2008年02月17日

図書館のカスタマイズ

【今日のランチ】
叙々苑游玄亭(有楽町マリオン店)


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先日、気になる新聞記事を見つけました。


大学図書館の蔵書、学生が選ぶ 西日本の大学に広がる
《報道記事:「朝日新聞」2月9日付》



最近の大学図書館では「ブックハンティング」なる活動があるようです。


簡単に言うと
「図書館員ではなく学生が、独自の視点で予算の範囲内で図書館に収めるべき本を選定する」
ということになるのでしょうか。



-----ここから記事-----
大学図書館が購入する本の一部を学生たちに書店で選んでもらう「ブックハンティング」が、西日本の大学を中心に広がっている。ベストセラー小説や旅行ガイド、実用書など、これまでの大学図書館にはあまりなかった本が次々と蔵書に加えられている。インターネットで簡単に資料を調べられるようになるなか、図書館離れを食い止めるとともに、大学の魅力づくりに役立てたいというねらいもあるようだ。

 高松市内の大型書店で1月上旬、高松大と系列の高松短期大の学生7人が「ブックハンティング」に参加した。短大秘書科2年の藤原詩織さん(19)が選んだのは「『もうひとりの自分』とうまく付き合う方法」。「就職活動中なので、将来を不安に思うことも多い。背中を押してくれる本に目がいきます」

 学生たちは手にした携帯端末で気に入った本のカバーに表示されているバーコードを読み取っていく。「予算」は1人あたり3万円で、漫画やグラビア写真集など「大学図書館にそぐわない」もの以外は自由。選んだ本のデータは書店のコンピューターに転送され、チェック後に一括して発注される仕組みだ。

 高松大は年間3千冊の購入図書の大半を教員や図書館の司書が選んでいた。年間貸出冊数はここ数年、約1万冊で頭打ち。学生の「もっと読みたい本を入れてほしい」という声を反映しようと、図書館関係者が集う研究会で知ったブックハンティングを導入した。

 1月のブックハンティングでは約150冊を購入。数学や経済などの専門書のほか、映画化された「クローズド・ノート」(雫井脩介)、テレビドラマ原作の「鹿男あをによし」(万城目学)などのベストセラー小説がずらり。旅行ガイド「地球の歩き方」なども並ぶ。高杉和代・図書課長は「柔軟な本選びができた。これを機に利用者が増えてくれれば」と期待する。

     ◇

 ブックハンティングの“元祖”とされるのが、大阪産業大(大阪府大東市)。98年秋、大産大図書館が選んだ「選書モニター」の学生8人が府内の大型書店で約640冊を選び、蔵書に加えたのが最初だという。

 07年は留学生を含む26人が参加し、約1100冊を購入した。学生が選んだ経済関係の蔵書を見てみると、「ヤバい経済学」「ミリオネーゼの起業入門」など目を引くタイトルの本が多い。

 渡辺正宏・綜合図書館次長(61)によると、貸出冊数が前年比1.6倍に増えた年もあり、効果は表れているという。

 00年以降、阪南大(大阪府松原市)、神戸学院大(神戸市)、帝塚山大(奈良市)も導入した。

     ◇

 国公立大学にも昨年からブックハンティングが広まっている。大阪大付属図書館が昨年12月に実施した「学生選書ツアー」では、米国の作家ジョン・アービングの「また会う日まで」など約400冊を蔵書に加えた。

 阪大図書館の学生利用者数は02年度に88万5849人だったのが06年度は77万1103人で、年々減少している。04年の国立大学法人化を機に大学間で特色の競い合いも盛んなだけに、担当者は「学生のニーズもつかめる。サービスを拡大することで独自性を発揮していきたい」と意気込む。

 ほかにも岡山大、佐賀大、愛媛大などが07年に相次いで始めている。

 筑波大大学院図書館情報メディア研究科の永田治樹教授(図書館情報学)は「日本の大学図書館は欧米と違って授業との結びつきが薄く、学生が足を運ぶ回数が少ない。ブックハンティングは、学生の図書館利用の足がかりとして意義がある。学生のニーズを反映させながら、教育に必要な図書を充実させていけるかが課題だ」と話す。

-----ここまで記事-----



と、まぁ、学生を意識的に図書館に結びつける取り組みのようですが、正直な感想としては「最近はそこまで「学生に手を差し伸べる必要」があるのか」ということです。


図書館、そして図書館の本というのは「学術的」であることがまず重んじられていると同時に「図書館員が選定する(学生は関与できない)」ということで、敷居が高いのは紛れもない事実でしょう。


し、しかし、です。


大学という場が、学生にとって学問を学ぶ場である時に、教員と接触できない時間において、その「学び」を実現してくれる場としての図書館は、とても重要な位置を占めていると思います。

その図書館を、一握りの専門家(図書館員)だけに託しておくのは、なんとモッタイナイことでしょう。

自分から「学びを形づくる」ためにも、もっと図書館(に収蔵される本)を積極的に「つくる」ことを仕掛けていくべきではないでしょうか。





もう10年近く昔になりますが、
私は図書館によく購入希望を出しまくっていました。

購入希望図書申込




自分で買うには高すぎる本、これを置いておいてもらえると便利だなと思える本については、
「これから出る本」(日本書籍出版協会)
をチェックして、
欠かさず図書館に購入希望を出していました。


(今から冷静に考えると、随分と「学生らしからぬ」行動だったなぁとも思いますが)


どれだけの希望が採用されたかは今となっては覚えていませんが、
予算ありで選定ができたら、どんなに面白かったことか・・・




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【今日(2月17日)は何の日】
『蝶々夫人』がミラノ・スカラ座で初演(1904)、ハワード・カーターがエジプトの王家の谷でツタンカーメンの王墓を発見(1925)

【今日が誕生日】
シーボルト(1796)、森鴎外(1862)、梶井基次郎(1901)、白洲次郎(1902)、岸谷香(1967)

【今日が忌日】
後嵯峨天皇(1272)、モリエール(1673)、ジェロニモ(1909)、平賀讓(1943)、坂口安吾(1955)



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2008年02月16日

Google VS Yahoo, 大学へ

【今日のディナー】白金劉安(ちなみに飲んだのは「金のスープ」)


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最近、マイクロソフトがグーグルに対抗するために、ヤフーに買収提案をしたのは皆さんご存知かと思います。


実は、グーグルの勢いは、いまや検索の世界だけのことではないんです。大学関連でも着々と進出を図っています。


昨年既にブログで何度か書いているように「Google書籍検索」では、世界の主要大学の図書館と提携しています。
 ・Google書籍検索プロジェクト(2007年2月7日付けブログ)
 ・Googleブック検索参加(7月21日付けブログ)
 ・コーネルも参加。(2007年8月11日付けブログ)
 ・Googleで読む福澤諭吉(2008年1月13日付けブログ)


これだけではなく、現在グーグルでは「Google Apps」というホスティング型アプリケーションサービスを大学に提供しようとしており、既に日本大学での導入が始まっています。
 ・日大×Google(2007年4月7日付けブログ)



さて、なんでこんな前置きがあるかということですが、それはGoogleのライバルであるヤフーが同様のアプリケーションサービスを始めることが分かったからです。



教育機関向け「Yahoo!メール」、採用第1号は早稲田大学に
《報道記事:「ITpro」2月13日付け》


早稲田大学における「Yahoo!メール Academic Edition」の導入について
《プレスリリース:「早稲田大学」2月13日付け》


「Yahoo!メール Academic Edition」が早稲田大学にて導入決定
《プレスリリース:「ヤフー」2月13日付け》



自前でシステムを持つ形ではなく、サービスプロバイダー(この場合はヤフー)のリソースを使うことによって、安価で迅速なサービス提供が可能となるのでしょう。

サービスの提供主体は大学外にあるわけですから、システム的な面での専門性は大学には期待されず、大学側ではヤフーがきちんとサービスを提供しているか監督するだけで良いということになります。



一般企業でもそうですが、本業特化という流れの中で必ずしも本業ではなかったり、あるいは他企業と共用できる分野については、外部資源の活用(アウトソーシング)が図られることになります。

この早稲田によるヤフーのケースはまさにこれに当たるのではないでしょうか?


