によると、新たな教育課程は、実験や実習など仕事に直結する授業に重点を置き、割合として4〜5割を例示している。このほか関連する企業での一定期間のインターンシップを義務づけ、教育課程の編成でも企業などと連携する。修業年限を2〜3年または4年以上を考えている。

 中教審での議論は、就職しても早期に仕事をやめる若者が増えていることや、かつてと仕事内容や雇用構造が大きく変わったことから始まった。この過程で、一般(教養)教育や研究に多くの時間を割く、これまでの大学と目的が異なる新たな高等教育機関の設立が具体化してきた。

 今後の議論を踏まえて方針が了承されると、文科省が制度設計の作業に入る。設置基準などの仕組みができれば、新大学への移行を希望する専修学校(専門課程)などが集まるとみられる。

 ただ、現状の専修学校の制度は、私学助成対象とならない代わりに設置基準が緩く、自由な運営や教育ができる。また新大学が、地域の大学や短大などと競合する場合もあり、反発が出る可能性もある。22日の会議でも「現行の大学にも多様性があり、議論は尽くされていない」との反対意見が出た。中教審は今夏をめどに報告をまとめる方針だ。(編集委員・山上浩二郎)

----------ここまで





記事によると「22日の会議でも」とあるので、中央教育審議会の中でも「キャリア教育・職業教育特別部会」での議論であったことが分かります。


キャリア教育・職業教育特別部会(第10回)の開催(6月22日)について
《プレスリリース:文部科学省:6月15日付》




この部会のメンバーは以下のとおり。
キャリア教育・職業教育特別部会 委員名簿




記事を注意深く読んで見ると、これは、現在の「専修学校」を新たな学校種として「一条校」に取り込んでいく(文科省の縛りの下に置く)ような話に見えます。



「一条校」、なんのことだかご説明をしますと、学校教育法第一条に「この法律で、学校とは、小学校、中学校、高等学校、中等教育学校、大学、高等専門学校、盲学校、聾学校、養護学校及び幼稚園とする。」となっており、ここに定められた「狭義の」学校のことを指します。


これらの「一条校」は、学校教育法その他の法律などによって規制ならびに保護を受け、年限や目的、卒業時に授与できる学位などが定められている教育機関を指すわけです。


で、上記の議論は、これまでの大学(一条校)とは違う「新しい大学(新学校種)」を創設しようという議論なわけですから、文科省としては、新しい一条校の枠組みを作りたい(そしてコントロールしたい)ということになるのでしょう。



とは言うものの、現在、この議論で言う「職業教育に的を絞った」教育は、いわゆる専門学校(法律上の種別で言えば「専修学校」)がこれまで長年にわたり担ってきているわけで、ここに手をつけようというわけです。



この、「ハコ(制度)をいじれば、どうにかなる」という発想は、一体いつまで続くのでしょうか・・・


ある意味「自由競争」で、これまで需給関係を冷静に見つめ、変幻自在の動きを見せていた専修学校の世界に「神の見える手(見えざる手ではなく)」が加わろうとしているわけです。


学校を設置している理事者側や「大学の先生となりたい」方々にとっては、ある意味朗報なのかもしれませんが、これは本当に「教育を受ける側」にとって、意味ある施策になり得るのでしょうか?





ちょっと懐疑的です。





現在「大学」に対しても「神の見える手」を用いて「専門職大学院」をはじめとして様々な手を打っているようですが、それらが当初想定していたような結果を上げているかというと、どうなのでしょうか?


「結論は出てないけど、ここではもうこれ以上何もできないから、別のところで何かしようか?」というニュアンスを感じます。




そもそもスタートは、戦後教育制度が前提としている「6・3・3・4制」に起因していると思います。

最後の「4」が、名前こそ「専門学部」で構成されながらも、その教育内容の実質は「専門科目」こそ教えるものの、その内実といえばマス教育であるがゆえに、その専門家を育てることにはほとんどなっていないという現実から直視すべきだと思います。

理系の方であれば、職業につながる「専門」を学んでいるのかもしれませんが、文系にはその論理は通用しません。

私自身、学部時代の「専門」は政治学ですが、今の職業とは全く関係ありません・・・

むしろ大学で学んだのは「学ぶ姿勢」や「学び方」といった「社会人基礎力(と恐らく今では言われるであろう)」であって、しかもこれについても、課内というよりも課外で学ぶことが多かった記憶があります。




そのような状況が続いているであろう大学について手を着けることなく(「研究者」の集まりに教育をさせる)、新しい学校種を作ろうなんて、ある意味、責任放棄に近い感覚を覚えます。(とはいえ、「学術の中心として、広く知識を授けるとともに、深く専門の学芸を教授研究し、知的、道徳的及び応用的能力を展開させることを目的」と規定してしまっている(学校教育法83条)では、これ以上は難しいのかもしれませんが)




そんな予算と時間があるのであれば、今ある学校をどうにかするのではなく、そのような学校に多くの「やる気」と「元気」と「能力」がある(でも、金銭的・家庭的等の事情から入学・進学の機会が失われつつある)生徒・学生が入学・進学できるような仕掛けを真剣に考えることのほうが、将来のために現在の国づくりを考える官僚・官庁の仕事だと思うのですが・・・・




この先、どのように議論が展開されるのでしょうか。

本当に「専門大学」「職業大学」が出現する日は来るのでしょうか・・・





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2009年10月18日:2009年慶應連合三田会大会まで、あと105日
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2009年03月12日

新設大学、「ガラス張り」へ


90年に大学設置基準が大綱化されて以降、「事前規制」から「事後チェック」へという流れの中、大学や学部の設置についてはその条件がかなり緩和された期間が続いていました。