記事によれば、
-----ここから記事-----
ヤフーは2008年2月13日、同社の教育機関向けメールサービス「Yahoo!メール Academic Edition」が早稲田大学で導入されることが決まったと発表した。2008年夏頃を予定しており、同サービスを導入する最初の教育機関となる。

 Yahoo!メール Academic Editionでは、「***@yy.大学名など.jp」という学校独自のドメインで、在学生やOB/OG、教職員にメールアドレスを無料で付与する。同時に「***@yahoo.co.jp」のアドレスも付与し、どちらも利用できるようにする。メールボックスの容量は1GBになる。

 早稲田大学では在学生と教職員合わせて7万人にメールアドレスを配布する予定。今後、すでに卒業しているOB/OGに対しても住所が判明している卒業生50万人にも配布する予定だ。また、在学生はそのアドレスを卒業後も使い続けられる。

 大学側は特にサーバーやシステムを用意する必要はなく、原則無料。現在利用しているメールシステムに生徒の入学や休学などを管理するツールを組み込むだけで利用ができる。なお、学生が在学中の場合と教職員向けには広告を表示しないが、OB/OGが利用する場合は広告を表示する。

 ヤフーのソーシャルネット事業部企画部リーダー堀下剛司氏は「高校では携帯電話の利用が主かもしれないが、大学に入りパソコンを使う機会は増える。そのときのファーストメールにしてもらい、かつ生涯メールになれば理想」としている。

 こうした教育機関向けのメールサービスは、グーグルやマイクロソフトも手掛けている。早稲田大学はヤフーのサービスを選んだ理由について、「3社を比較検討したが、秘密保持契約とサービス品質保証契約が結べることが大きかった。また、それ以外のサービスの提案もしてもらったことも魅力を感じた」としている。

-----ここまで記事-----
とのことだそうです。


記事の最後の「3社を比較検討した」というのが、現在のコンピュータネットワークを巡る競争を端的に示していますね。




大学という組織は「自治共同体」としての歴史が長かったため(ないしはそうであることが概念的に正しいことであると思われているため)、全ての機能を内製化しようとしがちです(それゆえに存在する地域からすら孤立してしまうのですが)。

これからの時代において、大学が自分たちで本当に注力すべき部分は何か、そして注力する必要がないものについてはどの外部資源を活用するか、その峻別をするべき時期にきつつあるようです。


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【今日(2月16日)は何の日】
菅原道真が大宰府へ向けて出発(901)、ネルー首相が連邦議会で「第三世界」の結集を訴え(1953)、キューバ首相にカストロが就任(1959)

【今日が誕生日】
日蓮(1222)、狩野永徳(1543)、藤堂高虎(1556)、松平忠輝(1592)、荻生徂徠(1666)、大隈重信(1838)、安田靫彦(1884)、金正日(1942)

【今日は忌日】
西行(1190)、徳姫(1636)、阿茶局(1637)、高橋景保(1829)、青木周蔵(1914)



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2008年02月04日

ロースクール:アフターケア

【今日のランチ】
酉十郎(銀座5丁目、ニューメルサ7階)


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今日、久しぶりに文部科学省のウェブサイトを見に行ったのですが
(文科省はこの1月から丸の内の仮庁舎から虎ノ門に戻っています)、1月28日付けの報道発表として
「法科大学院設置計画履行状況調査の結果等について(平成19年度)」
という情報が掲載されていました。



現在の日本の法科大学院は「専門職学位課程」という制度に拠っており、一般の大学院(修士学位課程)とは別の制度となっています。
その最大の違いは「専門職ごとに設立された認証評価機関から、質的な保証(認証評価)を受ける」ことにあります。
この認証評価は専門職学位課程では5年に一度実施されることになっています。

で、今回発表されていた設置計画履行状況調査(アフターケア)は、上記の認証評価とは違い、
「各法科大学院の教育水準の維持・向上及びその主体的な改善・充実に資することを目的として、文部科学省令および告示に基づき、文部科学省が、設置認可後、当該認可時における留意事項(設置基準の要件は満たしているが、一層の改善・充実が必要と認められた事項)、学生の入学状況、教育課程の編成・運営状況、教員組織の整備状況その他の設置計画の履行状況について、各法科大学院から報告を求め、書面、面接又は実地により調査するもの」
となっています。
簡単に言ってしまうと、設置を許可した文科省が、のちに行われる予定の認証評価の前に「親切にも」事前に課題を指摘してあげよう、という制度です。


というわけで、この「ご親切」な調査結果がリストとして出ていたわけですが、面白い傾向があったので、ご報告を。



<対象>
今回の調査の対象となったのは「昨年度のアフターケアで留意事項が付されていた法科大学院(36大学)」と「本年度に完成年度を迎える法科
大学院(6大学)」の合計42大学院でした。


<結果>
・今回も留意事項が付された大学院:23校
・留意事項が付されなかった大学院:19校


<一覧>
大学院の名前の横に●が付いているのが、留意事項が付された大学院です。
(国立)
●筑波大学大学院 ビジネス科学研究科 法曹専攻 40
●東京大学大学院 法学政治学研究科 法曹養成専攻 300
新潟大学大学院 実務法学研究科 実務法学専攻 60
●信州大学大学院 法曹法務研究科 法曹法務専攻 40
●静岡大学大学院 法務研究科 法務専攻 30
●京都大学大学院 法学研究科 法曹養成専攻 200
●大阪大学大学院 高等司法研究科 法務専攻 100
島根大学大学院 法務研究科 法曹養成専攻 30
岡山大学大学院 法務研究科 法務専攻 60
九州大学大学院 法務学府 実務法学専攻 100
●鹿児島大学大学院 司法政策研究科 法曹実務専攻 30
(公立)
●大阪市立大学大学院 法学研究科 法曹養成専攻 75
(私立)
●北海学園大学大学院 法務研究科 法務専攻 30
東北学院大学大学院 法務研究科 法実務専攻 50
●白鴎大学大学院 法務研究科 法務専攻 30
●駿河台大学大学院 法務研究科 法曹実務専攻 60
青山学院大学大学院 法務研究科 法務専攻 60
慶應義塾大学大学院 法務研究科 法務専攻 260
●成蹊大学大学院 法務研究科 法務専攻 50
専修大学大学院 法務研究科 法務専攻 60
●大東文化大学大学院 法務研究科 法務専攻 50
東海大学大学院 実務法学研究科 実務法律学専攻 50
東洋大学大学院 法務研究科 法務専攻 50
神奈川大学大学院 法務研究科 法務専攻 50
関東学院大学大学院 法務研究科 実務法学専攻 60
●桐蔭横浜大学大学院 法務研究科 法務専攻 70
山梨学院大学大学院 法務研究科 法務専攻 40
愛知大学大学院 法務研究科 法務専攻 40
●愛知学院大学大学院 法務研究科 法務専攻 35
●中京大学大学院 法務研究科 法務専攻 30
●名城大学大学院 法務研究科 法務専攻 50
●京都産業大学大学院 法務研究科 法務専攻 60
立命館大学大学院 法務研究科 法曹養成専攻 150
龍谷大学大学院 法務研究科 法務専攻 60
●大阪学院大学大学院 法務研究科 法務専攻 50
●関西学院大学大学院 司法研究科 法務専攻 125
甲南大学大学院 法学研究科 法務専攻 60
●神戸学院大学大学院 実務法学研究科 実務法学専攻 60
●姫路獨協大学大学院 法務研究科 法務専攻 40
広島修道大学大学院 法務研究科 法務専攻 50
●久留米大学大学院 法務研究科 法務専攻 40
西南学院大学大学院 法務研究科 法曹養成専攻 50


<傾向>
具体的な留意事項については文科省のサイトをご覧いただければと思いますが、
平成19年度 法科大学院設置計画履行状況調査 留意事項
留意事項を斜め読みしていて気づいたことをいくつか。

・大規模大学院が「クラス規模が大きすぎる」との指摘を受けている(東京、京都)
・専任教員の年齢構成の偏り(恐らく老年の教員が多い)について指摘を受けている大学院は、たいてい小規模の新興大学院(北海学園、駿河台、大東文化、大阪学院)
・FDについての取り組み不足を指摘されている大学院にあまり傾向はない(筑波、信州、静岡、愛知学院、神戸学院、久留米)




これらの法科大学院のほとんどは平成16(2004)年、平成17(2005)年に開設されていますから、2009年、2010年にそれぞれ初めての認証評価を受けることになります。


とはいえ、この「アフターケア」を見て思った、根本的な疑問が一つ。



あれ、他の分野の専門職大学院にこんな取り組みって準備されてたっけ?


うーん。


無い気がする。


アフターケアの説明にも「各法科大学院の〜」という言葉から始まってるし。



専門職大学院制度は、欧米のプロフェッショナルスクール(アカデミックスクールに対置する)を目指して作られた制度なわけですが、実際には法科大学院(ロースクール)のためだけのもののようです・・・



他の大学院はどうなるんだろう・・・




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【今日(2月4日)は何の日】
聖武天皇即位(724)、足利義政が慈照寺観音殿(銀閣寺)の造営を始める (1482)、江戸幕府が赤穂浪士46名に切腹を命じる(1703)、日露戦争開戦が決定(1904)

【今日が誕生日】
毛利輝元(1553)、前島密(1835)、チャールズ・リンドバーグ(1902)、山下達郎(1953)、石破茂(1957)

【今日が忌日】
セプティミウス・セヴェルス(211)、平清盛(1181)、高山右近(1615)、保科正之(1673)、秋山眞之(1918)、林銑十郎(1943)、人見東明(1974)


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2008年01月18日

小平からの挑戦者、千駄ヶ谷に現る

皆さんご承知のことと思いますが、東京都小平市には著名な大学が二つあります。

ひとつは一橋大学、そしてもう一つは津田塾大学です。


一橋大学は、前期2年が小平で後期2年が国立という形だったのですが、国立キャンパスを整備し、学生は基本的に4年間を国立で過ごすようになってしまいました。そして小平はグラウンドその他に・・・


今でもそうですが、一橋と津田塾は一緒にサークルや各種学生活動を行うことが多く、両校のお名前をモジッて「ひとつだ」とさえ呼ばれています。



さて、その、小平に取り残されていた津田塾が、ひょんなことから都心進出を果たすことになったようです。


津田塾大学が千駄ヶ谷に新キャンパスを開設(東京)
《新聞記事:読売新聞1月16日付け》


千駄ヶ谷新キャンパスの開設について
《大学関連ニュース:津田塾大学:1月16日付け》


津田塾大学 千駄ヶ谷に新キャンパス開設
《プレスリリース:津田塾大学:1月11日付け》



津田塾は、その同窓会が設立した「財団法人津田塾会」が、これまで実施してきた英語教育事業が経営不振に陥っているため、その財団法人を解散し、その残余資産を大学が吸収することで、大学が千駄ヶ谷にキャンパスを持ち、大学ブランドで新たに英語教育を展開することになるのだそうです。


新聞記事を仔細に読んでみると・・・
《ここから記事》
津田塾大学(小平市)は、4月から都心に新キャンパスを開設する。同大の同窓生らでつくる「津田塾会」が3月末で解散するのに伴い、同会が土地や建物などの財産を同大に寄付し、それらが「千駄ヶ谷キャンパス」として利用される。同大は「都心で便利。情報発信の拠点にしたい」としている。

 同会は1905年発足の同大同窓会が母体。47年に財団法人として認可され、子どもや大人を対象とした英語塾、ビジネス英語などを教える専門学校を運営してきた。だが、英会話学校増加による競争激化や少子化の影響で生徒の減少が続き、多い時には400人を超える入学者がいた専門学校も、近年の入学者は十数人にとどまっている。

 こうした経営状況に加え、公益法人(財団法人や社団法人)に対する税制優遇措置を公益性の高い法人に限るよう改めた公益法人制度改革関連法が施行されると経営が悪化しかねないとして、解散が決まった。

 寄付される土地は約7300平方メートル。建物は津田ホール(地上4階、地下1階、延べ面積4600平方メートル)、本館(地上5階、延べ面積5100平方メートル)、別館(地上3階、延べ面積500平方メートル)。JR千駄ヶ谷駅前という好立地で、同大はここに社会人向けの英語教員養成を目的とした研究科開設を検討している。

 このほか、同会が開いていた英語塾を引き継ぐ形で、大学独自の教育プログラムを交えた英語のオープンスクール開設や、子どもから大人まで参加できる生涯教育講座の開設などに活用する考えだ。小平キャンパスでの講義を移す予定は、今のところはないという。

 飯野正子学長は「都心にキャンパスを持てればと願っていた。小平は都心から遠いので、千駄ヶ谷キャンパスでは、社会人たちが夜や休日に学べるコースを設けたい」としている。

《ここまで記事》



確かに学長さんとしては、願ったり叶ったりというところではないでしょうか?


18歳人口の減少は、都心にある大学への集中化を生んでおり、郊外型の大学は苦戦を強いられていることは想像に難くありません。

これは特に80年代の多摩地区への移転をした中堅大規模大学に多く言えるわけですが、「都心から遠い」「女子大学」である津田塾も、その流れに乗ってしまっていると言えるでしょう。

今や優秀な女子学生は早慶へと進学することが多くなり(おかげで義塾の女子学生比率は上がっていますが。ちなみに早稲田だと国際教養学部の誕生がそれに火をつけた形でしょうね)、教育の質に定評がある(あった?)津田塾であっても時代の波に逆らうことはなかなか難しいと思われます。



という状況下での千駄ヶ谷。


これは大きい。


プレスリリースにもあるように「学部および大学院の授業を実施」
できる拠点が都心に、しかも大規模に確保できたんですから。




今回は、同根の法人(学校法人・財団法人)同士の「吸収合併」案件であるわけですが、同根ではない法人同士の案件は、いつ本格化するのでしょうか?

あ、共立薬科@芝は同根ではないですね(苦笑)。


追伸:
今回の一連の記事を見ていて、慶應連合三田会会長でる服部禮次郎さんが、学校法人津田塾大学の理事長であることを初めて知りました(汗)。





【今日(1月18日)は何の日】
藤原頼通が関白に就任(1020)、 大坂冬の陣で和議が成立(1615)、ヴェルサイユ宮殿でヴィルヘルム1世がドイツ皇帝に即位、ドイツ帝国が成立(1871)、李承晩ラインを宣言(1952)

【今日が誕生日】
モンテスキュー(1689)、鈴木貫太郎(1868)、石原莞爾(1889)、全斗煥(1931)衣笠祥雄(1947)、ビートたけし(1947)

【今日が忌日】
後朱雀天皇(1045)、足利義持(1428)、稻村三伯(1811)、牧野富太郎(1957)



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2008年01月14日

作った後こそ問題なのに・・・専門職大学院

簡単に一般化してしまうことの危険性を認識したうえで書きますが、どうも「作ることだけに気を取られて、作った後のことを考えていない」のは、この国の悪い癖なのでしょうか。


専門職大学院 生き残りへ…問われる教育の質 専攻の4割定員割れ
《新聞記事:東京新聞1月12日付け》



専門職大学院は、現行の修士課程に対置する形で2003年に始まった新しい大学院制度です。
これまでの修士課程大学院とは異なり「高度な専門職を養成する」ことをその目的とし、当該専門職の認証評価機関から5年に一度の適格認証を受けることが義務付けられています。

さて、その専門職大学院が認証評価を受ける前から、さっそく危機に直面しているようです。

ここから記事-----
高度な専門的知識を身に付けた職業人の養成を目的に、二〇〇六年四月までに開設した国公私立と株式会社立の「専門職大学院」四十九校計六十六専攻(法科大学院を除く)のうち、約四割に当たる二十五専攻が定員割れになっていることが十二日、文部科学省の調査で分かった。

 募集人員の半数に達していないのも七専攻あった上、分野による定員充足率のばらつきもあり、文科省は「要件が整っていれば設置を認可するが、設置目的や教育内容の質が社会の要請に応えられなければ生き残りは難しい」と指摘している。

 定員割れだった専攻数は、分野別に見るとビジネス・技術経営(MOT)が二十八専攻のうち九専攻(32%)、会計が十四専攻のうち四専攻(29%)、公共政策が七専攻のうち二専攻(29%)。一方、公共衛生や知的財産、原子力、映画、ファッションなど「その他の分野」は計十七専攻のうち十専攻(59%)が定員を満たしていなかった。

 定員充足率が50%未満の七専攻のうち、その他の分野が五専攻を占め、ビジネス・MOT、公共政策がそれぞれ一専攻ずつだった。充足率75−99%は十三専攻、50−74%は五専攻だった。

 志願倍率で見た場合、一倍未満だったのは定員割れの専攻数より八つ少ない十七専攻だったことから、文科省は「大学院側も単に定員確保に走るのではなく、一定のレベルに達しない学生は入学させないという意識もうかがえる」と分析する。

 六十六専攻の学生数は計約六千人。ビジネス・MOTの計約千七百人のうち90%を社会人が占めた。約半数が三十代で、現在の仕事やキャリアアップに結び付く専門的知識を求める傾向を示した。一方、会計などそれ以外の分野では社会人の割合は31−43%にとどまり、資格取得や修了後に就職を目指す人が中心の二十代が半数以上だった。

品質に差あり当然
 大学院改革に詳しい立川涼・元高知大学長(環境化学)の話 専門職大学院の中には本来の趣旨と異なり、単に資格取得だけを目指す専門学校と変わらないカリキュラムを組んでいるところもある。教育の品質という面で大きな差があり、定員割れの専攻が生まれるのは当然の結果だ。今後は淘汰(とうた)される大学院も出てくるだろうから、学生はよく吟味して入学先を決める必要がある。高等教育の改革は重要なのに、国の設置基準はルーズ。一定の教育水準を保つ仕組みを考えなければ、専門職大学院という制度そのものが存在意義を失ってしまう。