構造改革特区制度を利用して、株式会社でも大学を設置することができるようになりました。



その一方で、安易とも受け取られかねない大学・学部の設置も散見されるようになり、世間の耳目を集めるような事例も出るようになりました。(たとえば、LEC大学院大学等)


現在、「事後チェック」ということで、新設大学については、設置計画履行状況調査(通称「アフターケア」)を行い、設置当時の留意事項を継続的に改善等を求める仕組みを構築しています。


新設大学に対する留意事項(改善等を求める点)の内容及び新設された大学の概要
《文部科学省》





これに加えて今回、文部科学省では「入口」のほうも、より透明度を高める動きを始めるようです。


新設大学の教員名公表…文科省
《新聞記事:09年03月08日:読売新聞》



(ここから)------

文部科学省は来年度から、大学や学部の新設の際、教員名簿やカリキュラムなどの資料を公表することを決めた。

 2004年の設置基準の緩和で大学の質の低下が指摘される中、認可後に大学側が安易に計画変更することを抑止する狙いがある。週内にも全国の大学などに通知する。

 文科省は現在、大学の名称や住所などを公表しているが、それ以外の情報の公開は大学の自主的な取り組みに任せている。

 しかし、設置基準の緩和を受けて、大学や学部などの新設が相次いだ結果、経営が安定しない大学の中には人件費を抑制するため、実績のある教授を若手に代えたり、カリキュラムを変更したりするケースも増えている。

 このため、同省は2月下旬に省令を改正した。来年度からは、〈1〉カリキュラムや職員数、図書数などを記した基本計画書〈2〉学則〈3〉設立趣旨〈4〉教員名簿――などを同省のホームページ上で閲覧できるようになる。同省は当初の計画を公表することで、大学側の都合による変更を抑制したいとしている。


------(ここまで)



この動き、基本的には歓迎です。


というのも、これまで新設大学・学部についての情報は概括的な情報しか文部科学省のウェブサイトで確認できるだけで、それ以上の情報については、各法人の自主的な動きに任されていたため、「で、実際どんな感じなのよ」という情報を事前に把握することが困難でした。

しかし、今回、このような形で公開が義務付けられることによって、文部科学省のサイトを訪問するだけで、大学・学部としての情報が一通り確認することができるようになるわけで、比較・検討することがかなり容易になることになります。



というより、なぜ、これまでこういう動きをしてこなかったのか、理解に苦しみます。

大学側の自由度を確保することを意図していたのか、情報を独占的・一元的に文科省として把握しておきたかったのか・・・



いずれにせよ、前向きな変化、大歓迎です。



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2009年10月18日:2009年慶應連合三田会大会まで、あと218日
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2009年03月08日

スター学長増殖中

先日(と言っても一ヶ月ほど前ですが)、こんな記事を見つけました。


寺島実郎氏、多摩大学学長就任へ
《新聞記事:朝日新聞:09年2月3日付》



記事はこんな感じでした。


(ここから引用)------

三井物産の常務執行役員や日本総合研究所会長を務める寺島実郎氏(61)が、多摩大学(東京都多摩市)の学長に就任する。任期は4月から6年間。三井物産の役員は3月末で退く一方、子会社「三井物産戦略研究所」の会長に就き、日本総研では理事長に転じる予定だが、主として学長業務に取り組む意向という。

 同大学の学長は、中谷巌氏(現三菱UFJリサーチ&コンサルティング理事長)が08年3月末に退任後、空席となっていた。多摩大学は「アジアを始め、海外に向けた発信力を高めたい」として、環境問題をはじめ国内外で活躍する寺島氏に白羽の矢を立てた。

------(ここまで引用)



今回寺島さんを招聘した多摩大学は、皆さんご存知の通り、田村学園が1989年に開学した、比較的新しい(とはいっても、もう20年なんですね・・・)大学です。

初代学長から、立教の名物教授だった野田一夫さんを招聘し、三代目には上智大学の教授だったグレゴリー・クラークさん、四代目は一橋の看板教授だった中谷巌さんという具合に、多摩大学は代々、「有名人」がその学長になっている実績があります。

そして今回も、これまた著名人である寺島実郎さん、ということになったわけです。



歴史が古い大学は、学長が理事長兼務だったり、学内選出ルールが厳然と存在したりすることで、内部からの昇格(選出)によって学長が決まるケースのほうが多いかと思います。

しかし今や、時代も「大学全入」時代。学長に著名人を招聘し、その知名度や人脈でもって、学生募集や大学ブランディングへの寄与を期待するケースも着実に増えているようです。



ってことで、どんな「スター学長」がいるのか、探してみました。

ただ、チョイスが私の専門だった政治学周辺に偏っているかもしれませんが・・・


あ、ちなみにここでは「スター(様々な意味で)」とされている方が「学長」に就任されている例であって、「学長としてスター」とされている方を挙げている訳ではないので、あしからず。
(でも、この中には「学長としてスター」にも該当される方が複数いらっしゃるとも思いますが)



新潟県立大学(09年開学):学長:猪口孝
 元東大教授。奥さんは猪口邦子さん


千葉商科大学:学長:島田晴雄
 元慶大教授。労働経済学。


昭和女子大学:学長:坂東眞理子
 元官僚。『女性の品格』著者


サイバー大学:学長:吉村作治
 元早大教授。言わずと知れた日本のエジプト学の泰斗。


国際教養大学:学長:中嶋嶺雄
 元東外大学長。国際関係論。


拓殖大学:学長:渡辺利夫
 元青学教授。国際関係論。


東京工科大学:学長:軽部征夫
 元東大教授。


京都造形芸術大学:学長:千住博(京都造形芸術大学:副学長:秋元康
 学長は画家。副学長はプロデューサー!!