<専門職大学院> 会計士や弁理士、製品の研究開発技術者など高い専門性が求められる仕事を担う人材の育成を目指す大学院。従来の大学院のような学術的な研究に加え、社会で実践する知識や技術を学ぶ教育内容になっている。実務経験者を教員として配置するのが特徴で、中教審の提言を受け、2003年度にスタートした。標準修業年限は2年。司法試験制度改革に伴う法科大学院や、08年度からスタートする教職員大学院も専門職大学院の一種。

-----ここまで記事



今回の定員割れ、ちょっと考えるだけでも、すぐに原因のいくつかが思いつきます。
1)従来よりも簡単な設置認可。
2)「専門職」市場の予測の低さ。
3)「バスに乗り遅れるな(専門職大学院を作り遅れるな)」の安易な姿勢。
などなど。


とはいえ、この事実は、一方で良い傾向かなとも思っています。

それはなぜかと言えば
「大学も、気を抜くと潰れることがある」
という事実を厳然と突き付けてくれているからです。


もはや「大学全入時代」と言われ、いつ大学が倒産してもおかしくない時代になってきています。


大学本体を「本業」とするのであれば、いわば専門職大学院は「多角化事業」と言えるでしょう。

本業は過去の蓄積や取引実績があるため、まだ体力がありますが、勢いで進出した多角化事業には、ノウハウも十分ではないため、本気で取り組まない限り、傷を深くするだけでしょう。

とはいえ、そこで「退く」決断ができるかどうか。


大学「経営者」としての、冷静な判断が求められつつあります。





【今日(1月14日)は何の日】
カサブランカ会談(1943)、マリリン・モンローが元プロ野球選手のジョー・ディマジオと結婚(1954)、第三次佐藤栄作内閣が成立(1970)

【今日が誕生日】
狩野探幽(1602)、永田鉄山(1884)、福田赳夫(1905)、三島由紀夫(1925)、細川護熙(1938)、田中眞紀子(1944)

【今日が忌日】
高倉天皇(1181)、徳川光圀(1701)、高島秋帆(1866)、アンソニー・イーデン(1977)


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2007年11月21日

歴史の長さは争えません・・・

来年義塾は創立150年を迎えるわけですが、その説明をする場合には「日本の近代総合学塾として最も古い」というマクラコトバを付けることがあります。


なぜ、このマクラコトバを付ける必要があるのか。


その理由は簡単です。


もっと歴史の長い大学があるからです。



例えば、種智院大学。
大学ウェブサイトの「沿革」のページを見ていただければ一目瞭然ですが、種智院大学の起源は弘法大師空海が開いた綜藝種智院(828年)まで遡ります。
 ・種智院大学沿革


「大学」という言葉を歴史に捜しに行こうとすれば、それは大宝律令によって成立したとされている「大学寮」にまでさかのぼることができます。
 ・大学寮(ウィキ)



さて、なんでこんな話を書いているかといえば、こんな記事を見つけたからです。


蘭米からも来賓迎え記念式典 長崎大医学部150周年
《新聞記事:長崎新聞11月11日付け》


具体的な記事の中身はというと:
西洋医学教育発祥、長崎大医学部創立百五十周年の合同記念式典が十日、長崎市坂本一丁目の同大医学部であった。日本西洋医学教育創始者のオランダ軍医ポンペの祖国にあり、同大と学術交流協定を結ぶライデン大など国内外から約五百人が出席。ポンペの精神「医師は病める人のもの」を原点に、さらなる大学の発展、医学の進歩を願った。

 江戸時代末の一八五七年十一月十二日、ポンペが長崎奉行所内の医学伝習所で医学を教えたのが、日本西洋医学教育の起源。その日が長崎大医学部の創立記念日になっている。医学部は明治以来一万人以上、戦後五千人以上の卒業生を送り出している。

 式典で河野茂学部長は「長崎大は日本最古の西洋医学の歴史がある一方、世界唯一の被爆医科大という悲しい歴史があり、人類のため放射線の研究に取り組んでいる。地域に貢献し、最先端の医学を世界に発信したい」と式辞。日本医学会の高久史麿会長は「ポンペは『医師は病める人のもの』という本質で、医師を育てた。今、果たすべきものを考えさせてくれる」と述べた。

 来賓を代表し、駐日オランダ大使のアルフォンス・ハーメル氏は「百五十周年は過去と今日、未来を見据える機会を与えてくれた」、金子知事は「本県医療の中核機関としての役割に期待する」と祝辞。齋藤寛学長が「世界トップレベルの教育を展開し、社会に貢献したい」とあいさつし、締めくくった。

 記念講演では、ノーベル賞受賞者の米国の科学者、スタンレー・プルシナー氏が「プリオンと神経変性病」、国際司法裁判所判事でライデン大教授の小和田恒氏が「幕末期の日本と洋学」と題して語った。

 同日夜、同市宝町のベストウェスタンプレミアホテル長崎で記念祝賀会があり、出席者は医学部の将来に期待を込め乾杯した。


この場合、長崎大学という大学全体ではなく単一の学部(医学部)のこととはいえ、2007年現在で言えば、東大の130年よりも、早稲田の125年よりも、義塾の149年よりも長い歴史を持つわけです。


敬服します。




【今日(11月21日)は何の日】
藤原基經が関白に就任(887)、三田綱町球場にて早稲田大学野球部と慶應義塾大学野球部の対抗戦(慶早戦の起源)(1903)

【今日が誕生日】
藤原(九條)頼嗣(1239)、ヴォルテール(1694)、曾國藩(1811)

【今日が忌日】
日蓮(1282)、フランツ・ヨーゼフ1世(1916)、橋本龍伍(1962)


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2007年11月14日

部分最適と見るか、全体最適と見るか

先週の土曜日に130周年記念式典を開催した東京大学ですが、ここに来て、動きが激しくなっています。


前回のブログで、
東大が博士課程を実質無料に
《ブログ:2007年10月8日付け》

という話を書きましたが、またやりました、東大が。


東大が低所得家庭の授業料免除 地方大に危機感広がる
《新聞記事:産経新聞11月10日付け》



記事はあとで全文を掲載しますが、これ、正直悩みますね。

「日本の知的レベル全体」という観点から考えると、分散していたまま教育をするよりも、どこか一箇所で集中するというほうが、多分に効率的ではあります。多様性は多少下がりますが。

一方「個別大学の戦略」という観点で見た場合、あまりにも「特権的地位の濫用」ともいえる所業にも映ります。これでかかる予算額(約1億円)よりも、こういう制度が存在する大学であるという魅力が、東大への一極集中を招き、特に地方の知的レベルの低下・劣化に繋がりかねません。一個の国立大学法人だからといって、他を蹴散らすようなことをしても良いのでしょうか?


とはいえ、昨日の世界大学ランキングなども考えた場合、東大も「日本のトップ」というだけでは「井の中の蛙」に近いという認識なのでしょう。


一つの活動を、どんな視点から見るかで、全然景色が変わりますね。


さて、我が義塾はどう対応しましょうか。


新聞記事:
東京大学は来年度から、新たな授業料減免制度を導入し、国立大で初めて家庭年収400万円未満の学生の授業料を一律無料にする。金銭的問題から東大進学をあきらめる学生に門戸を広げ、優秀な“頭脳”を確保するのが狙いだ。京都大や大阪大は「同様の制度を導入する予定はない」と静観の構えだが、財政難に頭を悩ませる地方の国立大は「地元に残ろうと思っていた学生まで奪われてしまうかも」と危機感を募らせている。

 東大によると、新制度は学部生を対象に授業料53万5800円を免除。入学金(28万2000円)は免除されない。

 これまでの減免制度は、世帯収入からさまざまな特別控除額を引いた金額が基準額を下回った学生が対象だった。自宅・下宿や家族の人数の違いで基準額が異なる複雑な算定方式のため、簡素化した新制度を導入した。現行制度も残すという。

 東大で授業料を全額免除されている学部生は全学部生の3%未満の370人(平成18年度)。新制度の適用を受ける学生は現在より1、2割程度増え、予算の負担も約9000万円増えるとみている。担当者は「財源は節電などこまめな節約で捻出(ねんしゅつ)する」という。


 大学の負担が増える思い切った東大の新制度導入に対し、今年度までの東大と同様の減免制度をもつ京大や阪大は「興味はある」としながらも、現時点で追随はしない。

 その理由について、全額免除の学部生が4.7%の阪大は「(東大の新制度は)これまで免除対象だった学生が免除を受けられなくなる可能性が出てくる」、京大は「すでに独自の免除枠を設けている」と説明するが、いずれも財政難の中、新たな負担増を避けたいのが本音のようだ。

 さらに深刻なのが地方の国立大。寄付金集めが難しく、産学連携でも地理的に不利な地方大は都市部の大学よりも財政的に厳しいからだ。

 中国地方のある国立大関係者は「財政的に豊かな東大だからできた取り組み。このままでは、経済的に地元の大学しか行けないと考えていた優秀な学生が東大に持っていかれてしまうかも」と話す。

 別の中国地方の国立大担当者は「授業料免除になったからといって全員が東大を目指すとは思わない」としながらも、「東大ほど予算が潤沢にあればわが校でもやりたい」と打ち明ける。

 今後の見通しについて、大手予備校関係者は「地方の優秀な学生の『狙い打ち』が東大の本当の目的だろう。今のところ、新制度によって東大志望に変えるのは各県で1人程度。入学までの経済格差が変わらないのに、入学後の免除だけで多くの学生に効果があるのか疑問」という。

 一方、教育評論家の尾木直樹法政大教授は、家庭年収1000万円以上の学生の大学進学率が61%だったのに対し、400万円以下は34%にとどまったとする東大の調査結果を指摘。「経済格差が進学を決めており、今回の東大の取り組みには賛成。財政的に東大と同じ制度の導入が難しい地方大に対しては、国の支援を検討すべきだ」と話している。





【今日(11月14日)は何の日】
後三年の役が終結(1087)、徳川光圀が隠居(1690)、濱口雄幸首相が狙撃される(1930)

【今日が誕生日】
クロード・モネ(1840)、 ブトロス・ブトロス=ガーリ(1922)、力道山(1924)

【今日が忌日】
舍人親王(735)、ヘーゲル(1831)、金田一京助(1971)、三木武夫(1988)



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2007年11月13日

大学サミット。果たして並べるのか??

来年は義塾創立150年。

というのは皆さんご存知かと思いますが、
来年、もう一つ、日本で重要なイベントがあります。

「北海道洞爺湖サミット」です。

1975年にフランスのランブイエで開かれて以来、今年で32年目となるサミットは、いつの間にか「先進国首脳会議」から「主要国首脳会議」と性質を変えていますが、いまだ日本外交のハイライトと位置づけられている舞台です。


さて、この33回目となる来年の「北海道洞爺湖サミット」では、首脳会議等と合わせて「G8大学サミット」を開催する計画が進んでいます。

「大学サミット」 札幌開催決定 参加40校前後に
《新聞記事:北海道新聞11月10日付け》


記事によると、
北大など国内の主要十四大学は九日、北海道洞爺湖サミットに連動した「G8大学サミット」を来年六月三十日−七月一日に札幌市内で開催すると発表した。サミット参加のG8各国のほか、中国、インドなどの主要大学の学長が一堂に会し、「持続可能な社会の確立」をテーマに議論を深める。参加大学は四十前後になる見通し。

 国内からの参加は、北大と東大、京大など国公立十大学と、早稲田、慶応など私立四大学で、八日に運営会議(議長・小宮山宏東大学長)を設立した。北大の佐伯浩学長が実行委員長(運営会議副議長)に就き、受け入れの中核を担う。

 海外からの参加大学は決まっていないが、G8は一カ国二大学程度、中国とインド、韓国、南アフリカ、ブラジルなど各国から一大学程度とし、年内に運営会議が各大学に対して学長出席を打診する。

 当日は、環境保全のための大学の役割についても議論し、宣言文を採択する方向で、運営会議がさらに内容を詰める。


ということだそうです。


日本から参加するのは、国立大学10大学と私立4大学で、他の国が各国2大学ずつだそうですが、「ホームの特権だな」と思ってしまいます。

なんといっても、つい先日発表された英国タイムズ紙による「世界大学ランキング」の結果を思い出してしまうからです。

世界大学ランキング

200位までだと、日本で一番ランキングが高い東大が17位、次が25位の京大、以下、大阪大(46位)、東工大(90位)、東北大(102位)、名大(112位)、九大(136位)、北大(151位)、慶大(161位)、早大(180位)、と続くわけです。

ランキングの功罪については様々な意見がありますが、それはひとまず置いておいて、こう見ると「こんなランキングが低い大学が、世界の著名な大学のホストが務まるのか」とちょっと心配になってしまいます。


とはいえ、逆に言えば、世界に「日本に○○大学あり」と存在感を示せるチャンスなわけで、頑張ってほしいものです。





【今日(11月13日)は何の日】
コッホがツベルクリン療法を発表(1890)、高橋是清内閣発足(1921)、ハワード・カーターがツタンカーメンの棺を開ける(1925)

【今日が誕生日】
アウグスティヌス(354)、岸信介(1896)、ウーピー・ゴールドバーグ(1949)

【今日が忌日】
エンリケ航海王子(1460)、天海(1643)、ロッシーニ(1868)



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2007年11月11日

1110:東京大学130周年記念式典

昨日11月10日は、東京大学のホームカミングデー兼130周年記念式典でした。

東京大学創立130周年記念式典


残念ながら昨日は
午前:人間ドック
午後:IDEセミナー
夕方:学部ゼミOB会
と、見事なまでにスケジュールが埋まってていたため、出席はできなかったのですが・・・


記念講演等に参列した大学院同期の情報によると、会場となった安田講堂は聴衆で充ち溢れ、天気の悪さも気にならないくらいの盛況だったようです。



とはいえ、なんで「130」なんでしょう??

いまだにこの謎は解けていません・・・




【今日(11月10日)は何の日】
安政の大地震(1855)、第一次世界大戦終結(1918)、ワシントン会議始まる(1921)

【今日が誕生日】
乃木希典(1849)、ジョージ・パットン(1885)、鳩山威一郎(1918)

【今日が忌日】
藤田東湖(1855)、渋沢栄一(1931)、長谷川如是閑(1969)


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2007年11月07日

周年行事@東北大学

来年は、皆さんご存知のように、われらが義塾の創立150年の年ですが、今年2007年も様々な大学で記念の年にあたっているようです。


先日も早稲田大学で125周年の記念式典が行われていましたが、

早稲田大学125周年記念事業


今度の土曜日は東京大学の130周年の記念式典(ホームカミングデーと同時開催)が予定されています。

東京大学130周年記念事業



で、今日取り上げるのは「3番目に設立された帝国大学」である東北大学です。

東北大学


東北大学は1907年(明治40年)に設立され、今年100周年の記念すべき年を迎えた大学です。
ちなみに(全くの個人情報ですが)、私が現役時代受験した学校でもあります(汗)。


さて、その東北大学がこの100年の間に収集してきた「至宝」を公開する展覧会を開催しているようです。
場所が仙台なのがちょっと残念ですが、河口慧海が集めたチベット仏教に関する資料など、かなりマニアックなものも展示されているようです。

蓄積100年、珠玉の資料 東北大学の至宝展開幕
《新聞記事:河北新報11月2日付け》



ちなみに12月11日、東京・大手町の日経ホールで100周年記念のセミナーが開催されるようです。

東北大学100周年記念セミナー

お時間ある方は是非。



【今日(11月7日)は何の日】
足利尊氏、建武式目制定(1336)、10月革命成立(1917)、国会議事堂落成(1936)、

【今日が誕生日】
ルイ18世(1755)、キュリー夫人(1867)、トロツキー(1879)

【今日が忌日】
トルストイ(1910)、ゾルゲ(1944)、エレノア・ルーズベルト(1962)


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2007年11月05日

バリエーションはどこまで?


580。

これ、何の数字だか分かりますか?

ちなみに91年当時は「29」だったのですが、2007年までにこんなにまで増えました。





正解は「学士号」の種類です。



いやぁ、驚きました。まさかここまで増えているとは。


学士号急増580種 文科省、ルール化検討へ
《新聞記事:朝日新聞:11月4日付け》


1991年の大学設置基準の大綱化までは学士号は29種類と決まっていたわけですが、大綱化を機に専攻名の縛りがなくなり、それ以降際限なく増えてきてしまっているというわけです。

記事は:
 「カルチュラル・マネジメント学」「情報アーキテクチャ学」「人間環境マネジメント」――。いずれも大学の学部を卒業すると得られる学士号の専攻名だ。その数は少なくとも580で、6割は全国で一つしかない。文部科学相の諮問機関、中央教育審議会などは「名前から何を学んだのか分かりにくく問題だ」などと指摘。文科省は専攻名がこれ以上むやみに増えないよう一定のルールを設ける検討を始めた。

 専攻名が急増したきっかけは、91年の大学設置基準の大綱化だ。文学士や法学士など29に限られていた専攻名の縛りがなくなった。折しも少子化が進み、各大学は受験生を集めようと新しい学部や学科を次々と設置。カタカナを使った長い名前も多く出現し、それを専攻名に使うケースが増えた。

 00年開学の公立はこだて未来大(北海道函館市)のシステム情報科学部には情報アーキテクチャ学科がある。卒業すると、学科の名前そのままの専攻名が付いた学士号が与えられる。担当者は「コンピューター技術を用いて新しいメディアを提供する情報手段の構築者を『情報アーキテクト』と名付けた」と話す。