改めて調べてみると、いろんな方が学長に就いていらっしゃるんですね。

学校法人の法律上の最高意志決定者は理事長ということになっていますが、学事面での「顔」はやはり学長ですから、そこに誰が就くのかは、ある意志を体現することになるでしょうね。

しかも、学外から来た学長、ということになれば、内部の教授陣との関係構築も大事になるでしょうし、援軍無しの孤立無援状態では大変でしょうね。

やはりマネジメントを担うとなれば、「シンボル」一人ではなく、チームで担うべきなんでしょうね。


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2009年10月18日:2009年慶應連合三田会大会まで、あと222日
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2009年02月27日

正体を現す

「生協の白石さん」、ご存知ですか?


もう数年前になりますが、東京農工大学(国立です)の生協職員として、機知に富む「一言カード」が評判を呼び、一躍時の人となった方です。


本もこんな感じ。

『生協の白石さん』(2005年)

『生協の白石さん 木洩れ日』(2006年)

『生協の白石さん お徳用エディション』(2008年)



さて、その「生協の白石さん」、昨年(2008年)11月に農工大生協を離れ、別の生協店長になっているとのことですが、その「抜群の知名度」を活用すべく、農工大のほうで「広報大使」のポストを新設(特設)したそうです。


その記事が読売に出ておりました。


生協の白石さん、広報大使で恩返し「変わらぬご愛顧を」
《新聞記事:読売新聞:09年2月21日付》



こちら、記事を見ていただくと「白石さん」の顔を拝見することができるのですが、素顔の露出は、この広報大使就任がきっかけとのことだそうです。


って、記事を書くべくネットサーフィンしていたら、既に朝日に出ておりました・・・


生協の白石さん、顔を初公開 東京農工大の広報大使に
《新聞記事:朝日新聞:09年1月23日付》





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2009年10月18日:2009年慶應連合三田会大会まで、あと230日
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2009年02月20日

学生が「お客様」から「構成員」へ

大学にとって、学生とはどのような存在なのでしょうか?




財政面から見れば「お金(授業料)を払ってくれるお客様」と言えるでしょう。

特に日本の私立大学はその収入の半分以上が学生からの各種納付金で占められていますから、確実にそう言えるでしょう。



研究面からみれば、特に理系の研究室では「共同研究者」と言えるでしょうし、教育面からみれば、その「受益者」(提供者は教員)と言えるかもしれません。



しかし「同じ職場で働く同僚」と考えたこと、ありますか?



それに近いことが行われつつあります。



その現場は、山形。


文部科学事務次官の職を投げうって学長へ転じた結城章夫さんが率いる山形大学が、その現場です。



大学運営に学生バイト山大、200人採用 奨学的側面も(山形)
《新聞記事:読売新聞:09年2月10日付》



(ここから引用)------

山形大(結城章夫学長)は2月から、同大の学生延べ200人程度をアルバイトスタッフとして採用して大学の運営・企画に参画してもらう計画をスタートした。学長の名を冠した経営方針「結城プラン2009学生が主役の大学創り」の一環で、学生の発想を経営に生かすとともに、教育と金銭的な奨学の両面で学生支援を進める狙いだ。

 アルバイトは、教育研究アシスタントとして採用。学生には土休日、夏休みや放課後などを利用して同大のホームページ(HP)管理、高校の大学説明会や大学主催の地域貢献イベントなどのスタッフを担当してもらう。時給は800円〜900円程度を想定しており、HPや学内掲示を通して募集するという。

 結城学長は「大学にはたくさんの仕事があり、一定期間組織に所属してもらうことで教育的側面からの指導もできる。学生と新たな関係を築いていきたい」と説明している。

 同大企画部によると、1〜2日程度の単発的な業務ではなく、一定期間にわたって学内の業務を担当してもらう学生アルバイトの採用は、全国の大学でも珍しいという。同部は「説明会やイベントなどに学生のアイデアをどんどん発揮してほしい」と期待する。一方で、経済状況や雇用情勢の悪化が進む中、学生や保護者には金銭的な奨学支援の一つになりそうだ。

 結城プランでは今年取り組むべき58課題を掲げており、2010年度新入生からの新たな教養教育の実施に向けた体制整備、留学生の受け入れ拡大などにも力を入れる。

------(ここまで引用)




さて、この記事そのものは、昨今の経済情勢もあることから「経済支援の側面」が強調された記事になっているのですが、私の見立てはちょっと違います。



確かに、経済支援はこのプログラムの主要な目的でしょう。

しかし、それだけを目的とするのであれば、別の方法もあります。



今回の取り組みで大きいと私が感じるのは「学生が「大学」という組織の中に入ってくる」ところにあるのではと見ています。



ややもすれば、学生は「自分たちが金(授業料)を払っている」という感覚で接しがちになるかと思うのですが(私もそうでしたし・・・)、
自分が実際に働いてみるとなると、その意識は大きく変わるのではないでしょうか。ほんの些細なことでも、その裏にどんな作業があるのか、自分一人への対応が、大学全体の中でどんな意味を持っているのかを知る、良い機会になるのではないでしょうか?