 しかし、最近、こうした専攻名を問題視する意見が目立ってきた。大学評価・学位授与機構の濱中義隆准教授は「各大学が特色を出そうと工夫するのはいいが、社会や受験生がそこで何を学べるのか分からない専攻名は問題だ」と話す。

 中教審は現在、全国唯一の専攻名を使う場合は、設置申請の際に既存の専攻名との違いを大学に説明させることなどを、文科省の役割に位置づけるよう提言することを目指して議論している。ただ、自主性を重んじる大学の学問領域にかかわる問題だけに、国によるルール作りに慎重な意見もある。同じ理由で、現状から数を減らす議論には至っていない。文科省は、日本学術会議や各学会とも連携してルール作りに取り組む方向で検討を始めた。


結局のところ、新設学部学科の独自性を打ち出すために専攻名をそのまま学士号として使っているというところに帰結するようです。


欧米の例がすべて良いとは限りませんが、欧米では学士号は「Bachelor of Arts(B.A.)」と「Bachelor of Science(B.Sc.)」の2種類が原則のはずです。ただ、この使い方そのものも微妙に国や学問分野、大学によって違っているので、日本と事情は似ているところもありますが、大抵は「B.A.」が「学士課程教育修了の証」になっているわけです。


日本の場合も、今でこそ「なんでもあり」な状況になっていますが、そもそもの自由化の意図は、戦前の名残で「学部段階で専門学問領域について教授する」という発想で成立していた学部の権威を表現していた「○○学士」全29種類を、アメリカ型の「一般教育を基調とする学士課程教育」へと学部の位置づけ再設定するための「学士(●●)」だったはずです。

とはいえ、政策担当者や当初の意図よりも「現実の要請」のほうが強力らしく、今の状況になってしまったようです。


「誰が悪いのか」や「この現象が良いのか悪いのか」の判断を下すことはなかなか難しいですが、大学人の「識見の高さ」を感じるのは難しいですね。

最後は国に頼らなければいけない状況になりつつあるというのも「大学/学問の自治」を標榜していることを考えると、ちょっと悲しいです。





【今日(11月5日)は何の日】
坂上田村麻呂を征夷大将軍に補任(797)、イギリスで名誉革命始まる(1688)、東京・神田旅籠町に伊勢屋丹治呉服店(現在の伊勢丹)が開業(1886)、パリの自由の女神像の除幕式(1889)

【今日が誕生日】
石川一郎(1885)、猪木正道(1914)、アート・ガーファンクル(1942)

【今日が忌日】
狩野元信(1559)、本居宣長(1801)、清浦奎吾(1942)


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2007年11月02日

ハコをいじらないと教養じゃないのか?

さて、ここ最近、大学は「教養」ブームのようです。


早稲田が04年に国際教養学部を、
上智が06年に比較文化学部を国際教養学部を、
桜美林が文、経済、国際の3学部を「リベラルアーツ学群」に、と。

そして「元祖教養」の国際基督教大学が、来年2008年度から学部内の学科を廃止し31の専修分野(メジャー)に再編するそうです。


育め「広い教養」 「専門」の枠超える試み続々
《新聞記事:朝日新聞10月23日付け》



さて、ココで疑問。
日本の大学って、そんなに「専門」を教えてましたっけ?
そんなに「教養」、教えてませんでしたっけ?


これは、どの大学で学んだかによってニュアンスが違ってくると思うので一概には言えないのですが、本当の意味で専門特化した学問分野だけを集中して学ばせるような文系学部って、ほとんどないと思うんですよね。

むしろ4年間のうちの前半の2年は、自分が所属する専門学部の領域とは離れた分野のことを学んでますよね?


私自身は「法学部政治学科」に在籍していたわけで、自分自身としても「政治学を学んだ」と認識してはいますが、それはあくまで軸を構成する部分であって、実際には幅広くいろいろなことを学んだ記憶があります。
とはいえ、これは政治学科が他学部他学科の科目を履修しやすいカリキュラム構造にあったという環境要因も寄与していますが、私自身、文・経・法・政・商・医・理工・SFC(総環)と、その当時あった学部が設置した科目をすべて履修したりしていました。



さて「教養」に話を戻しますが、最近の動きは結局のところは「大学としてのマーケティング」の観点と、「カタカナ学部のネーミングの限界」が行き着いたところなんじゃないかと思っています。

そもそも大学なんて、将来学者になることを志す一部の学生を例外として、ほとんどの学生は「専門分野」を学んでいるのではなく、専門分野を通じた「学問の作法」を学んでいるわけで、その作法を学ぶためのフィールドが学部別に分かれているというだけだと思っています。

むしろ、専門学部に分かれているのは多分にそこで「生活」している教員のためである部分が強いのであって、学生にとっては(特に文系学部)、ほとんど意味をなしません。

別に他の授業に潜ったとしても咎められるわけでもないし、むしろ「大学」という空間だからこそ、「自分にとっての教養」を形づくる機会がふんだんに用意されているのではないでしょうか?

むしろ、その「(自分が考える)自分にとっての」が「(大学が考える)自分にとっての」になってしまっては、それこそ「教養の押し付け」になってしまうのではないでしょうか?


もっとも、こんな考え方をする力が学生から失われつつあるという議論も根強くありますけどね・・・・





【今日(11月2日)は何の日】
読売新聞創刊(1874)、石井・ランシング協定/バルフォア宣言(1917)

【今日が誕生日】
マリー・アントワネット(1755)、良寛(1758)、横山大観(1868)
1877年 - アーガー・ハーン

【今日が忌日】
藤原道綱(1020)、立花道雪(1585)、平田篤胤(1843)、オールコック(1897)



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2007年11月01日

地元自治体との連携の新しい形

昔、大学は「大学の自治」として、その存在する地域からも隔絶した形で存在していました。
大学が自分の町にあることは、むしろ町にとっては厄介なことで、そこにいる学生が町を荒らしたりということが、中世にはよくあったそうです。


さて、とはいえ、そんなことは今は昔。

まぁ、もっとも日本の大学でも60年安保ぐらいまでは、学生と町が対立していた時期もありましたが。


今はどうかというと、大学はむしろ地域活性化の起爆剤と目されるようになり、大学の招致が一般化し、大学と町の蜜月の時代が訪れていると言ってよいかもしれません。

しかし、内実をよく見てみると「大学」があることは地域に一定の影響は与えていても「学生」と「町」との関係は、必ずしもそうはなっていないようです。


さて、こんなことを改めて考えさせてくれる記事を見つけました。

官学で国際連携 仙台市・東北大・米リバサイド市・UCR
《新聞記事:河北新報10月26日付け》


仙台市と国際姉妹都市の米国リバサイド市、東北大、カリフォルニア大リバサイド校(UCR)の4者が25日までに、自治体や大学の垣根を越えた新たな連携を目指す共同宣言を採択することで合意した。姉妹都市間、大学間の2つの交流軸を相互に補完し合うことで、例のない国際的な「官」と「学」との多重連携に発展させる考えだ。

 仙台市の梅原克彦市長とリバサイド市のロナルド・ロバリッジ市長、井上明久東北大総長、レザ・アバスチャンUCR学長代理が11月1日、東北大片平キャンパス(青葉区)で宣言に調印する。

 共同宣言により、(1)仙台、リバサイド両市の交流に関する両校の学術的見地からの助言(2)両校学生の交換留学とインターンシップ、スポーツ・文化・芸術交流に対する両市の支援(3)4者の国際的な官・学の連携による街づくりや環境分野への貢献―などが期待される。

 今年4月、東北大の米国代表事務所(カリフォルニア州)の開所1周年記念式典で4者関係者が顔をそろえ、前例のない多重連携に向けた準備を進めていた。

 仙台市とリバサイド市は、1957年に姉妹都市を締結し今年が50周年に当たる。ロバリッジ市長をはじめとするリバサイド市の訪問団約20人が、10月末から仙台市を公式訪問。これに合わせて共同宣言に調印する。

 カリフォルニア大は、米国内に10のキャンパスを持つ世界有数の総合大学。東北大とは90年、包括的な学術交流協定を結んでいる。UCRは学生数が1万人を超え、半導体技術や環境分野の研究が盛んという。

 東北大の庄子哲雄理事(研究・国際交流担当)は「共同宣言で、4者すべてが成果を得る『Win・Win(ウィンウィン)』の関係を目指す。将来的には、両市の産業界も巻き込んだ連携に発展させたい」と話している。



日本とアメリカの自治体と大学の四者が、それぞれのwin-winを目指して包括的な提携にチャレンジするそうです。

「大学と大学」「自治体と自治体」という二者間の提携話はよく聞くのですが、まとめて四者というのは初めて聞きました。

今回の例が可能になったのは、それぞれの大学が、その地域で主導的な地位を占めている存在であるというのも影響しているかもしれませんね。


今後の展開が楽しみです。



【今日(11月1日)は何の日】
印紙条例可決(1765)、オスマン帝国滅亡(1922)、マーストリヒト条約発効(1993)

【今日が誕生日】
夢窓疎石(1275)、萩原朔太郎(1886)、いかりや長介(1931)、ジョン・カビラ(1958)

【今日が忌日】
山背大兄王(643)、藤原広嗣(740)、徳川宗春(1764)、橋本左内(1859)


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2007年10月30日

一体、本当はいくら必要なのか?