しかも、現在働いている教員・職員にとっても大きな刺激でしょう。
何といっても、常に「見られる」ことになるわけですから。

山形大学の一学年の定員は1400人弱、四年分で約5500人、そのうち200名が大学側に入ります。その率、約4%。なんとなくのイメージとしては「友達の一人ぐらいは大学でバイトをしている」感じでしょうか。

教員・職員の動きが、友人の口から常に確認をできるようになるわけです。


これは、すごい。



ただ、この試み、「今」だけにインパクトがあるだけではないと思うんです。おそらく一番インパクトを与えるのは「未来」に対してではなかろうかと。



私自身、大学時代に「コンピュータ利用相談員」として、三田の大学院校舎のPCルームで二年間バイトをしていたから分かる感覚かもしれませんが、大学でバイトをした学生は、必ず大学に関心を示す(愛着を抱く)ことになるんだろうな、と。

バイト先に対して関心を抱く/愛着を持つというのは、対象がコンビニ・飲食店・小売店などという対象によって変わるものではなく、どんな対象に対しても、同等に抱くものだと思うんです。


おそらくバイトした学生さん、長く大学に関心を抱き、時々大学に顔を出し続けることになるでしょう。



これこそ、もっとも効果的なエンロールマネジメントかもしれません。


山大、要チェックです。



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2009年10月18日:2009年慶應連合三田会大会まで、あと237日
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2008年12月21日

駒大、資産運用問題で理事長を解任


いよいよここまで来たか、という感じです。



学校とはいえども「経営責任」を問われる時代が来ているようです。



そもそも、大学の収入は
 1)学生納付金
 2)補助金
 3)外部研究資金
 4)寄付金
 5)資産運用収入(利子)
 6)診療収入(病院がある場合)
ぐらいしか、構成要素らしい構成要素はありません。


しかも、上記の収入源の中で「大学が独自に頑張ることによって伸びが期待できる」ものは、実は4)か5)ぐらいしかありません。

1)は、そもそも学生定員もあるので、それ以上に増えることはないし(しかも今はそれを維持することで精いっぱいのことのほうが多い)、
2)は、政府のスタンス一つで総額が大きく変わり、
3)も、引っ張ってこれるだけの研究内容と先生の存在にかかっている。
6)に至っては、病院を持っている大学しか使えない。


となると、学校法人として組織的に努力できるのは4)と5)なわけです。
金額の割合はどうであれ、これは厳然たる事実です。


だとすれば、法人が打つべき手は「寄付金を出してくれる相手を探す」「資産運用をして収入を増やす」ぐらいしかなく、しかも前者はものすごく労力がかかる。

こうなれば、答えは一つですね。

適切な金融機関に依頼して、資産の運用を図るわけです。




悲しいかな。
これが今の大学の多くが置かれている状況です。




さて、これに金融危機が直撃。



どんなポートフォリオを組んでいてもここでマイナスにならない大学はないでしょうし(余程、現金でしか資産を保有していない大学は別ですが)、積極的に動いていた大学ほど、その代償を多く支払わざるをえなかったということでしょうか。



そして、この記事です。



駒大、理事長を解任 資産運用で154億円損失
《新聞記事:朝日新聞:12月19日》



記事はこのように伝えています。

kokokara------

 駒沢大学(東京都世田谷区)が資産運用で始めたデリバティブ取引で約154億円の損失を出した問題で、同大は18日、臨時理事会を開き、宮本延雄理事長を解任した。巨額の損失を出した経営責任を問われた。また、総長、学長ら4人の常任理事も辞意を表明した。

 大学の資産の運用に関する失敗で、トップが解任される事態は、極めて異例だ。

 駒大は損失穴埋めのため、キャンパスの土地建物や、野球部のグラウンドを担保に110億円の銀行融資も受けている。デリバティブ取引は理事会も了承したうえで行われており、大学側は先月17日に外部の弁護士をトップにした調査委員会を設置し、関係者から取引の経緯などを聞いていた。

 理事会関係者によると、今月16日付でまとまった調査委の報告書は、22人の理事のうち、理事長と、4人の常任理事の責任を「解任相当」と指摘。報告書を受けて開かれた18日の臨時理事会で理事長の解任手続きが取られた。宮本理事長は「損失を出す結果になって申し訳なく思っている」と話した。

 常任理事らも辞意を表明したが、「入試などを控えた時期に、学校法人の役員や、大学のトップが多数不在になるのは避けるべきだ」との判断から、当面留任することになった。ただ、入試や卒業式などが終わった後、任期途中で辞任する考えという。理事長代行は、常任理事でもある大谷哲夫総長が当面務めることになった。報告書は近く、文部科学省に提出する。

 このほか、理事会では、取引相手の外資系金融機関側を提訴すべきだという意見が出され、議論されたという。

 駒大は昨年7月以降、三つの金融機関と「通貨スワップ」などの取引を始めたが、金融危機の影響で評価損が拡大、今年10月末の解約処理などで154億5千万円の損失を出した。

 同大の昨年度末の資産総額は約940億円。現金預金は127億円だった。同大は「毎年の返済は減価償却額の範囲で可能であり、教育や研究への影響はない」としている。

 デリバティブ取引をめぐっては、南山大学などを経営する南山学園(名古屋市)が約34億円、愛知大学(愛知県豊橋市)が約28億円の損失を出したことが明らかになっている。


------kokomade


通貨スワップ等の評価損が発生し、154億円の損失処理。
この責任を取って理事長が解任。常任理事は時期(来年度開始後)に辞任予定とのこと。


事実として損失が発生していますから、その責任はとらざるを得ないでしょう。

やはり、経営とは結果責任です。

どんなに「よかれ」と思ってやったことでも、結果として損害を与えてしまうことになっては、思いを評価するわけにはいきません。




しかし、駒沢大学、次期の理事会の体制はどうするのでしょうか?

少なくとも今回の件で「関与がある」とされた常任理事の再任はないはずで、それ以外の方を選ばざるをえないはずですが、これだけのことが起こった後のことなだけに、その対応(新理事会)に注目です。





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2009年10月18日:2009年慶應連合三田会大会まで、あと301日
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2008年12月19日

愛知大が運用損確定




一昨日の新聞にこんな記事をみつけました。



愛知大も運用損28億円 「新キャンパス計画影響なし」
《新聞記事:朝日新聞:12月17日付》



記事には具体的にこんな感じです。

kokokara-----

学校法人愛知大学(愛知県豊橋市)が、資金運用のために始めたデリバティブ(金融派生商品)の取引で28億円の損失を出していたことが16日、分かった。数百億円かけて名古屋市笹島地区に12年春に新キャンパスを開く計画に影響はないという。

 大学によると、損失を出したのは07年に始めた「通貨スワップ」と呼ばれる取引。同大の場合、円―米ドル間で取引をしており、円高の進行で損失がふくらむ可能性が高くなったため解約を決めた。

 法人の08年3月現在の総資産は約545億円。03年度から始めた外国債券の購入など資金運用では35億円の利益を上げたという。

 八木隆明事務局長は「新キャンパスは予定通り12年4月に開校できる。現在の施設や教育内容が変わることもない」と話している。

 学校関係によるデリバティブ取引を巡っては、南山大学や高校などを運営する学校法人南山学園(名古屋市)が34億円の損失を出したことがすでに明らかになっている。

-----kokomade




この記事が17日付けなわけですが、この一日前、16日付で大学からの発表があったようです。




kokokara-----

資金運用による損失について(ご報告とお詫び)

在学生の皆様
保証人の皆様
卒業生の皆様
関係者の皆様

 このたび本学は、世界的な金融危機の影響により、資金運用において損失を発生する結果となりました。このことを深くお詫び申し上げますとともに、この間の経過についてご説明させていただきます。

 本学では資金運用の一環として2003年度よりデリバティブ(スワップ取引)を行っており、この間資産運用収入に一定の寄与をしてまいりました。過去10年間で資金運用収入は35億円となっています。

 ところが、本年9月以降の史上稀に見る外国為替相場・株式相場の大変動により、大学の運営に重大な影響を与える恐れがあることから、商品の一部を解約するとの判断に至り、学内機関及び理事会での承認を受けて解約を実施しました。今回の解約による損失は28億円です。

 この損失により本学の教育研究活動や学生サービスに支障をきたすことはございませんし、在学生の学納金(授業料、教育充実費等)を変更することもございません。また、新・名古屋キャンパス(ささしま)の開校や教学組織の再編といった大学の中・長期計画にも大きな影響を与えることのないよう努めてまいります。

 最後に、このような事態に至った事実関係の確認や責任の所在等については、現在、学校法人及び大学にて調査を行っております。今後とも健全な大学運営に努めてまいりますので、よろしくお願いいたします。

敬具

2008年12月16日
学校法人愛知大学
理事長 佐藤 元彦

-----kokomade



新聞記事と大学のプレスリリースを比較すると、面白いことが分かります。

運用資産総額:
 545億円(08年3月期)

資産運用収入:
 35億円(10年間の総額、一年平均3.5億円)
 【毎年の資金収支計算書による資産運用収入】
  12.8億円(08年3月期)
  6.9億円(07年3月期)
  4.3億円(06年3月期)
  2.5億円(05年3月期)
  1.7億円(04年3月期)
  1.7億円(03年3月期)
  1.4億円(02年3月期)
  1.1億円(01年3月期)
  0.9億円(00年3月期)

デリバティブを始めた時期:
 2003年度

通貨スワップ(今回の損失の主因?)を始めた時期:
 2007年度

損失額:
 28億円



愛知大学のウェブサイトに「愛知大学通信」という学園広報誌のページがあり、そこでは2000年5月まで遡ることができたので、そこで確認できた毎年の資産運用収入を見てみました。


運用資産総額も、おそらく少しずつ増えていってはいたのでしょうが、それにしてもここ最近の資産運用収入の「急激な」増収は、おそらくはデリバティブ、スワップの賜物だったのでしょう。


この勢いだと、08年3月期もかなりの資産運用収入をあげているので、この急激な相場変化でも「すぐに解約」というわけにはいかなかったでしょうね。


デリバティブ、スワップの類は、やはり一旦穴が開くと「大穴」になってしまうので、過去の資産運用収入をほぼ食い潰した形になったものの、今回の判断はなかなか良い判断だったのではないでしょうか?






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2009年10月18日:2009年慶應連合三田会大会まで、あと303日
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2008年12月11日

南山でもデリバティブ解約(26−34=▲8)


先月の駒澤大学の件から、最近新聞紙上を騒がせている、大学の資産運用損失問題。


どの大学でも、多かれ少なかれ同じことになっているのだと思いますが(そもそも市場全体がシュリンクしているわけなので、よほどリスクテイクしていない限り、この相場の中で買っている企業もないわけで)、「ニュース性」としては、大学自体が有名か、損失額が大きいと「ニュース」になってしまうのですね。