皆さんは、大学の学費、いくらだったか、誰が出してくれたか、覚えていらっしゃいますか?


私の認識が正しければ、日本では多くの大学生が、自分自身ではなく家計(親)が学費の支出主体になっているはずです。しかもその資金源は、現金か親が教育ローンを組むことによって捻出しているはずです。しかも額自体も、そこまで高いということはない(特に文系)。


一方、アメリカはというと、大学生自身が大学や奨学金から資金援助を得たり、本人自身の名義で銀行でローンを組んだりということが多いと言われています。しかも、文系であっても学費が高い!


さて、なんでこんなことを書くかといえば、こんな記事を見つけた方です。


米大学の学費が上昇 学生の4分の3が資金援助受ける
《報道記事:CNN10月23日付け》


記事の内容はというと:
米国の4年制私立大学における2007─08年度の学費が前年から6.3%上昇し、平均で2万3712ドル(約272万円)に達したことが、米大学関連団体のまとめで判明した。

米国の大学や短期大学、各種学校などが加盟する非営利団体カレッジ・ボードが22日に、各大学の授業料や寮費などをまとめた報告書を発表した。

4年制私立大学では、学費2万3712ドルのほか、その他の必要経費を含めると、前年から5.9%高い3万2307ドル(約370万円)が必要となる。

4年制公立大学の場合、学費は前年比6.6%高の平均6185ドル(約71万円)で、寮費など必要な総額費用は前年から5.9%高い1万3589ドル(約155万5000円)。2年制公立大学の学費は前年比4.2%高の2361ドル(約27万円)だった。

また、4年制大学の学生のうち、約4分の3が奨学金や税制優遇策などを受けていることがわかった。学生の40%が政府による学生ローン、21%が大学の奨学金を受けている。

4年制大学に在学する学生が受けている奨学金などの平均援助資金額は、私立大生が9300ドル(約106万円)、公立大生が3600ドル(約41万円)。これらの援助資金により、実質の学費が私立大で約1万4400ドル(約165万円)、公立大で約2600ドル(約30間年)に抑えられている。

カレッジ・ボードによると、2005年の大学生のうち、4年制公立に通学する割合は47%だった。4年制私立には23%が通い、2年制公立には22%が在学している。


アメリカでは、そもそも1年間の学費が270万近くするわけですが、それに対して平均して100万円近くの資金援助を獲得することで、実質的な学費を抑えているわけです。

270万。

日本だと文系学部4年分ですね。

取り返そうという気にするには十分ですね。


良いかどうかは別として、教育を提供する側と需要する側に緊張関係を構築するには十分な額ですね。



アメリカ並みに突き抜けないまでも、日本においても「提供する価値」に即した学費を設定する(その代わりに資金援助の道も同様に設けるわけですが)ところが出てくるでしょうか・・・


奨学制度(慶應義塾)




【今日(10月30日)は何の日】
「教育勅語」発布(1890)、歌舞伎座が漏電の為に全焼(1921)、ラジオドラマ『火星人来襲』の放送でパニックに(1938)

【今日が誕生日】
松平信綱(1596)、雍正帝(1678)、ドストエフスキー(1821)、ポール・ヴァレリー(1871)

【今日が忌日】
光明天皇(1654)、芹沢鴨(1863)、尾崎紅葉(1903)、アンリ・デュナン(1910)


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2007年10月22日

ICUが変わる

ICU、集中治療室ではありません(苦笑)。国際基督教大学(International Christian University)のことです。


さて、私が学生時代に所属していたサークル(模擬国連委員会)はインカレだったこともあり、ICUの友人も多いのですが、このICUが来年、大幅に仕組みを変えるんだそうです。


教学改革
《ICU》


ここに出ているポイントは
6学科を廃止し、メジャー制へ移行する
31のメジャー(専修分野)がある
メジャー選択は一つとは限らない(メジャー/マイナー)
の3つですが、一言で言えば「アメリカ型の学部教育スタイルを貫く」ということになるのでしょう。


これについて朝日新聞に記事があったのですが

文系・理系、選択は入学後 ICU、来年度から新制度
《報道記事:朝日新聞10月15日付け》


記事によると、

国際基督教大学(ICU、東京都三鷹市)が来年度から、新入生全員を特定の学科などに所属させず、2年次の終わりに所属を決める新制度を導入する。「(進路を)決めてから入る」から「入ってから決める」への転換で、文系、理系を問わず幅広く進路を選べるようになる。同大学が売り物とする教養教育を充実させるのが狙いで、全学的に徹底するのは国内の大学では珍しい。

 ICUは、学部は教養学部の一つだけで、1学年の定員は620人。現在は人文科学、理学、語学など六つの学科があり、各学科に定員がある。入学試験は教養学部として一本で実施しているが、受験生は第1志望と第2志望の学科をあらかじめ選んでおき、合格時に所属学科が決まる仕組みになっている。

 新制度では学科を廃止して文学、経済学、法学、物理学、心理学、言語学など31の専修分野に再編する。入学時には所属を決めず、様々な分野の基礎科目を2年間学んだ後、自分に合った専修分野を決める。分野ごとの定員はなく、学生は希望通りの分野に進むことができる。

 入学後の学科変更はこれまでも認められていたが、様々な条件があり、それほど簡単ではなかったという。幅広い知識を身につけられるよう、新制度の専修分野は一つに限らず、二つの分野をほぼ対等に学んだり、一つを主、一つを副として学んだりすることもできるようにする。

 ICUの日比谷潤子・教学改革本部長は「入学後に試行錯誤でき、ある分野が自分に合わない場合も簡単に分野を変えられる。より幅広い分野を学ぶことも可能になる」と話している。


ということだそうです。


このスタイルを完遂しようとするときにおそらく問題になるのは「メジャー間での人数のバランスが偏ったときにどうするか」だと思います。
大学院時代にペンシルバニア大学の事例研究の際に聞いた話では、教員側の再教育期間を設けるなどして「ドイツ語」→「ヨーロッパ地域研究」などというように学生の興味・状況に対応する措置をとっているとのことでした。
ICUではいったい、どうするんでしょう?

あとは「卒業単位が学科から学部に拡大するため、これまでの学科別卒業生との縦の結びつきが弱くなることにどう対応するか」でしょうか。
一学年300人強の学生数なので杞憂かも知れませんが「君の学科、どこ?」という会話ができなくなるのは、ちょっとモッタイナイ気がします。




【今日(10月22日)は何の日】
平安遷都(794)、ケネディ米大統領がキューバ海上封鎖を表明(1962)、ローマ教皇にヨハネ・パウロ2世が即位(1978)

【今日が誕生日】
リスト(1811)、ロバート・キャパ(1913)、朱鎔基(1928)、カトリーヌ・ドヌーヴ(1943)

【今日が忌日】
ポール・セザンヌ(1906)、中原中也(1937)、アーノルド・J・トインビー(1975)


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2007年10月14日

これを企業では業務提携と言う

さてさて、大学の世界にもヒタヒタと迫ってきているようです。


合従連衡の時代が。


大学学部の共同設置が可能に
《報道記事:フジサンケイビジネスアイ10月14日付け》



さて、記事はというと:

文部科学省は13日、国公私立を問わず、複数の大学が共同して学部や大学院研究科を設置できるようにするため、来年の通常国会に学校教育法改正案を提出する方針を決めた。

 少子化で大学間の生き残り競争が厳しくなる中、「共同設置学部」などが可能になれば単独での学部新設よりも費用負担を軽減でき、小規模な地方の大学でも先端科学領域の研究に取り組めるメリットがある。

 文科省は2009年度から共同設置の申請を受け付け、翌10年度からの入学を認める計画だ。

 協定を結んだ大学間で単位を取得できる「単位互換制度」はあるが、共同設置学部は認められていないかった。このため、法改正では共同設置を認める条項を新設。設置基準も見直して特例を設け、大学同士が協力して必要な教員数を満たせばよい規定にする。


ということらしいです。


しかもポイントは「国公私を問わず」というところ。


どこまで文部科学省が考えているかどうかはわかりませんが、これは新設だけではなく既設にも適用されるのでしょうか?