さて、今回は南山大学です。




しかし、先にお知らせしておくと、記事タイトルにもしたとおり、損失自体は軽微なものだったようです。


南山学園、デリバティブ取引で34億円損失
《新聞記事:朝日新聞:12月6日付》


名古屋の南山学園、デリバティブで34億円損失
《新聞記事:読売新聞:12月6日付》




朝日新聞の記事はこうなっていました。


kokokara-----

南山大学や高校、中学などを運営する学校法人南山学園(名古屋市昭和区)が、資産運用で始めたデリバティブ(金融派生商品)取引で、約34億円の損失を出したことが分かった。急激な為替変動の影響だという。

 南山学園の法人事務局によると、06年度の半ばからデリバティブで資産の運用を開始。急激な円高にならなければ利益が生まれる内容の取引を行った。07年度に15億円の収益を出すなど、これまで約26億円の利益があったが、最近の金融危機の影響による為替変動で損失が発生したという。

 11月下旬に臨時理事会を開き、取引の解除を決定。12月上旬に処理し、34億円の損失が発生した。過去の利益を差し引いた実質的な損失は約8億円になる見込み。

 法人事務局長の加藤忠夫理事は「ハイリスク・ハイリターンの取引で、リターンが期待できる見通しだったために取引を続けてきた。急激な為替変動は想定していなかった」と説明。そのうえで、「これまで多額の収益が出ており、学校運営や教育・研究などに影響はない。しかし、今後はリスク面に注意するなど、より慎重な運用に努めていきたい」と話している。

 大学が資産運用でデリバティブ取引を行い、金融危機の影響で失敗した例は、約154億円の損失を出した駒沢大学(東京都世田谷区)がある。
-----kokomade


06年度の半ばから運用をはじめ、これまで26億円の運用益を上げてきたものの、為替変動による損失が発生したため、12月頭に解約し、損失として34億円が確定した、ということらしいです。



差し引き8億円のマイナスですね。




ところが、大学の発表がややびっくり。



ここで普通であれば「他の評価損も・・・」という感じになるかと思うのですが。




資産運用に関する新聞報道について
《プレスリリース:南山大学:12月9日付》


kokokara-----

在学生の皆様
保証人の皆様
卒業生の皆様
関係者の皆様

南山大学長 ミカエル・カルマノ

資産運用に関する新聞報道について                      
 12月6日付中日新聞(朝刊)等に掲載されました南山学園の資産運用における損失につきまして、以下のとおりご説明いたします。
 新聞報道等については、デリバティブ(金融派生商品)の損失についてのみ記載されておりました。しかし、他の資産運用を含めると運用益が上回り、合計では、損失は発生しておりません。
 したがいまして、このことによる授業料の値上げなど、大学の運営、教育、研究活動への影響はありません。
 今後とも、一層の教育、研究の充実に努めてまいりますので、皆様のご理解、ご賢察のほど、よろしくお願い申し上げます。

以上
-----kokomade


な、なんと「他の資産運用を含めると運用益が上回り、合計では、損失は発生しておりません」とのこと。


しかし、この「発生していません」が当期分のみなのか、通算なのかは、ちょと謎。


ま、いずれ5月頃には決算の数字が発表されて分かる事でしょう。







大学の資産運用は、ハーバードのように、大学とは別個に堅固な資産運用会社(Harvard Management Company Inc.)を持っているところは例外で、ほとんどは外部の運用会社(銀行、証券会社等)に依存しているのが実態でしょう。

その中で「安全資産」で運用するのが鉄則だとは思いますが、そこからリスクを取りにいくと、やはりリターンもあれば、その逆もあるということなのでしょう。




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2009年10月18日:2009年慶應連合三田会大会まで、あと311日
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2008年12月04日

リンゴ大学

「大学」たるものの要件として「学位を授与することができる」ことがありますが、「学位を授与すること」をできなくても「大学」を名乗る組織・団体が稀にあります。

その一つが「コーポレートユニバーシティ=企業内大学」です。


一言でコーポレートユニバーシティと言っても、教育研修部門をとりあえず「看板を掛けなおした」程度のものから、それこそ、独自のキャンパス(土地)と教授陣を有し、そんじょそこらの「フツー」の大学が逆立ちしても叶わないくらいガッツリ作り込んであるところまで様々です。

著名な例としては、GEの「クロトンビル」でしょうか。

日本でも最近はそれなりの企業で設立されている例がいくつかあります。




さて、今日はその中でも、
「おぉ」という会社のコーポレートユニバーシティの話です。




それは、Apple。

そこが作るコーポレートユニバーシティは、Apple University。




さてさて、アップル。

やるときは、本格的にやるようです。


学長に招聘したのが、なんとエール大学ビジネススクールのトップ。


[WSJ] Appleが「Apple University」を計画
《報道記事:2008年10月23日:ITmedia news》


Yale MBA dean to found Apple University
《報道記事:2008年10月22日:cnet news》




学長のJoel Podolnyさんは年内いっぱいはエールにいらっしゃるようですが、そのあとはアップルで辣腕を振われるようです。


A message from Yale University President Richard C. Levin

A message from Yale SOM Dean Joel M. Podolny



日本で同じようなこと、起こらないでしょうね、現状だと。

現職の学部長が企業にスカウトされる。



イメージできないですね。



企業がその学部長に何を期待するか。

学問的専門性?
教授会の運営能力?
学生の管理能力?
寄付金の収集力?

果たして、日本の学部長は、どんな能力を持っているのでしょう・・・





おまけ:

Pixer University

ハンバーガー大学





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2009年10月18日:2009年慶應連合三田会大会まで、あと318日
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2008年12月03日

丸ごとアウトソース(たぶん)by青山学院


「選択と集中」という話を、企業の世界ではよく聞きます。


経営資源を有効に活用しようと考えたとき、「本筋ではない」業務・事業については整理・集約・売却・外部委託等をすることで、本来的に力を注力すべき事業に力を集約しようとするものです。




大学という組織も、「選択と集中」を考えるべき組織体の一つではあります。


なぜかと言いますと、
何と言っても、業務が多岐。
しかも一つ一つが、何となく専門性が高い。
でも、人数は少ない(基本的には中小企業規模)。


ということで、その中で人事ローテーションをかけようとしても、中途半端な能力の人材しか育てることができず、世の中の流れからどうしても遅れがちになったり・・・


そういうわけで、頼める部分は頼んだほうが効率的だったりするわけです。
それが「本来業務」でないのであれば・・・



たとえば図書館業務。(これ、私としては本来業務な気がするのですが)

大学図書館の委託事例報告 − 全面委託が始まった(PDF)
《発表情報:2004年12月3日:紀伊国屋書店》





そして、今日取り上げるのがIT関係業務。

これは、結構余地があります(と思います)。

そして、それを大々的に始めるところが出てきました。



青山学院です。


マイクロソフトと青山学院
「学校経営力の強化と国際競争力のある人材の育成を目指して産学で協同」記者会見
《プレスリリース:2008年12月1日:青山学院》


青山学院とマイクロソフトが、学校経営力の強化と国際競争力のある人材の育成を目指して産学で協同
《プレスリリース:2008年12月1日:マイクロソフト》




どうやら、青山学院はマイクロソフトから「1)ホスティング型の電子メール・サービス」「2)在学生・卒業生の情報管理システム」「3)在学生のアカウント管理システム」「4)アプリケーション仮想化技術」の4つのサービスを提供してもらうようです。



1)については、教育機関向けのホスティング型電子メール・サービスである「Microsoft Live@edu with Exchange Labs」(Exchange Labs)を、2009年4月からまずは教職員と青山学院大学の在学生の計3万人にアカウントを提供し、その後は対象を幼稚園、初等部、中等部、高等部、女子短期大学、大学院、保護者、卒業生へと順次拡大していくんだそうです。最終的には2009年秋ごろまでに計15万人の利用を目指すのだとか。
このアプリケーションは既に80カ国以上の数千校で利用されているようで、スムーズに導入されるでしょうし、これは卒業後へもシームレスのようなので、卒業生の把握も随分と楽になるのではないでしょうか。


2)については、企業向けのCRMソリューションサービスを教育機関向けに提供することになるようです。2009年6月から卒業生向けにサービスの提供を開始し、その後、幼稚園から大学・大学院までの在学生や、オープン・キャンパス参加者にまで対象を拡大していく予定だそうです。これが軌道に乗れば、在学生の入学時からの成績や出席状況、クラブ活動などを一元管理することが可能となり、効果的な学習・指導計画を立てられることになるんだとか。ちょっと怖いかも・・・


3)については、これまで設置形態別に別々のドメインを立てて在学生のアカウントを管理していたものを、一貫したアカウント管理に変更するそう。


4)については、ちょっとよく分からないのですが、発表資料によれば「App-Vの導入により,1台のPCで多言語の同一アプリケーションを同時に起動できる」とか。




餅は餅屋というべきか、さすがにマイクロソフト、フォローは手厚そうです。


これによって大学側はIT管理者やIT資産の大幅な軽量化を図れることになるのだとか。


IT管理者の業務軽減、これはすなわち担当者の人数減を意味することになるのでしょう。



とはいえ、すべてを外部に任せ切ってしまうのは考え物です。

導入当初こそ「なぜそうなっているのか」を理解している担当者が見ていることが多いですが、やがてその業務の意味を知らない世代が現れると、途端に「業者の言うがまま」になってしまいかねないからです。

ここが外部委託の難しいところですね。



主導権は維持しつつ、いかに仕事をしてもらうか。


大学職員には、新たな能力が求められています。





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2009年10月18日:2009年慶應連合三田会大会まで、あと319日
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2008年11月13日

いよいよ「学位プログラム」?


昨日、以下のような記事を見つけました。


大学全入時代 中教審、作業部会設置し具体策研究
《報道記事:読売新聞:11月12日付》




今は遡ること、約2ヶ月前の9月11日、時の福田政権の文部科学大臣:鈴木恒夫さん(私の元地元の代議士さん)が中央教育審議会に対して、以下のような諮問を行いました。

テーマは「中長期的な大学教育の在り方について」、
ポイントとしては
 (1)社会や学生からの多様なニーズに対応する大学制度及びその教育の在り方について
 (2)グローバル化の進展の中での大学教育の在り方について
 (3)人口減少期における我が国の大学の全体像について
というものでした。


2008年9月11日 中長期的な大学教育の在り方について(諮問)



さて、この諮問に基づいて中央教育審議会、特に大学分科会では13ものワーキンググループを組成し、議論を始めたとのことです。


13ものワーキンググループ、過去に例がありません。


どちらかといえば、審議会の議論というのは、大人数の会議で事務局(官僚)から原案が出てきて、それを土台に議論するというのが普通かと思います。(参加者が多くなれば、それだけ「叩き台」である官僚の作文が活躍する場面も多いわけで)



しかし、どうやら今回は「ワーキンググループ」という形で、かなり突っ込んだ議論をするような気配が漂っています。


具体的には、大学分科会の大学教育の検討に関する作業部会の下にワーキンググループが組成されるそうです。



そのワーキンググループは以下のとおり。

 ・学位プログラム      国内外の教育課程などの分析 

 ・通信制と通学制の大学   メディア活用教育のあり方など

 ・質保証システム      諸外国の設置基準などの分析 

 ・学生支援         学生の修学支援などのあり方 

 ・資料調査整理       様々な調査の新規企画と整理 

 ・大学グローバル化     国際競争力向上への取組分析 

 ・国際的な大学評価活動   国際的な大学ランキング分析 

 ・高等教育規模分析第1   大学進学率の国際比較など  

 ・高等教育規模分析第2   大学設置認可の現状などの分析

 ・全国共同利用       人的資源などの有効活用を分析

 ・地域の人材養成需要    地域の人材需要に関する分析 

 ・OECD教育の成果評価  学習成果の評価の専門的な調査

 ・専門的人材養成のあり方  医療系人材などの論点整理など



これまでの審議会での議論が「枠組み論」であったとすれば、今回のワーキンググループでの議論は、かなり「具体論」になりそうです。



要注目です!