そうなると、ですよ、
例えば(あくまで「例えば」です)

横浜市立大学と横浜国立大学が、それぞれの法人格はそのままに、各学部を共同設置にしてしまうと「横浜大学」が出来たりするようになるのでしょうか?


さてさて、これから、もっと面白くなりそうです。
経営的には。

ただ、ビジネスゲームとして面白い、というのでは意味がありません。

大学を学びの場として選んでくる学生にとっても、その場で教育・研究を営む教員にとっても、意味のある形にならなければ。

ますます大学人のセンスが問われそうです。




【今日(10月14日)は何の日】
ヘースティングスの戦い(1066)、大政奉還(1867)、東京タワー竣工(1958)

【今日が誕生日】
陸羯南(1857)、正岡子規(1867)、ドワイト・アイゼンハワー(1890)

【今日が忌日】
藤原泰衡(1189)、最上徳内(1836)、レナード・バーンスタイン(1990)


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2007年10月08日

東大が博士課程を実質無料に

さてさて「世界の東京大学」は、やることが違うようです。


東大、博士課程の授業料「ゼロ」・頭脳流出歯止め狙う
《報道記事:日本経済新聞9月29日付け》



新聞記事をそのまま転載しますと:
東京大学は来年度から、大学院博士課程に在籍する学生(約6000人)の授業料負担を実質ゼロにする方針を固めた。国立大では初の試みで、財源に約10億円を充てる。欧米や中国の一流大との“頭脳獲得競争”が激化する中、国内外の優秀な学生を招くには奨学制度の抜本的な充実が不可欠と判断した。

 東大によると、博士課程の授業料は年52万800円。在籍する約6000人のうち約3500人はすでに各種の奨学金や研究奨励金を得ており、残る約2500人から休学者を除いた約1700人の支援財源として約10億円を経費節減などで工面。1人当たりの支給額は約58万円で、授業料を賄える計算だ。


ということだそうで。


気になることが・・・
かなりキビシメに言うと「博士課程在籍者はその全員が無料となる対象のレベルなのか」
ということです。

私自身、修士課程に(働きながらですが)通っていたこともあり、大学院に通う方たちがどのような境遇にあるのかもある程度は理解しているつもりです。

ただ、最近の「大学院重点化」で起きている現象は「大学院生の量は増えているけど、質が維持されているとは限らない」ということです。
また、博士課程まで進める門戸が広くなったことによって、博士課程以後に「社会」との接点が後ろ倒しにされ、大学院生に「社会人力」をつける機会が後退してしまうことです。

「全員」というのが気になります、とっても。

将来を見据えて「優秀な人材に限って」ということであれば、まだしも、全員となってしまうと、歪みが出るのではと。




【今日(10月8日)は何の日】
シカゴ大火(1871)、閔妃事件(1895)、蒋介石が中国国民政府主席に就任(1928)

【今日が誕生日】
カール10世(1622)、宮澤喜一(1919)、マット・ディモン(1970)

【今日が忌日】
徳川宗春(1764)、ヴィリー・ブラント(1992)、ジャック・デリダ(2004)



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2007年10月07日

よ、太っ腹!日本財団さん

お金は、いくら持っているかではなく、どのように使うかでその価値が決まるものです。

100円でも、
自分が飲み物を買うために使うか
100円玉に愛を込めて
に使うか
で、その価値は大きく変わるでしょう。


さて、
我が国の競艇の胴元である日本財団(旧:日本船舶振興会)が、その収益金の「良い」使い道を見つけたようです。


英大学に講師ポスト、日本財団が日本研究者の育成策
《報道記事:読売新聞10月5日付け》


記事は:
日本財団(笹川陽平会長)は4日、英国における日本研究促進のため、オックスフォード、ケンブリッジなど12大学で、現代日本研究の講師ポストを設立すると発表した。

 今後5年間で、約250万ポンド(約6億円)の支援を行う。

 英国の大学生の間では、マンガの流行などで日本に対する関心が高いが、大学の日本関連講座は、縮小傾向にある。同財団は、支援事業を通じて若手の日本研究者の育成を目指す。

とのことです。


チリも積もれば山となる、その山を何に使うか、考えさせられます。



【今日は何の日】
レパントの海戦(1571)、衆議院で大日本帝国憲法改正案が可決により「日本国憲法」が成立 (1946)、テレビ朝日で『ニュースステーション』が放送開始(1985)

【今日が誕生日】
ヒムラー(1900)、ツツ(1931)、諸星裕(1946)

【今日が忌日】
徐光啓(1633)、狩野探幽(1674)、橋本左内(1859)


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2007年09月25日

大学と一貫教育

わが義塾は「学校法人 慶應義塾大学」ではありません。

ご存知でした?

早稲田は「学校法人 早稲田大学」ですが・・・


わが義塾は「学校法人 慶應義塾」であり、この法人が設置する大学レベルの教育機関が「慶應義塾大学」にあたります。したがって、理念上はすべての教育段階の機関が並列に並んでいます。
最も長く義塾の教育を受けるということになれば、
小学校レベルの「幼稚舎」に入り、
中学レベルの「中等部(三田/藤沢)、普通部(日吉)」、
高校レベルの「高等学校(日吉/志木)、女子高等学校、高等部(藤沢/NY)」
を経て、大学に入るということになり、その期間たるや6歳から22歳までの16年間に及びます。

ま、もっとも義塾は「塾生を終えても塾員」であり、一生義塾と共に歩んでいくわけですが。



さて、なんでこんな話をしたかというと、最近、小学校を開設する私立学校が増えているという記事があったからです。

来春開校の関西学院初等部で合格発表、生徒確保で差別化
《新聞記事:産経新聞9月22日付け》


関西のいわゆる「関関同立」の4校は、同志社と立命館が2006年、今回話題になっている関西学院が2008年、関西は2010年に開設するという具合に、今「ホット」らしいのです。

それぞれの法人ごと、様々な考えの結果として今回の動きになっているのでしょうが、おそらく基本は少子化に備えた早期からの学生確保ということなのでしょう。
(理由が根本的に違うのであれば、時期が同じになるのは不自然)


大学学部だけの教育であれば、期間もたった4年、そもそもその対象者も「大人」であって、その成果や行動の責任は学校ではなく本人に帰属します。

しかし、それ以前の段階、特に年齢が低ければ低いほど、そこで行われる教育は本人の人格形成に大きく作用し、学校が担うその責任は大きなものになります。



遠い将来を踏まえた一貫教育の道に踏み出しているのは、いったいどこなのでしょうか?





【今日(9月25日)は何の日】
タキトゥス、ローマ皇帝に即位(275)、コロンビア大学ジャーナリズム大学院設立(1912)、日中国交樹立(1972)

【今日が誕生日】
足利義満(1358)、魯迅(1881)、石橋湛山(1884)、クリストファー・リーヴ(1952)

【今日が忌日】
後陽成天皇(1617)、徳川光貞(1705)、ヨハン・シュトラウス(1849)


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2007年09月23日

学力格差以前に意欲格差?

「大学全入」時代は、高校生の学習する意欲を減退させているかも知れないようです。


大学進学者の5人に1人、家で勉強せず 「全入」で意欲低下か
《新聞記事:中日新聞9月22日付け》



新聞記事によると、高校3年生の5人に一人は家ではまったく勉強せず、二人に一人の勉強時間は2時間以下、という状況だそうです。

一方で勉強時間を「4時間以上」と答えた高校生は一年時の1%から19%に増加し、「約3時間」と答えた13%を合わせると32%となり、勉強する層と勉強しない層に二極分化しているようです。

二極分化というよりは「勉強しない層」がコボレ落ちている感が否めません。
勉強の必要性、というよりも「何を勉強すればよいか」を感じることができず、机の前から離れていっているという感じでしょうか。


で、この調査の主体は「東大の研究グループ」と記事に記載があるのですが、それは
東京大学大学院教育学研究科 大学経営・政策研究センター
Center for Research on University Management and Policy (CRUMP)

の「全国大学生調査
です。


このセンターは、私が修了した大学経営・政策コースと共に誕生した研究センターです。
今回記事に取り上げられた「大学生調査」以外にも「高校生調査」「卒業生調査」といった調査をはじめとして、国際的なベンチマークや実証データを用いた政策的シミュレーションなども活動内容としています。

何よりも今後の大学経営や政策に生かす実証データの蓄積を目的としており、今後の活動に期待です。




【今日(9月23日)は何の日】
海王星発見(1846)、加波山事件(1884)、北部仏印進駐(1940)、

【今日が誕生日】
アウグストゥス(前62)、葛飾北齋(1760)、ウォルター・リップマン (1889)

【今日が忌日】
頼山陽(1832)、ジークムント・フロイト(1939)、藤子・F・不二雄(1996)


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