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2009年10月18日:2009年慶應連合三田会大会まで、あと339日
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2008年10月19日

あの手この手の寄付金集め


先日の「2020年に2000億円」に引き続き、また寄付金のお話を。

(今日行ってきた「慶應讃歌グランドコンサート」の報告は明日以降に)




2008年5月19日に発表された日本総合研究所による調査によると、

「大学への「満足度」が高い人、「誇り」を持っている人は、母校へ「寄付」をする確率が高い」そうです。


大学に関する意識調査
《調査報告:日本総合研究所:2008年5月19日》



この調査の最後にもあるのですが、
「大学に満足している人の76%、大学に誇りを持っている人の74.8%が寄付をしたことが「ない」と回答している」
らしいのです。


理由は色々あると思います。



寄付の手続きが面倒くさかったり、
寄付控除税制が整っていなかったり、
寄付をする大学そのものに魅力がなかったり等々・・・



さて、このうち最後の「魅力がなかったり」については、大学ごとに様々な努力を始めているようです。



聖徳太子の掛け軸・納骨の権利…個人寄付に大学「特典」
《新聞記事:朝日新聞:2008年10月1日》




ここに例として挙がっている龍谷大学では、
 ・500万円以上:浄土真宗の大谷本廟への納骨の権利
 ・100万円以上:桐箱に入った聖徳太子像の絹製掛け軸
 ・50万円以上:学歌が鳴るオルゴール
 ・30万円以上:特製名刺入れ
という対応をしているようです。


東京大学では、
 ・1億円以上:特別栄誉会員
 ・1千万円以上:栄誉会員
 ・500万円以上:特別貢献会員
 ・100万円以上:功労貢献会員
 ・30万円以上:貢献会員
 ・10万円以上:賛助会員
の称号を授与し、貢献会員以上は安田講堂の銘板刻印・総長主催パーティへの招待、栄誉会員・特別栄誉会員には記念プレート(ゴールド、プラチナ)贈呈ということになっています。



記事にも大阪大学の例として金銀銅の顕彰プレートを大阪大学・中之島センター入口に掲示しているとのことです。累計500万円以上なら金、100万円以上で銀、50万円以上で銅、ということで「『もっと良い色に』と寄付へのモチベーションを高めることも狙いの一つ」だそうです。



まさに手を変え、品を変え、ですね。




あ、そうそう、わが義塾ではどうなっているかといいますと、
 ・1万円以上:『三田評論』・「ウェブ芳名帳」への掲載
 ・50万円以上:新記念館(2010年秋竣工予定)への銘板掲示
 ・150万円以上:未来先導館への銘板掲示
となっています。
これとは別に大型寄附をしていただけるとこんなことに。

 



追伸:
ちなみに、上記の朝日新聞の記事を執筆した記者、私の大学時代の同期です。
同期の活躍をこのような形で見ることができるのはウレシイものです。



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11月8日:「創立150年記念式典」まで、あと20日
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2008年10月18日

●●の常識は世の非常識?


当たり前といえば当たり前なのですが、「普通の人」にとっては、その人の人生において自身が通うことになる大学は、大抵の場合一つであることは自明か、と。


そうなると、その通った大学の常識が、自身の常識となるわけで。


そして、ある日、その「常識」が「世の非常識(世の常識と違う)」であることを知り、ショックを受けるわけです・・・



以前、大学院で行った「東京大学」の事例研究の際に、東大では成績表が二枚あることを知り、院生一同ビックリしたこともありました。(駒場の教養学部と、本郷の専門学部でそれぞれ成績表を出すそうで)




さて、今日はそれがわが身に降りかかってきました。

知りませんでした。

他がそうじゃなかったってことを。


成績表:親に通知当然!? 国立・有名私大で増えてます 「留年防止、説明責任」
《新聞記事:毎日新聞:10月7日付》


どうやら、保証人宛に成績表を送っていたのは例外だったようです。

新聞記事いわく「慶応大が50年以上前から通知しているが、〜(中略)〜近年、通知を決めた大学も少なくない。」だそうで。



通知状況は以下の通りだそうです。(新聞記事から抜粋)
《○:全学部、△:一部の学部で成績通知、×は未実施》
  北海道大  ○
  東北大   △
  宇都宮大  ○
  筑波大   ×
  埼玉大   ○
  東京大   ×
  一橋大   ×
  千葉大   △
  横浜国立大 △
  名古屋大  ×
  和歌山大  ○
  京都大   ×
  大阪大   ×
  三重大   △
  神戸大   △
  九州大   検討中
  早稲田大  △
  慶応大   ○
  法政大   ○
  上智大   ○


しかし、△というのがあるのも不思議な気がします・・・
さすが「学部自治」とでもいうところでしょうか。





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11月8日:「創立150年記念式典」まで、あと21日
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